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慢性炎症(インフラメイジング)とは?老化を早める原因と今日からできる対策

  • 2026.7.6
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なぜ今「慢性炎症」が重要なの?

美容や健康に意識が高い人たちは、すでに実践しているという「慢性炎症」ケア。今知っておきたい「慢性炎症」の基本をリサーチ!

Getty Images

老化研究の発展で高まる慢性炎症ケアの重要度

「今、予防医療や美容、栄養療法に詳しい医師の間では『慢性炎症』と『老化』はセットだという認識が広がっています。インフラメイジング(炎症老化)という言葉が論文で発表されたのは2000年ですが、2023年に学術専門誌で〝老化を促進させる12の要因〞のひとつに『慢性炎症』が加えられたことで一気に注目が集まりました」と話すのは、医師の山﨑まいこさん。炎症老化に関する講演を行い、自身も日々炎症ケアを欠かさないという。

とはいえ、そもそも「慢性炎症」とは?

「よくイメージされる、赤くなる、腫れる、ヒリヒリする、熱が出るという症状は急性炎症。虫刺されや日焼けなど原因が明らかで、数日から数週間で症状が落ち着きます。これは体を守ろうとする免疫反応なので必ずしも悪ではありません。一方、慢性炎症は最初のうちは目に見えるような自覚症状がなく、数週間から数年と長く続く。たとえば歯周病やアレルギー性鼻炎、アトピーなどがわかりやすい例。慢性炎症があると、免疫がずっと働き続けて疲弊し、長期間にわたって炎症物質が出続けて肌や脳など全身に悪影響を及ぼします。抜け毛や白髪、シワやくすみなど見た目の問題はもちろん、動脈硬化、糖尿病、自己免疫疾患、認知症などの病気につながることも。症状がないからこそ怖いのです」(山﨑さん)

「大気汚染によってのどの痛みや鼻づまりなど呼吸器系に炎症が起きる、超加工食品によって腸が炎症する、摩擦や乾燥の放置、刺激の強い美容法で肌が荒れる、などが慢性炎症の主な例。若いうちは炎症の影響を感じなくても、30代後半以降は見た目や健康状態に差が出てきます」(山﨑さん) YUKO SAEKI

美容業界でも「慢性炎症」に注目が集まっていると話すのは、化粧品開発者の竹岡篤史さん。

「シミ、しわ、たるみなど老化の根本原因に慢性炎症があることがわかってきたことに加え、ここ数年、レチノールや美容医療のブームで多くの人が肌への刺激や炎症を実感するようになり、自称敏感肌の人が世界的に増加しました。その結果、炎症ケアをうたった製品が非常に増えているんです。

神経から炎症にアプローチする『ニューロコスメ』や腸内環境を整えて全身の炎症を抑える『ニュートリコスメ』といった新しい概念も登場しています。単に〝赤みを鎮める〞といった一時的なケアにとどまらず、老化を防ぎ、根本的に揺らぎにくい健康な肌をつくるための最重要課題として慢性炎症ケアが注目されています」(竹岡さん)

「紫外線や化学物質、酸化などが原因で肌のバリア機能が崩れると、急性炎症が起こります。それが治りきらずくすぶり続ける状態が慢性炎症。表面の赤みが消えても、内部では免疫が過敏になっており、傷ついた細胞が炎症物質を分泌して周りの細胞老化も加速させてしまいます」(竹岡さん) YUKO SAEKI

食事・運動・睡眠・スキンケア多角的アプローチを心がけて

「慢性炎症の原因は、後天的要因が重要。腸に刺激のある食品を継続的に取ることで起こる腸内環境の悪化、慢性的なストレス、睡眠不足、紫外線や大気汚染などの外部刺激、栄養不足、不適切なスキンケアなど多岐にわたります。


そのため、ひとつの方法で一気に解決!とはいかず、多角的なケアが必要。栄養素が少なく添加物の多い超加工食品を避け、腸内環境を整える、7時間以上の良質な睡眠、週3回の筋トレと有酸素運動などが推奨されています。スキンケアでは紫外線対策と保湿はマスト。毎日笑って過ごすなど、ストレスケアも大切です」(山﨑さん)

いくつ当てはまる?「慢性炎症」危険度をチェック!

Filmstax

□常に疲れが取れない、疲れやすい

□寝つけない、中途覚醒など眠りに問題がある

□睡眠時間が6時間以下になりがち

□甘いものをよく食べる

□食べる時間が日によってばらばら

□暴飲暴食気味でつい食べ過ぎる

□ほとんど運動をしていない

□肌が常に乾燥していたり、大人ニキビを繰り返す

□同年代に比べてシミ・シワが多い

□歯周病と言われたことがある

チェックが多いほど慢性炎症度が高い可能性大!

