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「この足跡の主はだれ?」2種類の動物の正体とは?冬の森で生きものの気配を感じる【後編】

  • 2026.2.22

雪に残されたメッセージ

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」
札幌にある「滝野すずらん丘陵公園」の「滝野の森ゾーン」から、森の住人KENTAが、自然の魅力や楽しみ方を伝える連載です。

Sitakke

前回は、シマエナガやエゾリスなど、冬の森にいる生きものたちをご紹介しました。
でも、野生動物たちは警戒心が強く、なかなか生で見るのは難しいのが現実です。

しかし、夏と違うのは「そこにいた」という証拠がたくさん残っていること。
今回は、雪に残されたメッセージである「痕跡」や、冬にだけ見られる不思議な「昆虫」についてお伝えします。

足跡や痕跡を読んでみよう

例えば「足跡」。何の動物の足跡か、考えながら写真を見てみてください。

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一見するとガイコツみたいにも見えませんか?

奥に大きめの足跡が2つ、手前に小さい足跡が2つあってカタカナの「ハ」の字に見えますが、これはエゾリスの足跡です。軽快に森を走り回っているのが伝わりますね。

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小さいのが縦に2つ、大きいのが手前に2つ。

「1、1、2」みたいに見えるのがユキウサギ。小さいのが前足で大きいのが後ろ足。跳び箱のようにジャンプしながら木柵側から走ってきた跡です。

ちなみに、右に伸びてる一本道はキタキツネです。モデルのように1直線に歩きます!

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小さな跡が連続してついているのは、穴から出てきたネズミの足跡。
右側の跡を見ると真ん中にしっぽの跡が残っているのがわかります。左はおそらく軽くジャンプして移動した跡です。

他にも森の中を歩いていると動物たちが食事をした痕やフン、休憩した痕などを見つけることもあります。

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手前の茶色いクッキーみたいなのがユキウサギのフン。草や枝を食べているので匂いはしません。

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ユキウサギの食べた痕。前歯で噛み切った痕がはさみで切ったみたいになります。

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俵型の小さなフンはエゾモモンガのもの!

滝野の森でもなかなか姿を見ることはありませんが、これがあると近くに巣がある可能性があります!実際過去にはフンのあった場所に監視カメラを置いたら写ったこともありました!!

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監視カメラに写ったエゾモモンガ。生で見たかった!!
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曲がった枝の下のスペースはエゾシカが休憩した場所。ちゃんと屋根付きの場所を見つけて休んでいます。

雪が降った後の森で新鮮な痕跡を見つけると、さっきまでそこにいたような感覚になり、「実はどこかから見られてるのでは?」という気分になります。動物たちの気配を身近に感じられるのも冬の森ならではの楽しみです。## 冬にだけ出会える不思議な昆虫

そして意外なのは「昆虫」。

多くの昆虫は春~秋にかけてが活動期なので、冬の間はほぼ姿を見ることはありません。

そんな中、あえて冬に成虫になって活動する虫がいるんです!それがこのセッケイカワゲラという昆虫。

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セッケイカワゲラ

大きさは1.5センチメートル程度で細長い形をしています。夏の間は川の中で幼虫時代を過ごして、雪が降る頃に成虫になって陸に上がってきます。寒すぎても動かないので、気温が0度前後で雪晴れた日によく見かけます。

一説では婚活しながら上流に向かっている、ということですが、たまに尾根の上でも見かけるのでまだまだなぞ多き昆虫です。「虫と言えば夏」と思い込んでいる方が多いので、思いがけない出会いに感動される方も多いです。

お客様に案内すると「何食べてるんですか?」と聞かれることが多いんですが、昨年なんと貴重な食事シーンに遭遇しました!

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シラカバの種を食べている様子

どうやら地面に落ちてきた種を食べているようです!他にも食べているものはあるかもしれませんが、ここまで生き残っているということは冬に成虫になってもなんとかなっているということなんですね。

このように、実は冬の森は鳥探しを楽しんだり、野生動物を身近に感じたり、昆虫の戦略を目の当たりにしたりと、夏とは違った生きものたちの生き様を楽しむことができる季節なんです!

1月の記事で紹介したスノーシューがあるとより自由に森を散策できますので、ぜひ冬の森を満喫してみてください!

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」

文:森の住人 KENTA
国営滝野すずらん丘陵公園 自然環境マネージャー。1978年札幌生まれ京都育ち。約6年間のサラリーマン生活を経て、森についての知識・経験ゼロの状態で滝野の森ゾーンの担当になり、様々なイベントの企画や広報、森づくりなどを担当。公園内にヒグマが侵入した際は専門家と一緒に現場の最前線で調査を担当。滝野の森staffXにて監視カメラを使った野生動物たちのリアルな様子などを発信中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2026年2月)の情報に基づきます。

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