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仙台のパンシーンが今、劇的にアツい! プロが厳選する、間違いなしのベーカリー6選

  • 2026.5.27
Hiroaki Ikeda

関西、横浜、名古屋に福岡…日本全国の名だたるパンシティの一角に名乗りをあげようとするネクストブレイク候補が仙台。「え、仙台って米どころじゃないっけ?」そんな認識はもはや過去のもの。地元産小麦があり、実力派がひしめいて、技と趣向を競い合う。今回は、パンで宮城を盛り上げようと昨年立ち上がった6人の精鋭による「宮城麦人」所属ベーカリーをご紹介。

また5月30日(土)、31日(日)はJR仙台駅直結の「エスパル仙台」にて記事内で登場する宮城県内の名店をはじめ、福岡や北海道の人気ベーカリーのパンが集結する「エスパル パンだらけ」イベントも開催。合わせてチェックして。

ナビゲーター
池田浩明さん
NPO法人「新麦コレクション」理事長、「パンラボ」主宰。おいしいパンがあると聞けば全国どこまでも。YouTube「パンラボ」でパンや作り手の魅力を発信中。Instagram/@ikedahiloaki

Hiroaki Ikeda

ぱんやあいざわ/宮城郡・松島

仙台パンシーンを牽引する実力店

日本三景・松島。伊達政宗ゆかりの国宝 瑞巌寺にほど近い場所にあるこの店は、松島に行くならセットで訪れたい場所。

この道25年の相澤隆志シェフにしか作れないベテランの味がある。たったひとりですべてのパンを製造。粉から焼きまですべての工程に眼を通すだけに、ピンポイントに「ここ」というところに持ってくる。食感も味も。

Hiroaki Ikeda

豊富にそろうハード系食事パンに心ときめく!

地方では売れないといわれるカンパーニュをあえてメインに、生地がつながりやすい市販の粉は使わず、北海道・十勝の自然栽培生産者、中川泰一さんから小麦を仕入れ、自家製粉で100%。いかにも重くなりそうなのに、かりっと皮が破れ、中身はほわっとやわらかくほどける。

当日に粉から仕込んで、生地の温度を落とさずに焼きまでもっていく。ゆえに、自家製のルヴァンを使用しながら、酸味がなく、畑の味をダイレクトに味わえる。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

あいざわ名物「あんこと発酵バター」は、ふわふわでやわらかな王道のこっぺ生地に、注文してから十勝産あずきを丁寧に炊き上げたあんこと、冷えた極厚のよつ葉発酵バターをサンド。

「カルダモンロール」は、生地をロールした北欧風の成形だけに、ぱりぱりともっちりが交錯。クリーミーにとろけ、カルダモンの香りをあふれるほどに広げていく。

「バゲット」は、東松島町の生産者「アグリードなるせ」の小麦「夏黄金」「シラネ」を50%ずつ配合。夏黄金で軽やかさを、シラネがいつまでもつづくような味わいの持続を表現している。

なによりも、生産者との絆を大事にする相澤さん。夏は毎年、小麦の産地・十勝へ。どれだけ忙しくても、具材を自家製することを欠かさない。そんな誠実さがあらゆるパンにこもっている。

Hiroaki Ikeda

ぱんやあいざわ
住所/宮城県宮城郡松島町松島町内156
電話番号/ 022-354-0233
営業時間/8:30~17:00(売り切れ終了)
定休日/月・火曜
インスタグラム/@pain.aizawa


Hiroaki Ikeda

三麦園(みむぎえん)/仙台市泉区

粉にこだわった、和テイストにほっこり落ち着く

次世代の胎動が聞こえる。まだ30歳、宮城パンシーンの未来を背負う逸材が三浦圭馬シェフ。店名に「麦」と付け、店内に粉袋(小麦粉の入っている袋)を飾る。

作るパンはニューウェーブ。地元産素材を使い、フィリング、ソース、マヨネーズ、あんこ、ベーコンやソーセージまですべて自家製。ショーケースの中は、ランチにうってつけの惣菜パンがずらり。加水が多めのとろける生地に、日本人の味覚に合う和食的な着地点。おにぎりみたいに、むしゃむしゃ食べられるパンばかりだ。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

1番人気「だし醤油(しょうゆ)バター」(写真上)。皮に塗られた自家製だししょうゆがキャラメリゼしてぱりぱり割れるクレームブリュレ的食感、もーーっちんとした弾力から超速でちゅるりととろける。バターとしょうゆの塩気が作り出す甘じょっぱ味は魔性。

「アンチョビガーリックとゴルゴンキャベツ」(写真下)は今すぐ買いにいきたい、買えないなら家で自作したいぐらいの素材の組み合わせ。フォカッチャ生地の上に、ぱりっと香ばしい焼きキャベツ。アンチョビのうま味が効いてきて、生地とのまとめ役としてゴルゴンゾーラチーズ。いかにもお酒が進みそうな味付けだ。

Hiroaki Ikeda

自家製粉にも果敢に挑戦!

それでいて、本格派のパンも秀逸。「スペルト小麦のカンパーニュ」は十勝の自然栽培生産者・中川さんの小麦を自家製粉して100%使用。

地元・宮城の米を使った「米酵母」が、魚と錯覚するほどのうま味を醸す。ざくざくと難なくちぎれて、ほどけるようにやわらかい食感。酸味もなくやさしい味わいはハード系・全粒粉初心者でも楽しめて◎。

三麦園(みむぎえん)
住所/宮城県仙台市泉区市名坂字新道15-4
電話番号/ 090-7531-8566
営業時間/8:00~16:00(売り切れ終了)
定休日/火・水曜
Instagram/@mimugien

Hiroaki Ikeda

ブーランジェリージラフ/仙台市若林区

仙台のパンダーランド発見!

エンタメ性たっぷりの店舗。曲線を描く長い平台の上に並べられた100種類以上のパンに大興奮。ここでは老若男女どんな人でも食べたいパンが見つかるだろう。

地域密着のなつかしいパン、フランス産オーガニック小麦を使って黒々と焼き上げた本格バゲット。はたまた、トレンドを押さえた映えのパン。

Hiroaki Ikeda

プレーンやピスタチオやチョコなどさまざまな色のカスタードをカラー展開したクリームドーナツ。人気の「湯捏のレトロコッペ」も、メープル、こしあん、いちごと、こちらもカラフルに。高橋司シェフ、店作りのセンスも、時代の気分をとらえる構成のセンスも抜群だ。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

「無花果とクリームチーズ」(写真左)は、むっちりバゲット生地にたっぷりのクリチというダイナミズム。生地からくるみとかぼちゃの種とナッティさがあふれ、いちじくからふんぷんと赤ワインの香り湧きだし、それがねっとりとクリチに波及する。

「渋栗とシナモンクリームのクイニーアマン」(写真右)。カラメリゼされ、ばりっばりに割れまくるクイニーアマンというだけで大満足なのに、中から渋皮栗、そしてシナモンの香りあふれさせながらクリームが飛び出してくるという、これでもかのオーバースペックににやにやが止まらない。

2階にはスペシャルティーコーヒー専門店「KEYAKI COFFEE」。パンを持ち込んでコーヒーといっしょに食べられる。なんという至福の時間。こんなにペアリングが強い店、東京でもなかなか見当たらない。

boulangerie girafe(ブーランジェリー ジラフ)

住所/宮城県仙台市若林区卸町1-3-13-1 1F
電話番号/ 022-703-2740
営業時間/7:00~17:00
定休日/月曜
Instagram/@boulangerie.girafe

Hiroaki Ikeda

あくつさんち/仙台市青葉区

パン職人も嫉妬する?! 驚異のもちもち食感

日本中を席巻しつつある、口溶けじゅわーの高加水超熟成パンムーブメント。それを杜の都仙台でいち早く実践、前人未到のとんでもないパンでシーンを揺るがす”高加水界の伊達政宗”こと阿久津和樹シェフ。

薬剤師とパン職人、二足のわらじを履く。理系らしく、理詰めで作るパンは120%を超える高加水。イメージキャラクター「雷鳥先生」に似て、ご本人はやさしい癒し系キャラだが、一度厨房に立てば動きは一変。目にも止まらぬ手業で、べたべたの高加水生地を見事に扱うハイテクの持ち主。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

そのパンは奇跡というほかない。「食パン」(写真上)はいわゆる“気泡ぼこぼこ”を通り越し、気泡が成長しすぎて、気泡膜を破りそうになって、紙一重でもちこたえている感じ。だから、食べてみると一瞬で溶けて、エアリーを通り越し、まるで存在しないものを食べているかのような超速の口溶けだ。

そそられて仕方ない「いちじくレーズンくるみ」(写真下)。加水150%と”ギネスに挑戦”レベル。仙台城の石垣のように、ドライフルーツとナッツが組み合わされ「生地どこいった?」状態だが、食べれば一変。押し寄せるフルーツの風味に応え、生地がとんでもない甘さを放ち、存在感を発揮する。

Hiroaki Ikeda

週一に登場する愛らしい看板が目印!

