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睡眠の質を高める寝姿勢は? 専門家が教える快眠の秘訣

  • 2025.9.28

理想の寝姿勢を見つけるのは、意外と難しい。スマートフォンを置いて眠りについたはずが、寝返りを繰り返し、朝には首や背中のこわばっていた──そんな経験はないだろうか。部屋を涼しくし、ピローミストや瞑想アプリまで試しても、実際にどんな体勢がベストなのかは、いまだ手探りの人が多い。だからこそ、正しい寝姿勢を知ることは、眠りの質を変える鍵になりうる。

ここでは、姿勢を整えるのに役立つ体勢から健康をサポートする寝姿勢、できるだけ避けたいポジションまで、眠りのために知っておくべきポイントお届けする。どうぞ、よい夢を。

専門家が語る、快眠のための寝姿勢

【話を聞いた専門家たち】

Cute young girl sleeping in her bed on her side. Vector.

睡眠時の最適な姿勢とは?

専門家2人が理想的な寝姿勢だと話すのが、横向きで少し膝を曲げた体勢だ。これは頭・首・背骨・腰をしっかり支えてくれ、体のねじれや負担を避けられる、ニュートラルで理想的な寝姿勢とされている。この姿勢は「ドリーマー(dreamer)」という名で呼ばれることもある。

英国の寝具の小売・製造企業Dreamsで、睡眠スペシャリストを務めるサミー・マーゴはこう語る。「一般的にベストな寝姿勢は、膝を軽く曲げて横向きになり、足の間に枕を挟む姿勢です。特に左側を下にするとよいでしょう。背骨が整い、関節の負担を和らげます。血流を促進してくれる上に腰にも優しく、呼吸もラクになります。ただし、“最適”な寝姿勢は健康状態や快適さ、持病によって人それぞれなので、その点はご留意ください」

リーバーマン医師もこの寝姿勢を支持している。「理想の寝姿勢とは、最小限の緊張で自然な脊椎アライメントを保てる姿勢です。これは横向きで膝を軽く抱え込む『半胎児型』の姿勢で眠るとき、もっとも容易に達成できます。脊椎への圧を最小限に抑えてくれる姿勢です」

寝姿勢と睡眠の質への影響

横向き:最も一般的な寝姿勢。アライメント(背骨や関節が正しい位置に並ぶこと)をサポートし、一晩中自然でニュートラルな位置を保ってくれる。気道を開いたままにしてくれるのでいびきを軽減してくれ、多くの人にとって睡眠の質の向上につながることがわかっている。また、背中や関節への圧力を和らげる効果も。横向き寝に最適なマットレスを持っていないなら、専用のものを探してみるのも手だ。

仰向け:首の自然なカーブを支える適切な枕を使えば、背骨のアライメントにもいい。ただし一部の人にとっては、気道が睡眠中に閉塞することでいびきを悪化させたり、睡眠時無呼吸症候群を助長したりする可能性もある。

うつ伏せ:あまり推奨されない姿勢。ねじれや圧迫によって首や腰に負担がかかりやすい。いびきを軽減する場合もあるが、長期的には不快感や痛みを引き起こす可能性が高い。この姿勢では背骨をニュートラルに保つのが難しい。

横向き、仰向け、うつ伏せ。それぞれのメリット

横向き:特に左側を下にして横向きで眠ることは「消化を助け、血流を促し、胸やけやいびきの軽減にも効果的」だと、Dreamsの睡眠スペシャリスト、サミー・マーゴはいう。背骨や関節にも優しいため、多くの人にとって最も健康的な寝姿勢のひとつといえる。

仰向け:「仰向けの姿勢は背骨を自然なアライメントに整え、こりや痛みを防いでくれます」とマーゴ。さらに「頭をわずかに高くすれば、胃酸の逆流を抑え、夜を通して呼吸をより心地よくしてくれるでしょう」と続ける。

うつ伏せ:「うつ伏せの姿勢は、人によってはいびきを和らげてくれることもありますが、健康効果としてはごくわずか」とマーゴ。さらに「首や腰に負担をかけやすく、続けると不快感や痛みに発展するリスクがあります」とも指摘する。

寝姿勢はいびきや睡眠時無呼吸、胃酸の逆流にどう影響する?

