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「私の自由でしょ」混んだ電車で香水を吹きかけた女性。だが、近くの乗客が静かに取った行動とは

  • 2026.9.26
「私の自由でしょ」混んだ電車で香水を吹きかけた女性。だが、近くの乗客が静かに取った行動とは

混んだ車内に広がった強い香り

仕事帰りの夕方の電車は、つり革がほとんど埋まるほど混んでいた。私は座席の前に立ち、暗くなっていく窓の外をぼんやり眺めていた。

途中の駅で、50代くらいの女性が乗ってきた。ちょうど目の前の席が空くと、女性はそこに座り、バッグから小さな瓶を取り出した。

次の瞬間、首元に香水を吹きかけた。

人が詰まった車内だったせいか、甘く強い香りはすぐに周囲へ広がった。近くに立っていた人が少し顔をそむけ、隣に座っていた人も口元にハンカチを当てた。

すると、少し離れたところに立っていた会社員らしい男性が女性に声をかけた。

「すみません。ここ、電車なので…」

女性は男性を見上げた。

「これくらい、いいじゃない」

そして少し間を置いて、

「私の自由でしょ」

と言うと、香水をもう一度、さらにもう一度首元へ吹きかけた。

男性は困ったように黙り込んだ。近くでは誰かが小さく咳をし、私も思わず顔を窓のほうへ向けた。

黙って窓に手を伸ばした男性

そのとき、私の隣に立っていた年配の男性が、座っている人に軽く会釈をした。

「すみません。窓、少し開けてもいいですか」

「あ、はい。どうぞ」

年配の男性が窓を少し開けると、冷たい外気が車内に入ってきた。

誰かを責めるような言葉はなかった。ただ風が通っただけで、張りつめていた空気が少しやわらいだように感じた。

それを見た近くの乗客も、開けられる窓に手を伸ばした。

「こっちも少し開けましょうか」

「お願いします」

女性の隣に座っていた若い女性は、そのあと静かに席を立ち、ドアの近くへ移っていった。

香水をつけた女性は周囲を見回したあと、手にしていた瓶のふたを閉め、バッグの中へ戻した。

次の駅でドアが開くと、女性はそのまま電車を降りていった。

開いた窓から入る風に流されるように、車内に残っていた甘い香りも少しずつ薄くなっていった。

年配の男性と目が合い、私は小さく会釈した。

大きな言い争いにはならなかった。それでも、混んだ場所では自分には気にならないことでも、周りには強く感じられることがある。窓から入ってくる冷たい風を感じながら、そんなことを考えた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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