営業はほぼ週末のみ。製造はたったひとりで数が限られるため、目当てのパンにたどりつくのは狭き門。いや、だからこそ、この店のために仙台に行く甲斐があるというものだ。

あくつさんち
住所/宮城県仙台市青葉区堤町3-12-16 高橋ビル 101
電話番号/ なし
営業時間/10:00~17:00 (売り切れ終了 )
営業日/土曜
Instagram/@akutsu_3_chi

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コヤギ ベーカリー/仙台市太白区

商品数の多さに圧倒される

仙台市街を見下ろす、丘の上の住宅地・八木山。扉を開けて中に入った瞬間、目も眩むような眺めが現れる。陳列棚にこまごまと並べられた少量多品種のパンたち、約60アイテム。しかもどれも丁寧にこつこつと作り込まれている。

早起きのお客さんにわくわくしてもらおうと、開店時からたくさんのパンをそろえて待ち受けているのだ。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

ふわふわエアリーな「ルヴァン・バタール」(写真上)。自家製ルヴァンを使用したハード系でありながら、味わいも食感も実に軽やか。なのに、薄めの皮に驚きのうま味。日・仏・北米の小麦粉をベストミックスし、軽さの中に深みを潜ませているのだ。

同じ生地で作る「あんバターサンド」(写真下)。どら焼きの人気店「ankoya」のあんこを使用。豆の味わい濃厚にして、甘さは控えめ。有塩バターとのペアリングがなんて魅惑的だろう。甘さがやさしいからもたれず、ぐいぐい食べられる。

Hiroaki Ikeda

あれこれ選びたいなら開店直後がおすすめ!

週末は開店時間朝6時半。それでいてこの品揃えだから、店主・長谷川愛さんの努力に頭が下がる。陳列棚の絶景を見るなら早起きが吉である。

KOYAGI BAKERY(コヤギ ベーカリー)
住所/宮城県仙台市太白区松が丘35-3
電話番号/ 022-707-5252
営業時間/9:00(金・土曜6:30) ~売り切れ次第終了
定休日/日・月・火曜及び不定休(Instagramで確認)
Instagram/@koyagibakery

Hiroaki Ikeda

ザ ブレッド バー/仙台市・若林区

ふらっと立ち寄って買える、ハイレベルパン

こんな店があったらいいな。そう思わせる東西線荒井駅の目の前という地下鉄利用者には最高の立地。まるでキオスクのような必要最低限の面積で対面販売する。忙しいときでもちょっと立ち寄って、ランチ用の惣菜パンや、おやつパン、食事パンなど心尽くしのアイテムを買うことができる。笑顔やちょっとした会話とともに。

フランスにあこがれ、現地に飛び込んでパンと料理を吸収、メゾンカイザーでシェフも務めた小島賢二さんの店。自家製のルヴァンリキッドを使用、少しのイーストでゆっくり熟成させる製法。化学添加物を使用しないのもこだわりのひとつだ。

東日本大震災のときは津波の被害を受けた地区。津波で被災した生産者からの「いっしょに仕事がしたい」という言葉に心を揺さぶられて、この場所に出店を決意したという。

Hiroaki Ikeda

味わうべき名品はこれ!

その言葉通り、生産者から届く旬の野菜をアドリブでパンにする。取材時は「長ネギとさといも、仙台みそのピッツァ」(写真上)。塩気のきいた赤味噌がうま味を加え、野菜と生地をつなぎ、テロワールを運んでくる。パンと味噌を合わせてもいい。そんな自由な発想がとびきりの食べ方提案になっているのだ。

キッシュは日替わりで、季節の素材を使う。取材時は、「ちぢみほうれん草ときたあかり、マスタードとチキンのキッシュ」。パンと料理をいつもいっしょに考えてきた小島さんならでは、腕が冴えわたる。

「パン・オ・レザン」(写真下)は、オーソドックスな渦巻き状。厚めのクロワッサン生地が奏でるぱりぱり音と、カスタードに濡れそぼった中身がコントラストを描く。これ、フランスそのままのおいしさではないか。王道フランスパンと地産地消の惣菜パン。両者のグッドバランスが小島シェフの真骨頂だ。

Hiroaki Ikeda

THE BREAD BAR(ザ ブレッド バー)
住所/宮城県仙台市若林区荒井東87‐2
電話番号/ 022-702-0356
営業時間/10:00~19:00(売り切れ終了)
定休日/日・月曜
Instagram/@the_bread_bar

Hearst Owned

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