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ビーバーボイスの秘訣は顔マネ!?『私がビーバーになる時』芳根京子&小手伸也が教えるアフレコ秘話

  • 2026.3.11

豊かなイマジネーションで、夢のような“もしも”の世界を覗かせてくれる、ディズニー&ピクサーの最新作『私がビーバーになる時』(3月13日公開)が日本公開へ。

【写真を見る】ビーバーのぬいぐるみを手ににっこり。芳根京子&小手伸也の微笑ましいツーショットを撮り下ろし!

主人公は、動物が大好きな大学生メイベル。亡き祖母との大切な思い出が詰まった森と、森に住む動物たちを守るため、科学者たちが発明した極秘テクノロジーで、なんとビーバーに!見た目は完全にビーバー、でも中身は人間のまま、メイベルは森の動物世界に飛び込んでいく――。

猪突猛進なメイベルの声に扮したのは、芳根京子。森にいきなり現れたメイベルを仲間に迎え入れてくれる、とっても優しいおじさん王様ビーバーのキング・ジョージの声には、小手伸也。本作が初共演とは思えない、劇中さながらのコンビネーションを発揮しながら、2人が“常識を超えたもふもふワンダーランド”の魅力について、たっぷり語ってくれた。

「ビーバーの格好をして“初めまして”だったのもあり、すぐに心の壁が取っ払われました」(芳根)

――劇中でも初共演と思えぬすばらしいコンビネーションでメイベルとキング・ジョージを演じていらっしゃいましたが、インタビュー開始前の写真撮影でも息がピッタリでしたね。

【写真を見る】ビーバーのぬいぐるみを手ににっこり。芳根京子&小手伸也の微笑ましいツーショットを撮り下ろし! 撮影/杉映貴子
【写真を見る】ビーバーのぬいぐるみを手ににっこり。芳根京子&小手伸也の微笑ましいツーショットを撮り下ろし! 撮影/杉映貴子

芳根京子(以下、芳根)「ありがとうございます。でも、会うのは今日でたった3度目という、浅い関係です」

小手伸也(以下、小手)「それ、わざわざ言う必要ある?限られた文字数をそんなことで使うなんて」

芳根「そこはキチッと言っておかないと(笑)」

――初めてお会いされたのは?

芳根「動物園で撮影された小手さんの声優決定発表の特別映像に、サプライズで登場した時ですね」

小手「お互いにビーバーの着ぐるみを着た状態でね」

芳根「ビーバーの格好をして“初めまして”だったのもあり、すぐに心の壁が取っ払われました。実はお互いに人見知りなので、普通の洋服でお会いしていたら近づくのにもっと時間がかかったかもしれません。というのもビーバーの格好をした瞬間、とても不安になったんですよ。そんな時に、同じ背中が見えた時の安心感って(笑)」

小手「あそこに仲間がいるぞ、みたいなね(笑)。まさにビーバー効果ですね。僕のほうがさらに不安な状況でしたよ。50を超えたいいオジサンが、動物園でビーバーの格好をしてるなんて。そうしたら、とても陽気なビーバーが来てくれたので、本当に救われました」

――その後に“2度目”があったわけですよね?

小手「ちゃんと話をしたいなと思ったので、共通の知り合いである岡崎紗絵さんに頼んで、食事会をセッティングしてもらいました」

芳根「そこで3人で食事をして、動物園ロケの3倍くらい話せましたね(笑)」

小手「多分5時間ぐらい喋っていました。そこで意気投合したわけです」

「小手伸也だと気づかれない可能性もある挑戦」(小手)

――それぞれメイベルとキング・ジョージを演じるにあたって、どのように役に入っていかれましたか。

『私がビーバーになる時』相性ぴったりのメイベルとキング・ジョージ [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
『私がビーバーになる時』相性ぴったりのメイベルとキング・ジョージ [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

