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23歳で“9歳年上モデル”と電撃婚。身長差19センチの結婚から15年…日曜劇場に帰ってきた「実力派俳優」の現在地

  • 2026.9.30
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2012年3月、「ONE PIECE展」内覧会に来場した濱田岳(C)SANKEI

報道陣から結婚についての質問が飛ぶと、「ありがとうございます!楽しいです!」と答えたのは、質問された本人ではなく、隣にいた吉高由里子だった。

2011年9月、映画『ロボジー』の完成報告会見での一幕である。その直前、当時23歳だった濱田岳が、モデルの小泉深雪と7月に入籍していたことが報じられたばかりだった。9歳年上で身長差も19センチという話題の結婚。主役の座を隣の共演者にさらわれ、濱田は戸惑うばかりだった。

私生活や自分自身のことになると、濱田岳はいつもふっと笑いの中に身を隠してしまう。しかし、ひとたび芝居の核心に触れた瞬間、その飄々とした佇まいの奥から底知れない本気が顔をのぞかせるのだ。

仙台に向けたまっすぐな言葉

結婚した2011年の夏は、役者・濱田岳にとっても大きな転換点だった。日本テレビの深夜ドラマ『ピースボート -Piece Vote-』で連続ドラマ初主演。優秀な兄への劣等感を抱え、閉ざされた貨物船の中で命がけのゲームに挑む青年を演じていた。

婚姻届を提出したのはまさにこのドラマの放送中であり、結婚が公になったのも最終回の放送直前だった。放送開始前の撮影現場公開では、濱田は共演者の名前を次々に挙げ、現場の雰囲気の良さを語った。

同じ年の8月、もうひとつの重要な主演映画の製作が発表される。伊坂幸太郎原作×中村義洋監督による『ポテチ』だ。『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』など、仙台を舞台に数々のヒット作を送り出してきたこの黄金タッグの作品に、濱田は何度も出てきた。

撮影は東日本大震災の起きた年、全編仙台ロケで敢行された。作品でお世話になった思い出深い街に、またうかがえるのがうれしい。濱田は出演決定のコメントでそう喜び、いつか皆が映画を見られる状況になったら「一分でも、一秒でも、あの日のことから離れて」心の底から楽しんでもらえる作品にしたい、と続けた。

「冬島の方が泣きました」という照れ隠し

翌2012年1月、『ロボジー』のイベントで前年の私生活について問われた濱田は、グイグイと行かせていただきました、と答えて笑いを誘った。その月の下旬には第一子となる長女が誕生する。

父親になって間もない3月、夫婦で訪れた『ONE PIECE展』の内覧会で、ひとりで報道陣の前に立った際のエピソードもある。我が子が生まれたときのことに話が及ぶと、「涙は流したけど、エースが死んだとき、冬島の方が泣きました」と原作の名場面を持ち出して笑いを誘った。

もちろん冷淡なわけではない。家族が増えたことには、すごく興奮するものがあったと照れ笑いしている。それでも、いい話として綺麗にまとめられることを本能的に嫌うのだろう。感動を求められれば求められるほど、マンガの名場面を引き合いに出して煙に巻く。

モブさん刑事、そしてホワイトハッカー

2026年4月、濱田はテレビ東京のドラマ『刑事、ふりだしに戻る』で主演を務めた。影の薄さから「モブさん」と呼ばれる刑事が10年前に戻って人生をやり直すという、哀愁とユーモアが同居する役どころだ。15年前に深夜ドラマで初主演を務めた濱田は、連続ドラマの主演を任されたことを素直に喜んだ。

これに先立つ2026年2月公開の映画『教場 Requiem』では、白バイ隊員を目指した風間教場の卒業生、鳥羽暢照を演じた。7月からはTBS日曜劇場『VIVANT』の続編に、ホワイトハッカー・東条翔太役としてカムバックしている。前作ではウルトラマン好きの東条の部屋に、彼自身が子役時代に出たウルトラマン映画のポスターが貼られていたことも話題となったが、8月のイベントで見せたコメントが実に痛快だった。

視聴者の考察の中に「濱田岳だからそこまで大きな裏切りはしない」という意見があったと愚痴をこぼし、「まさか『VIVANT』で自分の商品価値を知るという」と驚いてみせた。

司会者の問いに、濱田は「僕だって俳優をやっている以上は、お客様を裏切りたいわけです」と答えた。そういう芝居をやりたいのに、とショックを口にして、また会場の笑いを誘っている。

かつて映画の会見で結婚について聞かれて戸惑い、隣の吉高由里子に答えてもらっていた青年は、いまもカメラの前では飄々と自虐を交えて場を沸かせる。しかしその笑顔の奥には、観客の予想を鮮やかに裏切ってやろうという表現者としての不敵な野心が脈打っている。

『VIVANT』の物語の行方はもちろん、濱田岳という底知れない役者が仕掛けてくる次の“裏切り”を、心待ちにしたい。


※記事は執筆時点の情報です

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