1. トップ
  2. 住まい
  3. 【28㎡】間取りを再構築。色彩が広がるパリのアパルトマン

【28㎡】間取りを再構築。色彩が広がるパリのアパルトマン

  • 2026.5.7
Yannick Labrousse

限られた空間であってもインテリアは諦めない。その手本となるのは、パリのアパルトマン。小空間でも好きな家具や色彩をたっぷりと詰めた、個性的な家を紹介。『エル・デコ』4月号より。

Yannick Labrousse

間取りを再構築し、色でリズムを生み出す

パリ左岸の7区はエッフェル塔をはじめ官公庁や大使館が点在するシックなエリア。この一角の小さなアパルトマンの改装を手掛けたのは建築家マリアンヌ・エヴヌー。都市型住居の設計を得意とする彼女に託されたのは、わずか28㎡の空間だった。

<写真>クラシカルな寄せ木細工の床と好相性のグリーンで彩られた北欧風のリビングダイニング。廊下に飾った抽象画が、ギャラリーの一角のように浮かび上がる。

Yannick Labrousse

<写真>キッチンの横に書棚を備えたリビングを配置。小空間ゆえの大胆なレイアウトだが、グリーンとペールグレーの配色が落ち着いた統一感をもたらした。

Yannick Labrousse

家族4人が週末にくつろげるラグジュアリーな空間

オーナーからの条件は「家族で過ごすための贅沢な家」というもの。改装に際して建築家が初めに取り掛かったのは空間の再構築だった。

「例えば玄関奥にはシャワー室とミニキッチンが隣接しており、とてもファミリー向けとは言えませんでした」とエヴヌーは語る。

QUENTIN SCHWAB

まずキッチンをメインルームに移設し、リビングダイニングにつくり替えた。続く主寝室との壁は一度取り払い、内窓のようなガラス製の仕切りを設置した。圧迫感を軽減するためのこの試みは、プライベート空間としての独立性を保ったまま家全体に自然光を行き渡らせる効果を生み出した。

<写真>緑と赤で彩られたドラマチックな玄関と廊下を抜けると、落ち着いたグリーンを基調としたリビングダイニングが。その先は縦ラインを強調したガラスの仕切り壁が寝室との空間を分ける。

Yannick Labrousse

古いシャワー室は洗面台や洗濯機を設置し機能性も大きく改善した。

<写真>モノトーンのバスルームは異なる質感とデザインの組み合わせで、クリーンだが殺風景にならないよう配慮されている。シャワーブースのほかラジエーター、洗濯機、ツインの洗面ボウルを備えた。

Yannick Labrousse

間取りの工夫以外に、インテリアの色彩コントロールも彼女が得意とするテクニックだ。

「ダークグリーンとホワイトがこの家のメインカラー。各所に繰り返すことで統一感と奥行きを生み出しています。玄関の壁やラグ、寝室のリネンに使った赤は明るく楽しい雰囲気で家のアクセントとして採用しました」

<写真>家の顔ともいえる玄関はイチヂクの葉をモチーフにしたにぎやかな壁紙が目を楽しませてくれる。腰板の白の切り替えによって、デザイン性の高い壁に抜け感のある視覚効果をもたらした。

Yannick Labrousse

小さな空間でも遊び心を忘れない挑戦によって、快適さと新しい個性を獲得している。

<写真>寝室はベッドの両側にシンメトリーに両開きのキャビネットと収納を設けて整然とした印象に。淡いピスタチオグリーンの壁に映えるバーミリオンカラーのスローは「ピエール・フレィ」。本棚に付けたベッドサイドの照明はル・コルビュジエの“ランプ・ド・マルセイユ”

Photo:YANNICK LABROUSSE Original Text:CLÈMENCE LEBOULANGER
Illustration:QUENTIN SCHWAB Text:RITSUKO ABE

Hearst Owned

STYLING IDEA

緑と白を基調にアクセントとして赤を効かせた、色を楽しむパリの部屋からインスピレーションを得て、スモールスペースに映える家具&小物をセレクト!

Hearst Owned

左から順に

真っ白な陶器の照明。“コルベール ペンダントライト”(W28.2×D28.2×H12cm)¥128,150/アスティエ・ド・ヴィラット東京フラッグシップストア

光沢感が特徴のカフェテーブル。“ティエリービストロ”(W70×D70×H72cm)¥247,900/カルテル

「HAY」とアーティストのエマ・コールマンがコラボレーション。“ラ・ピットゥーラ・プレート”
(φ28.5cm)¥9,900/HAY JAPAN

Hearst Owned

左から順に

「ケ・オンダ・ボス」のクッション。
“スエニョ ドッツ ♯2”(40×40cm)¥31,900/コンプレックス

スウェーデン発、「カスタール」のハンドタフテッドラグ。
“モス”¥134,200/㎡/カスタール日本支社

ジュリオ・マンゾーニが手掛けたシングルベッド2台になるソファベッド。
“ツインズ”(ソファの時W220×D94×H73×SH42cm)¥2,373,900~/フレックスフォルム トーキョー

「サンドバーグ」の壁紙。
“フィグガーデン S10257”(W53cm×10m巻)¥41,800(1本あたり)/マナトレーディング

Hearst Owned

左から順に

豊富な色から選べる、「モンタナ」の機能的なシェルフ。
“シェルフ 1613”(W69.6×D30×H69.6cm)¥173,800~/モンタナファニチャー・ジャパン

デンマークの巨匠デザイナー、ハンス・J・ウェグナーによる職人の技が光る椅子。
“CH30P”(W52×D47×H78×SH46cm)¥130,900/カール・ハンセン&サン 東京本店

ボーエ・モーエンセンによるスツール。“J27”
(W35×D35×H45cm)¥33,000/グリニッチ代官山

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年4月号



元記事で読む
の記事をもっとみる