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「俺、そんな話したことないぞ」ほとんど話したことのない同級生。だが、同級生の一言に、私が思わず足を止めた理由

  • 2026.9.12
「俺、そんな話したことないぞ」ほとんど話したことのない同級生。だが、同級生の一言に、私が思わず足を止めた理由

掃除の時間に聞こえた、うちの車の話

中学二年の秋、掃除の時間でした。ほうきを取りに教室の後ろへ回ったとき、数人の男子が話している声が耳に入りました。

「あいつんちの車って、白いやつだろ?」

「へぇ、そうなの?」

「うん。屋根のところだけ、ちょっと色が違うやつ」

思わず足が止まりました。

話していたのは同じクラスの生徒でした。名前と席は知っていますが、まともに話したことはほとんどありません。

それなのに、言っている特徴にははっきり心当たりがありました。

私がそちらを見ると、相手も気づいたようです。

一瞬目が合うと、それまで話していた口を閉じ、何事もなかったように窓のほうを向きました。

その人が以前から私のことを気にしているらしい、と人づてに聞いたのは夏の終わりでした。

ただ、廊下ですれ違っても話しかけてくるわけではなく、直接何かを言われたこともありません。

私は単に「なぜか気にされているらしい」くらいに考えていました。

放課後、同じ班の男子に職員室の前で呼び止められました。

「なあ。さっきの話、聞こえてたよな?」

「…車の話?」

「そう。お前んちの車、白いやつだろって言ってた」

私は思わず聞き返しました。

「なんであいつが知ってるんだよ。俺、そんな話したことないぞ」

男子も困ったように首を振りました。

「俺も知らない。急に言い出したから、ちょっと変だなとは思ったけど」

「そこまで知ってるのは、ちょっと気になるよな」

うちの車は確かに白でした。しかも屋根の塗装だけが日に焼け、ほかの部分より少し色が薄くなっていたのです。

どこで見たのかが分からない

家に帰ると、私は駐車場に止まっている車を改めて眺めました。

家の前の道から見えるのは主に車の前側です。少し位置を変えなければ、屋根の色の違いまでは気づきにくいように思えました。

夕食のあと、気になって母にも聞いてみました。

「最近さ、家の前に知らない中学生とか来てなかった?」

母は洗い物の手を止めました。

「知らない子?どうしたの、急に」

「いや、学校でちょっと変なこと聞いてさ」

「制服の子なら毎日通るけどね。この辺、通学路でしょう?」

「そっか…じゃあいいや」

母を余計に心配させる気がして、それ以上は言えませんでした。

翌日、昨日の男子にももう一度聞きました。

「あいつ、俺んちの場所まで知ってるのかな」

「住所なら、名簿に載ってるじゃん」

「ああ…そうか」

当時は、クラス全員の住所と電話番号が載った名簿が配られていました。住所を知ろうと思えば、知ること自体はできたのです。

ただ、本当に家の近くまで来たことがあるのか、どこかで偶然車を見たのか、それとも誰かから聞いたのか。結局、理由は分かりませんでした。

本人に聞けば済んだのかもしれません。それでも、あのとき教室で急に黙った顔を思い出すと、こちらから切り出す気にはなれませんでした。

その後も、その人は何事もなかったように学校生活を送っていました。

廊下ですれ違ったときも、私が「おはよう」と言えば、「おはよう」と返ってくる。それ以上の会話はありません。

卒業までの一年半、車のことを本人から聞くことはありませんでした。

今でも、あの人がどこでうちの車を見たのかは分かりません。ただ、ほとんど話したことのない同級生が、自分でも普段は気にしていなかった車の特徴まで知っていたことだけは、ずっと記憶に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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