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「ここ、指定券ありますか!」修学旅行の特急で、声を荒らげた同級生。だが、座っていた大人たちが席を立った理由

  • 2026.9.26
「ここ、指定券ありますか!」修学旅行の特急で、声を荒らげた同級生。だが、座っていた大人たちが席を立った理由

貸し切りのはずの車両にいた大人たち

高校の修学旅行で、特急に乗ったときのことです。

学校に集合してから出発するのではなく、途中の駅から乗れる生徒は、そこから乗車する決まりになっていました。

特急のうち4両が、私たちの学校の貸し切りでした。

私は同級生数人とホームで待ち、扉が開くと指定された車両へ入りました。

ところが、中を見て驚きました。

座席の半分ほどに大人たちが座っていたのです。

ネクタイ姿の男性や年配の女性が向かい合わせになり、菓子を広げて話していました。

先頭を歩いていた同級生が、通路で足を止めました。

「ここ、指定券ありますか!」

思った以上に大きな声が車内に響き、話し声が止まりました。何人もの大人が、こちらを振り返ります。

「おい、そんな言い方しなくてもいいだろ」

私は慌てて同級生の腕を引きました。

「だって、ここ俺たちの車両だろ」

「そうだけど、まず先生に確認しよう」

そこへ、ホームに残っていた生徒を待っていた担任の先生が乗り込んできました。手には名簿と指定券の控えを挟んだ紙ばさみを持っています。

先生が静かに伝えた同じ言葉

先生は私たちの様子を見ると、同級生の肩に軽く手を置き、近くにいた男性へ声をかけました。

「すみません。この4両は学校の貸し切りになっているんです」

男性が戸惑ったように隣の女性を見ます。先生は指定券の控えを開き、もう一度、奥に座っている人たちにも聞こえるように伝えました。

ちょうどそこへ車掌さんが来ました。

先生から控えを受け取って確認すると、大人たちに向かって落ち着いた声で案内しました。

「こちらは団体利用の車両です。一般のお客さまは前の車両へお願いします」

男性は「ああ、そうだったんですか」と小さくうなずき、網棚からかばんを下ろしました。ほかの人たちも菓子を片づけ、順番に通路へ出ていきます。

最後に席を立った女性は、私たちの前で少し申し訳なさそうに笑いました。

「ごめんなさいね。知らなかったの」

「いえ、大丈夫です」

私が答えると、女性は会釈をして前の車両へ移っていきました。

大声を出さなくても伝わった

大人たちがいなくなると、さっきまで声を張り上げていた同級生は黙ったまま席に座りました。

先生が紙ばさみを閉じながら言いました。

「言いたいことは分かるよ。でも、最初から怒鳴らなくても伝わるからな」

次の駅から乗ってきた同級生が、「何かあったの?」と聞きました。

すると彼は少し気まずそうに答えました。

「それで移ってくれたの?」

「うん。車掌さんも確認してくれた」

そう言うと、彼は窓の外へ目を向けました。その日、彼が車内で声を張り上げることは、もうありませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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