1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「あんた、まだバイトしてるの?」と見下す同級生→10年後、私の店に客として来た元同級生が目を丸くした

「あんた、まだバイトしてるの?」と見下す同級生→10年後、私の店に客として来た元同級生が目を丸くした

  • 2026.4.27
ハウコレ

成人式の日に言われたたった一言が、ずっと胸の奥に刺さっていました。あれから10年。まさかあの人が、私の店に現れるとは思いもしませんでした。

笑われた成人式の夜

成人式のあと、同級生たちと近況を報告し合う席がありました。就職先や大学の話で盛り上がる中、私は正直に答えました。「今は飲食店でバイトしてる」と。場の空気が少しだけ変わったのを感じました。

すると、ひとりの同級生がこう言ったのです。

「あんた、まだバイトしてるの?」

彼女は内定が決まったばかりで、「早く正社員になりなよ」と続けました。周りが気まずそうに目をそらす中、私はグラスを握る手に力がこもるのを感じながら、何も言い返せませんでした。

私がバイトを続けた理由

バイトを続けていたのは、夢があったからです。いつか自分のカフェを開きたくて、調理も接客も、現場で一つずつ覚えていく道を選びました。大学に行かなかったのは家庭の事情もありましたが、この道で生きていこうと決めたのは自分自身です。

あの日の彼女の言葉は、私が選んだすべてを否定されたようで、何年経ってもちくりと残り続けていました。ただ、その痛みが足を止める理由にはなりませんでした。朝早くから仕込みに入り、閉店後にレシピを研究する日々を、淡々と積み重ねていったのです。

10年後の「いらっしゃいませ」

28歳のとき、大通りから一本入った路地に、カウンター8席の小さなカフェを開きました。開店から2年が経ったある昼下がり、ドアが開いて入ってきたのは、あの同級生でした。

「いらっしゃいませ」私はいつもどおりに声をかけました。

彼女はメニューを受け取りかけて、ふと顔を上げ、「え、もしかして」と目を丸くしました。私は「久しぶりだね」とだけ返し、注文を待ちました。

そして...

彼女はコーヒーを一杯飲んで、帰り際に「ここ、あなたのお店なの?」と聞きました。「うん」と答えると、何か言いたそうに口を開きかけて、けれど結局「ごちそうさま」とだけ言って出ていきました。

私は特別な感情を抱きませんでした。見返してやりたいとか、謝ってほしいとか、そういうことではなくて。ただ、あの日の悔しさが、今ここに立っている私を作ったのだと思えたことが、何より嬉しかったのです。カウンターを拭きながら、次のお客さんを待ちました。いつもと変わらない、落ち着いた午後でした。

(30代女性・飲食経営者)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる