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「俺のアルバイト先に、昨日食べにきたよ」何でも聞いてくる向かいの奥さん。だが、兄から聞いた事実に思わず距離を置いた

  • 2026.9.6

向かいの門の前に、よく似た黒い柴犬がいた

うちの向かいには、年配のご夫婦が住んでいます。

越してきたのは、うちのほうが少しあとでした。

会えばあいさつをするくらいの間柄でしたが、犬の散歩に出る時間が近く、門の前で顔を合わせることはよくありました。

少し驚いたのは、うちが黒い柴犬を飼いはじめて、ひと月ほどしたころです。

朝、玄関を出ると、向かいの門の前にも黒い柴犬が座っていました。

毛の色だけでなく、ぱっと見た雰囲気までうちの犬によく似ています。

立ち止まっていると、向かいの奥さんがうれしそうに話しかけてきました。

「うちも黒い柴犬を飼ったよ、外壁の色もそっくりにしたの」

言われて家を見ると、確かに以前とは色が変わっています。うちと同じような、少しくすんだ白でした。

家に戻って母に話すと、母は窓から向かいを見て、少し驚いたように言いました。

「塗るの、早かったわねえ」

悪意があるようには見えませんでした。ただ、思っていたより距離の近い人なのかもしれない、と感じるようになりました。

聞かれても、家族のことは詳しく話さなくなった

その後、気になったのは質問の多さでした。

会うたびに学校の名前を聞かれ、次はアルバイトへ行く曜日、そのうち兄のアルバイト先まで聞かれるようになりました。

何気なく答えたことが別の近所の方にも伝わっていて、思わぬところから自分たちの話を聞くこともありました。

ある日には、兄から驚きの報告があがってきました。

「俺のアルバイト先に、昨日食べにきたよ」

兄はその場では笑っていたそうですが、家に帰ると「そこまで知られてると、ちょっと困るな」と話していました。

それから私は、門の前で会ったときの話題を少し変えました。

こちらから先に、天気や犬の話をするのです。

「今日は暑いですね」

「夕方になってから散歩にしようと思っていて」

そうすると、向こうも自分の犬の話をしてくれます。今日はどこまで歩いたとか、最近よく食べるとか。そんな話なら、お互い気楽にできます。

学校や仕事のことを聞かれても、以前ほど詳しく答えなくなりました。相手を避けたいわけではありません。ただ、近所だからといって何でも話す必要はないのだと思うようになったのです。

今でも門の前ではよく顔を合わせます。黒い柴犬を連れた者同士、話すのはたいてい天気と散歩のこと。

あいさつはする。でも、家族の予定までは話さない。そのくらいの距離が、今の私にはちょうどよく感じています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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