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「まだ使える」とリフォームを先延ばしにした結果…50代夫婦を直撃した“ナフサショック”の悲劇

  • 2026.6.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。マンション管理士のライターS.Kです。自宅の設備が古くなってきたと認識していても「まだ使えるから」と、交換を先送りにしてしまう方は多いのではないでしょうか。

今回は、水回り設備の更新を見送っていたご夫婦が、思いがけない社会情勢の波にのまれてリフォーム費用が膨らんだエピソードを紹介します。

故障した給湯器とナフサショックによる受注停止

築20年を超える持ち家に暮らす50代のご夫婦は、ユニットバスが古くなってきたことを気にしていました。15年を超えた給湯器も時々不調でしたが「まだ使えるから来年でいいか」と更新を先送りにしていたそうです。

そして2026年の春、ご夫婦はようやく浴室のリフォームに踏み切ることにしました。給湯器も古いので、どうせなら一度の工事でまとめてしまおうと業者へ相談したそうです。ところがその時期は、ナフサ価格の高騰や原料の調達難を背景とする「ナフサショック」の最中だったのです。

大手メーカーがユニットバスの新規受注を相次いで一時停止し、納期がまったく読めない状況に陥っていました。さらに塗料や断熱材といった建材で値上げの動きが広がり、給湯器にも価格上昇の圧力がかかるなど、リフォーム費用全体が上昇する局面を迎えていたといいます。

別発注で工事費が重複し割高になったリフォーム

見積もりを依頼した業者から、「お風呂は今、メーカーが新規の注文を止めていて、頼んでもいつ入るか分かりません」「給湯器も以前よりお値段が上がっています」との説明を受けます。浴室は受注再開を待つしかないかと考えていた矢先、今度は給湯器が完全に故障し、お湯が出なくなってしまいます。交換は待ったなしです。

浴室リフォームの完了を待つ余裕はなく、ご夫婦はまず給湯器だけを急いで交換しました。新しい給湯器がつくまでの間は、近所の銭湯でしのぐ日々が続いたそうです。本来であれば給湯器交換と浴室リフォームをまとめると、一度で済む出張費や配管の基本工事費が、別々の発注になったため重複します。

工事費を合算すると、まとめて頼むより割高な出費となりました。ユニットバスは受注が再開した後も納期は読みにくく、見積もりも当初の想定より上がっており、リフォーム自体も当初の予定より先延ばしになったそうです。

設備の寿命を見据えた早めのまとめ発注

設備が壊れてから慌てて動くと、自分で選べる余地がほとんど残りません。複数社で見積もりを比べることも、価格や納期が落ち着いた時期を待つことも難しく、そのとき手に入るものを提示された条件で受け入れるしかなくなります。今回のように供給そのものが混乱していれば、その制約はさらに大きくなります。

ナフサショックのような供給の混乱は、個人には予測も回避もできません。自分で動かせるのは、動き出すタイミングだけです。壊れて追い込まれる前に手を打っておけば、価格も納期も選択肢を増やすことができるでしょう。

参考:中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について(TOTO)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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