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44歳、60歳で老化が加速する? 今知っておきたい未来の美容戦略

  • 2026.9.8
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『25ans』ではおなじみのローラン家――母・麗花さん、姉・静花さん、妹・萌花さんが、美容の最前線で活躍する3人の識者にインタビュー。これから私たちは、何を目指し、何を選び取っていくべきなのか。今回は読者を代表して、日本抗加齢医学会理事長などを歴任された山田秀和先生にお話を伺いました。

PROFILE

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山田秀和先生:
近畿大学アンチエイジングセンター客員教授/東京リライフクリニック最高顧問。1981年近畿大学医学部卒業。ウィーン大学や米国NIHでの研究を経て大学教授の他、臨床にも従事。日本抗加齢医学会理事長を務めた。大阪・関西万博ヘルスケア先端予防医療ディレクター。

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ローラン麗花さん:萌花・静花の母。58歳。交友関係が広く、セレブの友人も多数。年齢を感じさせない美肌の持ち主としても有名。

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ローラン萌花さん:ジュエリーブランドのオーナー兼デザイナー、29歳。幼い頃から欧米と日本を行き来してきた国際派で美容通。

近年解明された44歳と60歳で訪れる崖とは?

Yana Iskayeva / Getty Images
麗花さん Hearst Owned

山田先生、初めまして。本日は、ますます進化する未来の美容についてのお話を伺いにまいりましたの。これまで私たちは「お若いわね」という褒め言葉を求めて美を磨いてまいりましたが、多様化の時代、この先は何を目指すべきなのかしら?

山田先生 Hearst Owned

若さのなかにはさまざまな要素がありますから、これからもそれは大事な指標になりますよ。ただ、超高齢社会を迎えた今、「衰えにあらがう」というだけでは少し寂しいじゃないですか。それよりも僕が提唱しているのは、人生の最後まで輝き、生きがいを持って美しく生きる「FLOURISHING(フローリッシング=開花する)」という考え方です。

Stockbyte / Getty Images
萌花さん Hearst Owned

人生を開花させるビューティ…なんて素敵な響きですの! 年を重ねるほどに光り輝いていくなんて、まさに私たちが目指す道ですわ。でも、そのためには何を心がけたらよいのかしら?

山田先生 Hearst Owned

これについては、世界の基礎研究で最もホットな「ゾルゲルガラス理論」についてお話ししましょう。近年、老化の進み方は直線的ではないということがわかってきました。あるとき突然ガクッと老化するポイントがある。それが、「44歳の崖」と「60歳の崖」

麗花さん Hearst Owned

まあ! 緩やかに坂を下るのではなく、「崖」のように急激な変化が訪れる、ということですの?

山田先生 Hearst Owned

わかりやすい例としては、ホイップクリームの変化を思い浮かべてください。

萌花さん Hearst Owned

ホイップなら得意ですわ。

山田先生 Hearst Owned

ボウルで生クリームを混ぜていると、ある瞬間にパッと硬くなりますよね? 人間の肌や細胞でも同じような現象が起きていることがわかりました。皮膚の硬さを計測すると、20代から60代にかけて肌は徐々に硬くなります。これがゾル→ゲル化。そして60代以降、逆に柔らかくなる現象がガラス期。生クリームでいえば、分離して水っぽくなったような状態と考えています。

萌香さん Hearst Owned

では私たちはその「崖」ポイントをターゲットに、しっかりケアをしなくてはいけないということですわね。

山田先生 Hearst Owned

そのとおり。美容医療でも、レーザーや高周波で定期的に「適切な熱」を軽く加えることで、細胞の間質を柔らかく瑞々しい状態に導くことが期待できます。

麗花さん Hearst Owned

やはりクリニック通いは欠かせませんわね。

山田先生 Hearst Owned

ただし、やり過ぎは禁物。「レス・イズ・ベター」で、ローパワーのほうがいいと思います。

麗花さん Hearst Owned

でも私、ローパワーで悠長にケアしている時間がございませんの。他に何か打つ手はないかしら?

山田先生 Hearst Owned

最新のデータでは、人の特性をつかさどるのは遺伝要因が55パーセント、残りが環境因子やライフスタイルの影響といわれていますが、その45パーセントを支配する遺伝子の働きを変えるのが、「感動」や「ときめき」らしいとわかったんです。

遺伝子まで操作する⁉ 「パリ効果」で健康資産育成

encrier / Getty Images
萌花さん Hearst Owned

感動がお肌や遺伝子を変えるなんて、ロマンチックですわ!

山田先生 Hearst Owned

例えば、友達がパリやニューヨークに留学して帰ってくると、急にあか抜けてキレイになっていたりしませんか? 僕はこれを「パリ効果」と呼んでいますが、美しいものに囲まれてウキウキすることや人から見られる緊張感、都会暮らしという意識、新鮮な体験などが、遺伝子のスイッチをポジティブに切り替える可能性があるのです。

麗花さん Hearst Owned

確かに、私たちもドレスをまとってオペラを鑑賞し、素晴らしいアリアに心を震わせた後は、お肌が内側から発光するような気がいたします。

JGI/Tom Grill / Getty Images

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山田先生 Hearst Owned
山田先生 Hearst Owned

まさにそれです! 月に1回以上美術館に行く人は長生きの傾向があるというデータもあります。こうした感動体験は、単なる「贅沢や浪費」ではなく、脳と体を活性化させるための高価値な「健康資産への投資」なのです。しかも年中ゴージャスな暮らしがいいわけではなく、日常の穏やかな状態やビジネスでの緊張感などと、豊かなときめきの時間との緩急の波こそ重要なのです。

萌花さん Hearst Owned

私たち、ドレッサーの前に美しいボトルの化粧品を並べてうっとりしながらスキンケアをするのが常なのですが、こうしたことも実は美を磨く種になっているのでしょうか?

山田先生 Hearst Owned

いい心がけです。適当にお手入れするのではなく、「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのはだあれ?」と呟きながら、きれいなボトルの化粧品がまるで魔法のように効果を発揮することを信じて使うといいですよ。人間の「内受容感覚(体の内部を感じ取る直感)」は、非常に科学的なものなのです。

麗花さん Hearst Owned

今日からさっそく、鏡の前で「私が一番美しいわ」と唱えながらお手入れすることにいたしますわ!

山田先生 Hearst Owned

ええ、ぜひ。美容医療も取り入れつつ、日々の暮らしのなかにたくさんの「ときめき」をちりばめていくこと。それこそが、人生をいつまでもフローリッシングさせ続ける、未来の美容なのです。

Illustrations:AKIKO HIRAMATSU
Text:YURICO YOSHINO
25ans(ヴァンサンカン)9月号掲載(2026年7月28日発売)

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