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【60代老化の正体】肌の若々しさを左右する「ミトコンドリア」とは? 研究員がわかりやすく解説!

  • 2026.9.28

「大人の美容学」、今回のテーマは素敵世代なら誰もが気になる「肌老化」。今回のPart【1】は、私たちの体や肌に必要なエネルギーを作るミトコンドリアについて。そのミトコンドリアの働きを高めて、エイジングケアにつなげる化粧品がいま、話題を集めています。先進科学が結集した、新アプローチに迫ります。

大人の美容学とは……
肌の老化やシミ、シワの原因から、化粧品の成分やその役割まで、意外と知っているようで知らない美容のこと。「大人の美容学」では、美容の知識を増やし、納得して化粧品を選んだりケアを行ったりできるような学びの企画を不定期連載でお届けしています。

肌のエネルギーを生み出すミトコンドリアとは

エイジングケアの分野で注目されている「ミトコンドリア」。耳慣れない言葉だけど、そもそもミトコンドリアってなに?
「人間の体は数十兆個もの細胞でできていて、その細胞ひとつひとつにミトコンドリアという細胞小器官が存在しています。ミトコンドリアは、一言でいえば、細胞のエネルギー産生工場で、人間の活動に必要なエネルギー=ATPを作る役割を果たしています」(佐藤岳さん・以下同) 私たちが生きていくためにはエネルギーが必要で、ミトコンドリアはこのエネルギーの約90%を作り出しています。ミトコンドリアは全身の細胞に存在していて、もちろん肌の細胞にも! 「ミトコンドリアが作るATPは、肌においては、新しい細胞やコラーゲン、ヒアルロン酸を産生する、ダメージを受けた肌細胞のDNAを修復する、ターンオーバーするといった、さまざまな活動のエネルギー源になっています」。ということは、ミトコンドリアがATPをきちんと生み出していれば、肌のハリがキープされ、シワやたるみが抑えられ、バリア機能も正常になって、若々しくいられるというわけ。 「反対にミトコンドリアが上手く働かず、エネルギーが作られなければ、肌が健やかさを維持することはできません」。よく「一生懸命ケアしても手応えがない」という素敵世代がいますが、もしかすると肌がエネルギー不足なのかも!?
「老化したミトコンドリアは分解され、新しいミトコンドリアに生まれ変わるのですが、その寿命は表皮では数日〜1週間、真皮細胞では2〜4週間程度といわれています」

ミトコンドリアは生きるために必要なエネルギーの約90%を作っている

エネルギー産生工場=ミトコンドリアが生み出すエネルギーが不足すると、細胞の活動量が低下し、体や肌の健康が損なわれます。

ミトコンドリアが作るエネルギーの活用先 □細胞の増殖
□ターンオーバーの促進
□ダメージを受けた肌組織の修復
□コラーゲンやヒアルロン酸の生成

60代の肌はミトコンドリアの働きが低下し、量も減っていた

「ミトコンドリアは加齢や紫外線によって老化し、エネルギーを作る機能も低下していきます」
また機能が落ちるだけではなく、「体内の細胞が自らの力で新しく作るミトコンドリアの数は、加齢に伴って減少していきます。そのうえ年齢を重ねると、分解すべき『老化ミトコンドリア』が増えるため、分解機能が活性化。不要なミトコンドリアがどんどん分解されていくのに対して、新しいミトコンドリアの産生が追いつかなくなるのです」 結果、体内のミトコンドリアの総量は20代をピークに、10年ごとに5〜10%ずつ減っていき、60代ではかなり少なく。さらに70代では20代の50〜70%の量になってしまうというから驚き。こうした機能と量の変化は、肌細胞でも起こっています。

ミトコンドリアの総量は20代をピークに低下していく!

老化したミトコンドリアが分解されても、若いころは新しいミトコンドリアが次々と産生され、量が減ることはありませんが、年齢を重ねると、分解に新生が追いつかず、数が減っていきます。

健全なミトコンドリアが減ると 肌老化が加速する

年齢を重ね、機能低下したミトコンドリアが増えていくと……。「産生されるATPが減少して、肌細胞のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下する、細胞をストレスから守るタンパク質、ヒートショックプロテインが減る、慢性炎症因子(ANL)が増加する、真皮のコラーゲンなどが減少し、シワ、たるみに。糖化が進んでくすみが発生する、といった現象が起き、エイジングが進んでいきます」 さらに肌に悪さをする活性酸素との関係も見逃せません。
「ミトコンドリアは呼吸で取り込んだ酸素を使ってATPを生み出していますが、このとき同時に活性酸素も発生しています」 活性酸素が発生しても、ミトコンドリアに備わっている活性酸素を無害化する機能が働いているうちは大きな問題にはなりません。
「しかし加齢でミトコンドリアの機能が落ちると、ATPを作る量は減るのに、活性酸素が過度に発生。すると活性酸素により慢性的な炎症が生じ、コラーゲンが分解されたり、メラニンが過度に産生されたりして、シワやたるみ、シミなどが加速します」

若々しい肌への近道は ミトコンドリアの新生を促すこと

ミトコンドリアの機能低下と肌老化のしくみ <肌で起こること>
□エネルギー不足による細胞機能の低下
□細胞の代謝が乱れ、バリア機能が低下
□活性酸素や慢性炎症因子(ANL)が増加
□コラーゲンやエラスチンの分解が促進 <現れるエイジングサイン>
□シワ、たるみなどの肌老化が加速
□糖化も進み、肌の透明感が低下

肌のエネルギーを高めることが、未来の肌を変える

つまりミトコンドリアの働きを高め、量を増やすことは、肌の若々しさの根本。では、ミトコンドリアを健やかに保つ方法は?
「ミトコンドリアの新生を促すスイッチ=タンパク質のTFAMを活性化すると、『ミトコンドリアを増やせ』という指令が出て、効率的に増やせることがわかってきました。当社が見出した飛騨山椒種子エキスにはそうした働きがあり、化粧品に応用されています」 また、日々の生活でミトコンドリアを活性化するためには、
「体に『エネルギーが必要』と気づかせることが大事。日常の摂取カロリーを少し制限して空腹を感じたり、有酸素運動をしたりするといいといわれています」
美肌のカギ、ミトコンドリアのケア、意識してみませんか。

イラスト/清水利江子 文/入江信子 ※素敵なあの人2026年10月号「大人の美容学第4弾 最新研究でわかった「老化の正体」を徹底解剖!」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください  

教えてくれたのは 佐藤 岳さん

2014年再春館製薬所入社。評価開発・基礎研究・食品開発に携わる。現在は、老化研究に広く携わり、日本抗加齢医学会、日本生薬学会、抗加齢協会、日本薬学会で学会発表も行う。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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