「横向きで眠ることは、気道の閉塞を軽減する傾向があるため、軽度のいびきや睡眠時無呼吸の人にとって理想的です」とマーゴは説明する。一方で、仰向け睡眠は「重力によって舌や軟組織が後方に落ち込みやすく、これらの問題を悪化させる傾向がある」とのこと。

また、左側を下にして横向きに眠ると、「胃酸が食道に逆流するのを防いでくれる」とマーゴは話す。そして「仰向けでも頭を少し高くすれば、症状の緩和につながる場合があります」とも付け加えている。

寝姿勢を変えることで、腰痛や首の痛みなどの慢性痛を緩和できる?

答えはイエス。慢性的な腰痛がある場合、膝の間に枕を挟んで横向きに眠ることで、圧力を和らげ、背骨のアライメントを保つことができる。Dreamsの睡眠スペシャリスト、サミー・マーゴはこう指摘する。「横向き寝に適したサポート力のあるマットレスを選ぶことで、大きな違いが生まれます。肩や腰にクッションを与えながら、脊椎のアライメントを維持できるからです」

慢性的な首の痛みがあるなら、仰向けで寝て、首の自然なカーブを支える専用の枕を使い、さらに膝の下に枕を置くのが理想的とされる。

うつ伏せ寝は痛みを悪化させる場合もあるため、慢性的な腰や首の不調がある人は避けたほうがよい寝姿勢だ。ただし、どうしてもこの体勢でしか眠れない場合は、胸の下に枕を入れることで負担を軽減できる。

専門家が推奨する寝姿勢と、避けるべき寝姿勢は?

研究によれば、横向き睡眠はほとんどの人にとって“万能”の選択肢だ。適切な枕を使えば脊椎のアライメントを整え、いびきを軽減し、消化をサポートする効果もある。一方で、うつ伏せ寝は首や背骨に大きな負担をかける可能性があり、専門家が一般的に避けるよう勧めている寝姿勢だ。

枕やマットレスが寝姿勢に与える影響は?

これはとても重要。横向き、仰向け、うつ伏せ、それぞれの場合に取り入れたいまくらとマットレスの使い方は以下だ。

横向き:肩と頭の隙間を埋める厚めの枕と、腰や肩をやさしく支える柔らかさのあるマットレス。

仰向け:首を支える中厚の枕+中程度の硬さのマットレス。

うつ伏せ:首の負担を避けるための薄い枕(または枕なし)+胸の下に補助枕を置くことも有効。さらに、背骨の反りを軽減するため、柔らかめのマットレスが望ましい。

普段の寝姿勢を変えにくい場合、どうすればいい?

いつもの姿勢から切り替えるのが難しい人には、体が元のポジションに戻らないよう、枕を“ブロック”として活用する方法が有効。段階的に慣らすことも大切だ。新しい姿勢で眠りにつき、たとえ夜中に別の姿勢で目覚めても構わない。新しい寝姿勢を快適にするマットレスや枕を選ぶことも大きな助けになる。また、短時間の昼寝でその姿勢を練習しておくと、徐々に体が順応していく。

睡眠時の体のアライメントはどれくらい重要?

とても重要で、欠かせない要素だ。アライメントが崩れると筋肉の緊張、関節痛、睡眠の質の低下を招く可能性がある。目指すべきは「頭から腰までが一直線」。自然なカーブを支えるように枕を活用するのがポイントだ。横向きの場合は膝の間に枕を入れる、うつ伏せの場合は腰の下に枕を入れることなどが、隙間を埋めるのに役立ってくれるはず。この小さな工夫が、快適で健やかな眠りにつながるだろう。

Text: Anya Meyerowitz and Mayola Fernandes Translation: Mamiko Nakano

From GLAMOUR.CO.UK

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