自覚症状が現れにくい慢性炎症だけれど、疲れやすさや肌の乾燥・ごわつきなどはその兆候。腸内環境も全身に影響するため、腸に負担のかかる食事や不規則な食生活は要注意。睡眠不足や運動不足もリスク要因に。肌の鎮静を促すスキンケアや次からのインナーケアをチェックして、ぜひ取り入れてみて。

体内の慢性炎症を防ぐインナーケア

体の中でくすぶる炎症をケアするために、効果的な食習慣や取り入れるべきサプリメントを山﨑まいこさんに聞いた。

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体に必要な栄養を取り、不要なものを避けて回復を促す

「炎症をゼロにはできません。日々の炎症要因をなるべく減らし、早い段階で回復・リセットできるかどうかが大きな分かれ道」と語る山﨑さん。

「腸内環境に直結する食事はとても重要。必要な栄養素は取り、悪いものを入れないことを意識して。小麦・乳製品・清涼飲料水・インスタント食品など超加工食品の頻繁な摂取は控えましょう。地中海食が推奨されており、魚、ナッツ、野菜、豆類、全粒粉、発酵食品を中心に。腸内で短鎖脂肪酸を作り出す、ごぼうや玉ねぎ、海藻などの発酵性食物繊維、抗炎症作用の高いオメガ3系の良質な油も積極的に取りましょう。

食事だけでは不足しがちな栄養素もあるので、サプリメントで補うことも有効。抗炎症におすすめの成分をご紹介します」(山﨑さん)

ミトコンドリアをサポートするサプリメント

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「 細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの働きが低下すると、慢性炎症が起こり、さらにミトコンドリアの機能を低下させる悪循環に。ミトコンドリアの働きは40代、50代と年齢とともに落ちるので、40代以降はミトコンドリアをサポートする成分を取ると◎」(山﨑さん)

NMN・NAD+

ミトコンドリアがエネルギーを作る際に必須なのがNAD+。NAD+のもとになるのがNMN。どちらも長寿遺伝子を活性化する。

5-デアザフラビン

NAD+と同じ働きをするといわれ新たに注目される成分。老化を抑制する長寿遺伝子を活性化するが、年齢とともに減少する。

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ミトコンドリアがエネルギーを産生するのを助ける補酵素で、体内では合成できないため食品などからの補給が必要。

コエンザイムQ10

ミトコンドリアがエネルギーを作る際に必須となる補酵素のひとつ。細胞を活性酸素から守る抗酸化作用ももつ。

エネルギー代謝に必須なミネラル

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「ミトコンドリアがエネルギー産生をスムーズに行うために必要になってくるのが亜鉛やマグネシウムなどのミネラル。外食が多かったりお酒をよく飲むなど、食生活に自信がない人はサプリで補充を」(山﨑さん)

亜鉛

キングオブミネラルとも呼ばれ、免疫の過剰な暴走を抑える働きが。炎症シグナルの経路を抑え込むため、炎症ケアには必須。

マグネシウム

ミトコンドリアが生み出すエネルギーを安定させたり、活性酸素からミトコンドリアを守る作用がある。睡眠の質を上げる効果も。

炎症の原因になる酸化を止める成分

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「 慢性炎症が起こる初期段階では酸化反応が起きています。そのため、慢性炎症を防ぐには、まず酸化をストップさせること。高い抗酸化力をもつビタミンCやビタミンEを補給しましょう。水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEは一緒に取るとより効果的」(山﨑さん)

ビタミンC

高い抗酸化作用で知られる。体内で生成できず、ストレスがかかると大量に消耗されるため、積極的に補うとGOOD。

ビタミンE

脂溶性の抗酸化物質で、油の酸化を防ぎ、細胞や血液を健康に保つ。細胞にたまりやすいため、サプリで取る場合は容量を守って。

脳の老化を防止する成分

Enn Li Photography

「えごま油やアマニ油などがオメガ3系の代表ですが、体内で抗炎症効果をもつEPAや脳にいい影響を与えるDHAに代謝する力は個人差があり、変換効率が悪いといわれます。サプリで直接取るのがおすすめ」(山﨑さん)

EPA・DHA

青魚に多く含まれ、血流の改善や炎症を抑えるEPA。DHAも抗炎症作用をもち、脳機能や認知機能の低下を抑えてくれる。

教えてくれたのは…

山﨑まいこさん

まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長。2017年東京・代官山にて開業。皮膚科治療や栄養療法を組み合わせ、体の内外からのケアで健康と美をサポートしている。

竹岡篤史さん

スキンケア成分ハンター。国立研究所で経皮ワクチンの研究開発に携わった後、美容成分の開発者へ転身。多くのブランドの製品開発に関わる業界のキーパーソン。@takechanman.beauty

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