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「なにが問題なの?」電車でビールを飲む男性。だが、隣の女性がビニール袋を渡したワケ

  • 2026.9.25
「なにが問題なの?」電車でビールを飲む男性。だが、隣の女性がビニール袋を渡したワケ

昼の車内に広がったにおい

平日の昼過ぎ、僕は外回りの途中で電車に乗った。車内は空いていて、長い座席にもところどころ空きがある。

僕はドアの近くに座り、次の訪問先で話す内容を頭の中で確認していた。

しばらくすると、向かいの席から缶を開ける音がした。50代くらいの男性が缶ビールを飲み、膝の上に置いた袋からあたりめを取り出してかじり始めた。

やがて干したイカのにおいが車内に広がった。近くの乗客が少し顔をそむけ、口元をハンカチで押さえる人もいた。

しかも男性は、ときどき誰に言うでもなく独り言をつぶやいていた。内容も聞いていて気持ちのいいものではない。

最初は気にしないようにしていたが、においと声が続き、僕は隣の車両へ移ろうとかばんを持って立ち上がった。

そのとき、男性のすぐ隣に座っていた年配の女性が、控えめに声をかけた。

「すみません。ちょっとにおいがきつくて…」

男性は缶を持ったまま女性を見ると、少し不満そうに答えた。

「なにが問題なの?」

女性は言い返さず、少し間を置いた。

隣にいた女性が静かに頼んだこと

女性は声を荒らげることなく、男性に言った。

「結構においがしますから。降りてからにしてもらえませんか」

そう言って、かばんから小さなビニール袋を取り出し、男性の前へ差し出した。

男性はすぐには受け取らなかった。周囲を見回してから何か言いかけたものの、結局、あたりめの袋の口を折りたたみ、差し出された袋に入れた。

しばらくして残っていたビールも飲み干し、空き缶をかばんにしまった。それからは独り言も聞こえなくなった。

僕は移動するのをやめ、再び席に座った。年配の女性と目が合ったので、小さく頭を下げた。

「ありがとうございます。僕も移ろうと思ってたところでした」

女性は少し笑って、「私も隣だったから、気になっちゃって」と返した。

強く言い負かしたわけでも、男性を責め続けたわけでもない。ただ、自分が困っていることを静かに伝えていた。

外回りを終えて会社へ戻ってからも、僕の頭にはあの短いやり取りが残っていた。

注意するときは、相手を責める言葉を重ねるより、「何に困っているのか」を伝えるほうが届くこともあるのだと感じた出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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