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【連載】人気シェフに習う、食パンアレンジレシピ Vol.3「かまびす」女将 もみさん

  • 2026.5.28
SHINTARO OKI

いつもの食パンがシェフの技でお酒にぴったりの「ごちそう」に。身近な食材を使い、驚くほど簡単に仕上がるトーストレシピをご紹介。プロのテクニックを味方につけて、朝食やブランチを格上げする一皿を早速作ってみよう!

Photo SHINTARO OKI Cooking MOMI

SHINTARO OKI

女将のセンスが光る、パンと食材の好バランス

下町情緒が残る東京・門前仲町にある、旬の食材を使った料理で人気の酒場「かまびす」。

しらすが旬の時期には、しらす、ピーマンをこぶみかんの葉、青唐辛子などを加えたハーブオイルと和えてバゲットにのせたブルスケッタを。冬になれば、食パンで牡蠣とベシャメルソースをくるっと巻いたクリームコロッケが。メニューの主役ではないものの、店にはパンを使った料理がちょいちょいと登場する。

「パンは好きですね。休みの日に家でオープンサンドを作ったり、カフェで働いていたころはサンドイッチの味付けや具材の組み合わせを考えて提供してました」と話すのは、店の料理を手がけ、蒸留酒の愛好家の間では“名注ぎ手”としても知られる、女将のもみさん。

今回もみさんが紹介するのは初夏にふさわしい、シャキシャキとした食感を楽しめるトーストだ。

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酸味とフレッシュ感をプラス! 季節に合わせてトーストも衣替え

おいしさの核となるのは、レモンのコンフィ。そう聞くと、時間がかかりそうと、思うかもしれないが、トースターで簡単に作れるというからうれしい。

「コンフィ“風”ですね(笑)。薄切りしたレモンに砂糖をまぶし、トースターで加熱して完成。短時間で皮まで食べられるほど柔らかくなりますよ」

レモンに合わせるのはセロリとツナ。トーストレシピといえば、食パンに具材をのせてから焼くことが多いが、今回は先に焼いた食パンにフレッシュな野菜をトッピング。

「秋冬や春先はチーズをのせて焼き、チーズがとろとろした状態で味わうこっくり濃厚系のトーストがいいですよね。今のようにちょっと暑い日が増えた時期には、すっきりサラダ感覚で楽しめる一皿がいいと思って、具をあとのせにして仕上げました」

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食材の時間差投入で効率よく仕上げる

レモンのコンフィ“風”の作り方は簡単。トースターに入る天板などにオーブンペーパーをしき、薄切りしたレモンを並べて砂糖を振りかけて加熱するだけ。

3~4分ほどたったらレモンはそのままに食パンを入れて、パンの両面カリッと焼き上げる。

「強火設定ができるトーストならば強火で。パンの焼き時間も含めて、トータル6分くらいでできます。レモンを焼いてる間にセロリを切れば、さらに時短に。食パンは薄切りよりも、少し厚みがあってほんのり甘みを感じるタイプがよく合いますよ」

食パンはほんのりきつね色が焼き上がりの目安。「のせる食材の香りがやさしいのであまり強い焼き色よりは、サクッと香ばしく、中はもっちりがいいですね」

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組み合わせのヒントは焼酎の蔵元から?!

セロリの上にのせたツナの間にピリッと刺激のあるわさび菜とレモンコンフィを3〜4枚挟み込む。

このレモン使いのインスピレーション源は、鹿児島県・大和桜酒造のイベントで体験した柑橘と同蔵元が手掛ける人気の芋焼酎「大和桜」とのペアリングにあったという。柑橘の酸が芋焼酎ならではの香りを引き締め、味わいの輪郭が明確に。このおいしさを自宅でも楽しみたいと思ったとき、ひらめいたのがこのトースト。

「せっかくなら、平日の朝ではなく、休日のブランチにお酒と楽しみたいですよね」。

近年のトレンドであるパン飲みの多くはワインやビールがメインであり、焼酎はブームとはいえまだ新顔。だからこそ、この意外な掛け合わせは食の楽しみを上げてくれる。

昨今は焼酎のソーダ割りが人気だけど、おすすめは水割り。「蔵元さんがソーダ割りは焼酎や料理の香りが飛ぶので、水割りで楽しんでほしい」と。

その言葉通り、ソーダ割りにはすっきりとした良さがあるものの、レモンと合わせた味わいのバランスを堪能するには水割りのほうが格段にいい。

SHINTARO OKI

休日にお酒と楽しむ、ブランチトーストの完成!

仕上げに粒マスタードと粗塩、こしょうを散らし、ミントの葉をアクセントに加えることで、味わいが立体的に。

レモンの爽やかな香りと砂糖でマイルドになった酸味、シャキシャキのセロリとわさび菜、そしてツナのほくほく食感が、トーストの香ばしさでひとつに。

「酸はお酒と料理を繋ぎ合わせる接着剤のようなもの。それぞれの食材の輪郭を引き立てて、野菜や魚のうま味もぐっとアップします」。

ツナはサラダチキンや白身魚のコンフィに変えても相性抜群。焼酎は王道系の芋焼酎を合わせて。酸味が加わることで、芋の香りが引き立ち、料理との相性も良くなる。もちろん、焼酎以外にも白ワインやスパークリングともおいしく楽しめる。

「レモンは多いほうがおいしいですよ」と、もみさん。おなじみの食材を使いながらも、驚くほど洗練された仕上がりになる一皿は、簡単に作れて、一味違うおいしさ。早速、試さずにはいられない。

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蒸留酒とアレンジ系料理を楽しむ、個性派酒場

今回レシピを教えてくれたもみさんは、2022年に東京・門前仲町にオープンした小料理屋「かまびす」の女将として料理を手掛ける。カウンター8席の店内は、ウッドと白を基調にバーガンディがアクセント。こじんまりとした温かみのある空間には、「虎ノ門蒸留所」のクラフトジンや選りすぐりの焼酎がずらりと並ぶ。

沖縄にルーツを持ち、幼い頃から日常的に沖縄料理に親しんできたというもみさんが作るのは、ジンや焼酎といった蒸留酒の個性を引き立てる、香り豊かな品々。

甘い香りにうっとりする月桃の葉を使った「むちむち肉団子の沖縄月桃の葉蒸し」をはじめ、鮮やかなパクチーソースに蒸し鶏をあえた「パクチキン」、定番の居酒屋メニューであるたこときゅうりの組み合わせに、ケイジャンスパイスやクミン、コリアンダーを効かせた「スパイスタコきゅうり」など、どれも味わいと香りを楽しめる、ひねりあるメニューばかり。蒸留酒好きがこぞってこの店を目指すのも納得だ。

かまびす
住所/東京都江東区深川1-8-12
営業時間/17 :00~22:00
電話/070-8957-5794
定休日/月・日曜
Instagram/@kamabisusii

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