芳根「メイベルは、とにかく猪突猛進タイプ。それだけになんのためにその行動に出るのかが伝わらないと、単に自己中心な子に思われてしまう。メイベルはおばあちゃんとの思い出の森を守りたい、そこに住む動物たちを守りたい、その愛だけは常に心に置いて臨みました。私は声のお仕事の経験が多くないので、テクニック的なものが一切ない。でもメイベルのセリフ量はとても多いので、聞き取りやすく、耳障りにならずに声を張るにはどうすればいいかを考えました。そこで普段の自分より少し声を低くしてトライしてみたら、監督からも“すごくいい”とおっしゃっていただき、その方向で突き進みました」

小手「僕は何度かレギュラーでアニメのお仕事をさせていただきましたが、これまで演じたキャラクターは人の形をしていたんです。でも今回は2頭身キャラクター。キュっと小さく可愛らしいフォルムのキャラクターから生まれる声って、どんなだろうと考えました。まずは地声でやらせてもらったら、少し威厳があり過ぎると言われて。このフォルムから出す声を必死で分析した結果、たどり着いたのが、(ビーバーの)顔真似をするという方法。頬を膨らませ、口角を上げ、歯を少し出した顔から出る声にプラスして、ワントーン高めな声で演じました。変に声を作り込むより、それ(顔真似)を基本とした構造で表現するほうがいい気がして。もしかしたら、小手伸也だと気づかれない可能性もある挑戦ではありました」

芳根「つまり、ビーバーの実写版もいけちゃいますね?」

小手「うん?いけるかな?確かに全然やぶさかじゃないね!では、お待ちしてますってことで(笑)。なんにしろ、これまで“ピクサー顔”でバズ・ライトイヤーに似てると言われてきましたから。その前に、まずビーバーからだね」

「完全に入り込んでいる自分にビックリしました」(芳根)

――そうして大切に声を吹き込まれた、完成版をご覧になられた感想も教えてください。

芳根「もう、本当におもしろかったです!普段は参加した作品を観る際は“大丈夫かな?”とドキドキしながら観るものなのに、本作に関しては、あまりにおもしろくてアッという間に観終わってしまいました。途中、本気で笑ったりと、完全に入り込んでいる自分にビックリしました」

メイベルに森のすばらしさを教えてくれたおばあちゃん [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
メイベルに森のすばらしさを教えてくれたおばあちゃん [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

小手「なんなら僕は泣きましたよ。もう本当にすばらしくて、思わずグッときちゃって。メイベルとおばあちゃんの関係が、本当に素敵なんですよ。メイベルは頑張りすぎるあまり、社会やほかの人たちからみると共感されないような空回り方をしてしまうこともあって、それをキング・ジョージが慰めるシーンがあるんです。その瞬間、僕自身の感情もジョージのそれと一致して、思わず高ぶってしまって。メイベルの頑張りを認めてあげたい、寄り添ってあげたいという気持ちになりました。“メイベルにこの気持ち届け!”という思いで、メイベルを(心で)抱きしめながら声を当てていました」

芳根「私も、あそこは大事なシーンだと思いました。本当にグッときましたね。ほかにも後半で何度もグッとくるポイントがありました」

小手「しかも日本版声優の皆さんが、本当に上手なんですよ。だから没入感がすごかったです。僕も最初は自分の仕事ぶりを意識していましたが、始まったら一気に物語世界に引き込まれて。そういう意味でも、強い作品だなと思いましたね」

動物大評議会のメンバーにも超豪華声優陣が集結! [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
動物大評議会のメンバーにも超豪華声優陣が集結! [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

――また、ビーバーが王様ということに驚きつつ、劇中で初めて知るその生態に驚かされたりもします。

芳根「そうなんです。ビーバーが森を作っているというのは、よく知られている情報かもしれませんが、よくよく考えたらメチャクチャすごいこと。だってビーバーが1匹いれば、森を救えるところまで行きつくんですから。ビーバーって、とてつもないパワーを持っているんですよね」

小手「そう、台本を初めて見た時は“動物の王様がビーバー?”と驚きましたが、よくよく考えると、ビーバーがダムを作ることによって池が生まれ、そこに魚が集まり、それを採る鳥が集まり、それを狙う動物が来て…生態系が作られる。それって、国を1つ作るみたいなこと。そういう意味において、ビーバーが王様なんだというのは非常に腑に落ちました」

芳根「弱肉強食の世界で強いというだけではなく、ビーバーがいないと始まらないというのが、とっても温かくて素敵ですよね」

オーディションで日本語吹替版の主役を掴んだ芳根京子 撮影/杉映貴子
オーディションで日本語吹替版の主役を掴んだ芳根京子 撮影/杉映貴子

小手「ちゃんとビーバーの生態を調べて描かれている本作は、ファンタジックでありながらリアリティも大事にする、そのバランス感覚が非常におもしろい。しかも勧善懲悪という単純な形でもなく、多様性の時代を反映して、それぞれ動物の視点、人間の視点から描いていて。森を守りたいメイベルも、町に道路を作りたい市長も、どっちの言い分も大事にしている。誰もが己の正義を持っていて、それが時に結び合い、時に離れ、ということが繰り返されていく視点がとても豊かで、一貫して筋が通っていると感じました。それなのに、時にハチャメチャな展開が訪れるのが、またいいんです。そういう相反するもののバランスがうまく取れているから、笑いながら泣けるんです」

「見たことのない世界、感じたことのない体験を、どんどんしていきたい」(小手)

――猪突猛進なメイベルと、優しく穏やかなキング・ジョージは正反対のキャラクターですが、2人はどちらに近いですか?

メイベルとキング・ジョージどちらに似ている?芳根と小手に聞いてみた! [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
メイベルとキング・ジョージどちらに似ている?芳根と小手に聞いてみた! [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

小手「僕は完全にキング・ジョージですね。争い事がある時などは大体仲介役を任されますし、相手の言い分をちゃんと聞かないと怒ることができない面も似ている。調和が好きなところ、そして“優しくありたい”と思っているのもジョージの人間性、いやビーバー性に近しいものを感じます。とはいえ、ジョージほどは振り切れていない自分もわかっているので“そうでありたいな”と思いながらやっていました」

芳根「私もベースはキング・ジョージですが、メイベルの“あの感じ”もすごくわかる。メイベルになっちゃう時もある、みたいな感じですね。どっちのこともわかるし、どっちにも正義があることもわかるし、という感じです」

――さて、メイベルは大切な思い出の場所を守るために奮闘しますが、2人にとって失くしたくない大切な場所や思い出はありますか?

小手「あまりに普通すぎて恐縮ですが、やっぱり失くしたくないのは家族。父親としては、子どもの帰る場所は大事にしていかなければと思っています」

芳根「それ、とても大切ですよね」

小手「加えて仕事も」

芳根「それも大事ですよね」

小手伸也は、”ピクサー顔“と言われ続けていたという 撮影/杉映貴子
小手伸也は、”ピクサー顔“と言われ続けていたという 撮影/杉映貴子

小手「僕は(俳優の)仕事がない時期がとても長かったので、いまこうして仕事ができている幸せを強く感じています。いろんなことに挑戦し、見たことのない世界、感じたことのない体験を、どんどんしていきたいです。つまり、自分の場所を守りたいです」

芳根「私は、『朝ドラのヒロインです』と言われた、あの瞬間を忘れたくないです。あの瞬間を思い出すと、初心に戻れるというか。あの時以上に、いろんな感情が一気に押し寄せるなんてことは、人生でないんじゃないかと思うほどです。うれしくて、怖くて、喜びとプレッシャーと、なんの感情かも、なんの涙なのかもわからないまま、涙がワーっと出て。ちょっと疲れた時にあの瞬間を思い出すと『ダメダメ、ちゃんとやらなきゃ!』って思えるんです」

小手「そうだね、初心、忘るべからずだよね。忘れないようにしよう。僕は本作のオーディションに受かった時も、少し混乱してゾワッとしたよ(笑)。でも、そういう誠実な信念の先にはきっと寄り添ってくれる仲間がいる。本作はそういうことも強く感じさせてくれる作品だとも言えるね!」

極秘テクノロジーで誕生した、ビーバー型ロボット [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
極秘テクノロジーで誕生した、ビーバー型ロボット [C]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

取材・文/折田千鶴子

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