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「食べ放題だろ。こっちは金を払ってるんだ」朝食バイキングで15枚のステーキを取った男性。だが、案内札を見て言葉を失った瞬間

  • 2026.10.3
「食べ放題だろ。こっちは金を払ってるんだ」朝食バイキングで15枚のステーキを取った男性。だが、案内札を見て言葉を失った瞬間

朝7時、ステーキの列が止まりました

夏休みの家族旅行で温泉旅館に泊まったときのことです。

朝7時ちょうどに朝食バイキングの会場へ入ると、シェフが目の前で焼いてくれるステーキのコーナーに、すでに列ができていました。

夫に席を任せ、私は小学2年生の息子と列の4番目に並びました。

「お母さん、いいにおいする」

「ほんとだね。もうすぐだよ」

台の向こうでは、50代くらいのシェフが鉄板で肉を焼いています。

ところが、先頭にいた40代くらいの男性が、焼き上がった肉をすべて自分の皿に取りました。

それだけではありません。男性は台の前から動かず、次に焼き上がった5枚、その次の5枚まで続けて皿へ重ねていったのです。

「また並ぶのもな。一度に取っておけばいいか」

男性は独り言のようにつぶやきました。皿の上には、合わせて15枚のステーキが積み重なっています。

私の前にいた夫婦が顔を見合わせました。振り返ると、後ろには10人ほどが並んでいます。

シェフが男性に声をかけました。

「お客様、申し訳ありません。ほかのお客様もお待ちですので…」

すると男性は振り返り、会場に響く声で言いました。

「何度も行列に並ぶのが面倒なんだよ、文句言うな」

さらに、「食べ放題だろ。こっちは金を払ってるんだ」と続けます。

周囲の話し声が止まり、息子が私の服のすそをぎゅっと握りました。私はその手を上から包みました。

支配人が示した、1枚の案内札

大声が響いた直後、会場の入口から黒いスーツの男性が早足でやって来ました。

胸元の名札には「支配人」とあります。

50代くらいの支配人は男性に一礼すると、ステーキ台の横に置かれていた案内札を手で示しました。

「お客様、こちらをご覧ください。焼きたてをお一人様2枚ずつ、何度でもお並びいただけます」

男性は案内札に目を落としました。

「…何度でも?」

「はい。皆様に焼きたてを召し上がっていただくための決まりです。後ろにもお待ちのお客様がいらっしゃいますので、ご協力をお願いいたします」

男性は黙って後ろを振り返りました。そこには、私たちを含めた長い列があります。

少しの間何も言わなかった男性は、やがて皿に2枚だけを残し、残りの肉をシェフが差し出した別のトレーへ移していきました。

「ありがとうございます。すぐ次を焼きますので、少々お待ちください」

シェフが新しい肉を鉄板へ並べると、じゅうっという音が広がりました。

しばらくして私たちの順番になり、息子の皿にも焼きたてのステーキが2枚のりました。

「お母さん、湯気出てる」

息子はうれしそうに皿を持ち、夫の待つ席へ戻っていきました。

そして私たちが食べ終えるころ、ふとステーキのコーナーを見ると、先ほどの男性が皿を手に、今度は列のいちばん後ろへ静かに並んでいました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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