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遅延で重苦しい電車の車内。「お急ぎのところ申し訳ございません」と謝る車掌。だが、続く一言に心温まった瞬間

  • 2026.9.6
遅延で重苦しい電車の車内。「お急ぎのところ申し訳ございません」と謝る車掌。だが、続く一言に心温まった瞬間

電車が止まり、車内から話し声が消えていった

一年ほど前、朝の通勤電車に乗っていたときのことです。

いつもの車両に乗り、つり革につかまってしばらくすると、電車が途中で止まりました。

車内放送では、運転を見合わせていることが何度か伝えられました。しかし、動き出す見込みはなかなか立ちません。

最初のうちはスマートフォンを見ていた人たちも、時間がたつにつれて何度も時計を確認するようになりました。

私の前に立っていた男性も、一度時計を見たあと、数分もたたないうちにまた袖を上げています。

斜め後ろからは、電話をする声が聞こえてきました。

「すみません、電車が止まっていて。着き次第、すぐ向かいます」

声を荒らげる人はいませんでした。それでも、普段より車内が静かなぶん、ため息や衣服のすれる音が妙にはっきり聞こえます。

私も乗り換えには間に合わないだろうと思い、会社へ連絡するタイミングを考えていました。

いつもの案内のあとに、続いた言葉

しばらくして電車は動き出しました。

次の駅が近づいたころ、再び車掌さんの放送が流れました。

「本日は列車の遅れにより、ご迷惑をおかけしております」

ここまでは、何度か聞いたことのある案内でした。

ところが、そのあとに少し違う言葉が続きました。

「お急ぎのところ申し訳ございません。どうか足元にお気をつけて、ゆっくりお降りください」

そして最後に、こう添えられました。

「今日一日が、少しでも良い日になりますように」

思わず顔を上げました。

もちろん、電車の遅れがなくなったわけではありません。私が会社に遅れることにも変わりはありません。

それでも、ずっと時計を見ていた前の男性が、放送のあとに一度だけ小さく息を吐きました。

隣に立っていた年配の女性も、前を向いたままぽつりと言いました。

「いいこと言うわね」

私も、少しだけ肩の力が抜けた気がしました。

遅れた朝に、今も覚えている一言

結局、その日は乗り換えに間に合わず、会社へ遅刻の連絡を入れました。

車掌さんの言葉で状況が変わったわけではありませんし、車内にいた全員が同じように感じたのかも分かりません。

ただ、焦っているときに聞いたあの一言だけは、不思議と今でも覚えています。

それ以来、朝の電車が遅れたとき、私はときどきあの日の放送を思い出します。

急いでもどうにもならない時間に、ほんの少し気持ちを切り替えるきっかけになった言葉でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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