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「長男・長女はしっかり者」で「末っ子は自由奔放」は本当か? 生まれ順と性格の関係性を専門家が明かす

  • 2026.3.10
Ronald Martinez / Getty Images

「第一子は責任感が強く、第二子は自立心旺盛、そして末っ子は自由奔放」──これは、誰もが一度は耳にしたことのあるステレオタイプだろう。

生まれ順による性格診断は、家族の中での立ち位置や個性の違いを説明するのに、非常に便利で分かりやすい手段だ。しかし、生まれ順は本当に性格に大きな影響を与えているのだろうか? そして、これらの一般論はどこまで正確なのだろうか。

結論から述べると、専門家によれば生まれ順が性格に与える影響は「あったとしても極めてわずか」だという。「生まれ順自体が実質的な影響を及ぼしているという、説得力のあるデータは存在しない」と米心理学者エイミー・トディ博士は指摘する。

社会心理学者で『Just One!(たった一人の子ども:一人っ子育児の新たな科学と喜び)』の著者であるスーザン・ニューマン博士もこれに同意しており、「長子、中間子、末っ子、あるいは一人っ子というラベルは、子ども一人ひとりを個別に観察した場合、当てはまることは滅多にない」と明かす。

では、なぜこうした思い込みが生まれたのか? そして、私たちの性格を形作る"真の要因"は何なのか。専門家に話を聞いた。

迷信の原点は1900年代にまで遡る

兄マイケル・ハサウェイと、弟トーマス・ハサウェイとともに写るアン・ハサウェイ。 Charles Eshelman / Getty Images

生まれ順に関する理論は、1900年代初頭、オーストリアの心理学者ジークムント・フロイトの同僚であった精神療法家アルフレッド・アドラーによって、人々が自らの帰属意識を理解するための手段として生み出された。また、1900年代半ばにはアメリカの精神科医マレー・ボウウェンが「ボウウェン家族システム論」を提唱し、家族内のパターンが世代を超えてどのように繰り返されるかを理解することの重要性を説いた。

「心理学者が兄弟の順位、つまり生まれ順に注目するのは、その人が家族システムの中でどのような役割を担い、その役割に伴う『感情的な荷物』が、新たな人間関係を築く際にどう影響するかを理解するための一つの指標に過ぎない」とトディ博士は解説する。

しかし近年の研究では、こうした初期の理論を証明することは困難であり、性格形成には「他にも多くの要因が複雑に絡み合っている」という意見が、多くの専門家の一致した見解となっている。

生まれ順よりも影響を与える「5つの要素」

一人っ子として知られる俳優のレオナルド・ディカプリオ。 Emma McIntyre / Getty Images

実際には、私たちの性格や社会・家族への適応に影響を与える変数は無数に存在する。ニューマン博士は、「現在の研究は、子どもの発達における生まれ順の影響よりも、親の教育水準、経済状況、養育スタイル、そして子ども同士の相互作用の方がはるかに大きな関わりを持っていることを示唆している」と述べる。

臨床心理学者でパシフィック・オークス大学の教授であるアンドリュー・カミ博士は、性格を形成する要因として以下の5つの側面に注目している。

  1. 家族: 私たちは幼少期を家族と過ごし、親の背中を見て学ぶ。「家族は、私たちが属する大きな社会の縮図である」とカミ博士は言う。
  2. 文化: 世代を超えて受け継がれる伝統は、子どもの成長に強く影響する。そこにはどのようなルールや儀式があり、物事を行う作法があるのかが問われる。
  3. 社会: より広い世界。誰と接し、周囲の人々に基づいて何を「許容される振る舞い」と定義するかが重要になる。
  4. 宗教: 世界における道徳的な善悪を理解し、どの行為が報われ、どの行為に報いが必要かを明確にする一因となる。
  5. 生物学: 遺伝的構成。私たちがどのような選択に惹かれ、どの方向に動かされるかに影響を与える。

また、ある行動をとった際に周囲から肯定的な反応を得ると、その行動は定着していく。「例えば、少し支配的にリーダーシップを発揮する第一子がいたとする。その子がリーダーシップを振るい、周囲がそれに応えれば、彼はその行動をその後も継続していくだろう。それが周囲の反応を引き出し、慣れ親しんだパターンになるからだ」とカミ博士は説明する。

経済的地位、兄弟の障害、親の離婚といった「状況的要因」の重み

4人兄弟の長男であるバスケットボールの八村塁選手。 Charles Eshelman / Getty Images

さらに、家族の社会経済的地位、兄弟の障害、親の離婚、あるいは身近な人の死といった「状況的要因」も性格に大きな影響を及ぼす。

「親の関心は誰に向いているのか? 家族の状況から見て、誰が『手のかからない子』であることを期待されているのか? 家庭内のストレスや、離婚の際の親の感情を敏感に察知し、調整役や平和主義者になろうとしているのは誰か? 家族の力学やトラウマが発生した年齢、本人の認知能力に基づいて、待つことや影に隠れることを学んだのはどの子か?自分自身を取り巻く状況的要因は、子どもたちに大きな影響を与えています」とトディ博士は説明する。

ニューマン博士は、親が一人ひとりの子どもにどれだけ注意を向けられるか、そして親自身の教育方法や経済力が、家族内の順位よりも発達に大きな影響を与えると説明する。「第一子の場合、親にとって初めての子育てであり、リソースも時間も集中しやすい。それが、その子どもに大きな影響を与えている可能性はある。そして、それこそが多くのステレオタイプの源泉になっているように思う」。

また、SNSやミームで拡散される「しっかり者の長女」や「カオスな第二子」といったメッセージが、生まれ順への期待を助長している側面もある。「ミームは、しばしばネガティブで誤った情報を急速に広め、定着させてしまう」と彼女は警鐘を鳴らす。

人間は時間とともに成長し、変化する生き物だ。それだけで、家族内の順位に基づく古い性格診断は簡単に覆される。「何かがきっかけで、責任感のかけらもなかった末っ子が、突然リーダーシップを発揮することもある」とニューマン博士。生まれ順だけでその人の能力や本質を決めつけるのは、決して賢明な方法とは言えないのだ。

結論

親が割く時間、経済状況、家庭環境、そして家族がどの特性を褒め、どの特性を正そうとするか。私たちの性格を形作るのは、こうした数多くの要因の積み重ねである。

「子どもの年齢、兄弟間の年齢差、そして個別の出来事や要因が、数十年間にわたって私たちを縛り付けてきた『ラベル』をいとも簡単に書き換えていくだろう」とニューマン博士は締めくくる。

結局のところ、子どもは一人ひとりが異なる存在だ。前に何人兄弟がいようと、後に何人続こうと、一人っ子であろうと、その違いを個別に認識することこそが、彼らの本質を理解するための鍵となる。「生まれ順という数字よりも、個々の要素を丁寧に見つめること。それこそが、何よりも力強い真実なのだから」。

Translation: Harper's BAZAAR JP From Good House Keeping

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