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「お前じゃ話にならないよ、責任者を呼べよ」値段が違うとレジで怒鳴った客。だが、思わぬ勘違いに絶句

  • 2026.8.6
「お前じゃ話にならないよ、責任者を呼べよ」値段が違うとレジで怒鳴った客。だが、思わぬ勘違いに絶句

レジ前に響いた怒鳴り声

その日、私はスーパーのレジに並んでいた。夕方の店内は買い物客でほどよく混み、レジにも数人の列ができていた。

私のすぐ前に立っていたのは、買い物かごを台に叩きつけるように置いた年配の男性客だった。

会計が始まってすぐ、男性が声を荒げた。

「値段が違うと思うよ!」

どうやら、レジに表示された合計金額が、自分の思っていた額より高かったらしい。

男性はレシートを店員のほうへ突き出し、鼻息を荒くしていた。

レジを担当していたのは若い女性の店員さんだった。

彼女はすぐに手を止め、丁寧に頭を下げた。

「申し訳ございません、すぐに確認いたします」

それでも男性は収まらなかった。

伝票を指で叩き、店中に響くほどの大声で言い放った。

「お前じゃ話にならないよ、責任者を呼べよ」

店内が、しんと静まり返った。並んでいた人たちも、みんな気まずそうに目を伏せている。

それでも店員さんは顔色ひとつ変えず、落ち着いた声で応じた。

「もう一度、商品を確認させていただきますね」

店員が読み上げた値札

店員さんは慌てる様子もなく、男性の買った商品を一つずつ手に取り、袋から出して値札を読み上げていった。

私は後ろで、その落ち着いた横顔をただ見ていた。

「こちらの商品は、税込みでこの金額でお間違いございません」

男性が、店員の手元をのぞき込む。

その瞬間、あれだけ動いていた口が、ぴたりと止まった。

確認していくと、彼が「安い」と思い込んでいた金額は、隣の棚に並んだ別商品の値札だったのだ。

よく似たパッケージを、自分のほうで勝手に見間違えていたらしい。

店員さんは責めるでもなく、ただ淡々とその値札の場所を指し示した。

「……いや、それは」

さっきまでの勢いが、みるみるしぼんでいく。

責任者を呼べと怒鳴っていた口は、今度は言い訳の言葉すら見つけられずにいた。

「……もういい」

男性はそれだけ小さく言い残すと、逃げるように商品を袋へ詰め直し、足早にレジを離れていった。

謝罪の言葉は、最後まで一つもなかった。

後ろに並んでいたお客さんの何人かが、小さく息をついて顔を見合わせている。

あれだけ大声で責め立てられても、店員さんは一度も言い返さず、最後まで丁寧に対応を続けていた。そんな空気の中でも彼女は表情を崩さず、次の私に穏やかに笑いかけてくれた。

「お待たせしました」

怒鳴り声の大きさと、引き際の小ささ。その差があまりに大きくて、妙に胸に残った夕方だった。あの店員さんの毅然とした姿だけが、今も忘れられずにいる。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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