生活を見直せば予防につながる?
夜中に突然起こると、目が覚めてしまうほどつらい「足のつり(こむら返り)」。足がつる原因や痛みを和らげる対処法に加えて、予防につながる生活習慣のポイントを作業療法士が解説します。しっかり対策して、夜中のつらい痛みとサヨナラしましょう。
足のつりは「こむら返り」とも呼ばれ、ふくらはぎの筋肉がけいれんして起こります。筋肉はセンサーや神経によって縮んだり緩んだりを調節していますが、この機能が乱れると異常な収縮が起こり、強い痛みが生じます。
足がつる主な原因として考えられているのは、水分やミネラル不足、筋肉疲労、血行不良などです。
ふくらはぎがつったときは、膝を伸ばしたままつま先をすねに向けて引き上げ、ふくらはぎをゆっくり伸ばしましょう。縮んだ筋肉が伸びて、痛みが和らぎます。すねがつった場合はつま先を下に突き出すようにして、ゆっくりとすねを伸ばしてください。
足がつるのを予防するには、日常生活で次のポイントを意識してみましょう。
・バランスの良い食事を心掛ける 筋肉がスムーズに動くには、カルシウムやマグネシウム、カリウムといったミネラルが必要です。れらを含む次の食品を摂るようにしましょう。
カルシウム: 牛乳、チーズ、小魚など マグネシウム: ほうれん草、ナッツ、豆類など カリウム: バナナ、トマトジュース、カボチャなど
ただし摂取量に制限がある人は、医師の指示に従ってください。
・水分補給を忘れない 水分不足は足がつる大きな原因の一つです。特に汗をかきやすい夏、運動や睡眠時は、意識して水分補給しましょう。
・水分補給のポイント 運動前後や寝る前に、コップ1杯の水を飲む習慣を付ける スポーツドリンクなどで水分とミネラルを同時に補給する 日中もこまめに水分を摂る
アルコールやカフェインを含む飲み物は、利尿作用があるので逆効果です。日頃から意識して水分を補い、足がつるのを防ぎましょう。
・適度な運動を取り入れる 運動不足になると筋力が低下し、足がつりやすくなります。予防のためには、無理なく続けられる運動を習慣にしましょう。
おすすめの運動 ・ウオーキング ・スクワット ・かかと上げ
特に、かかとを上げ下げする「かかと上げ」は座ったままでもできるので、仕事の休憩時間やテレビを見ながら手軽に取り組めます。また、アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎの筋肉をしっかりストレッチするのも効果的です。
・血流を促す 寒さによる冷えや長時間同じ姿勢を続けると、血流が滞り足がつりやすくなります。体を冷やさない工夫や、こまめに体を動かすことを意識しましょう。
冷え対策:レッグウォーマーを着用する、湯たんぽで布団を温める 血流促進:デスクワークの際は1時間に1回は立ち上がり、足を動かす
足がつる原因は、普段の生活の中に潜んでいます。この記事を参考にして、予防に取り組んでみましょう。
ただし頻繁に足がつる場合や、しびれ、腰痛、むくみなどを伴う場合は、病気の可能性もあるため早めに医療機関に相談してください。日々の生活を見直し、足の健康を守りましょう。
<参考資料>・医療法人清仁会 シミズ四条大宮クリニック「こむら返り(足がつる)の原因と予防」・平井リハビリテーション整形外科「足がつる・こむら返りが起こるのはなぜ?」・健診会 東京メディカルクリニック「こむら返り(足がつる)について」・岡山大学病院薬剤部「薬の窓口 No.286」・NHK読むらじる「足や手の筋肉のつり」第2弾・厚生労働省eJIM「マグネシウム」・独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター「腎臓病の話 カリウムについて(2)」・協立内科クリニック「こむら返りを防ぐ」・学校法人大麻学園 四国医療専門学校「足がつる人のツボ&マッサージ」・つくば市 北条新聞「こむら返りとは?」・東京都保健医療局「座位行動を減らして、身体活動量を増やそう」
(奏かえで)