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「私の勘違いだったらごめんなさい」混雑するレジで200円の差を訴えた女性。だが、1点ずつ確認した店員の手が止まった理由

  • 2026.9.11

レジの前で、列が動かなくなった

夕方のスーパーは、どのレジも同じくらい混んでいた。私が並んだのは、いちばん端の列だった。かごを持ち替えながら、頭のなかでは晩ごはんのことを考えていた。

ところが、前に並んでいた年配の女性が会計を終えたあとも、その場を動かなかった。レシートを広げ、何度も数字を見直している。

やがて、少しためらうように店員へ声をかけた。

「すみません、ちょっと見てもらえますか。計算が合わない気がして…」

若い男性店員が顔を上げた。

「はい。どのあたりでしょう?」

「買い物しながら、だいたい計算してたんです。でも二百円くらい高くて。私の勘違いだったらごめんなさいね」

私の後ろには、いつの間にか三人、四人と人が増えていた。別のレジへ移っていく人もいる。

(二百円か…。早く終わらないかな)

口には出さなかったものの、正直そんなことを思っていた。

店員は女性からレシートを受け取った。

「わかりました。少しお時間いただきますね。会計の履歴と一緒に確認します」

「お願いします。後ろの方には悪いんだけど…」

女性が申し訳なさそうに振り返り、私は思わず視線をレジ横の商品へそらした。

1点ずつ確認した店員の手が止まった

店員はレジの画面に会計履歴を出し、レシートと照らし合わせながら上から順に確認していった。

豆腐、ねぎ、牛乳。ひとつ確認するたびに、女性もレシートを指で追っている。

「ここまでは合っていますね」

「そうですよね……。じゃあ、やっぱり私が間違えたのかな」

女性がそう言った直後、店員の指が止まった。

「あれ……ちょっとお待ちください」

画面を少し上へ戻し、もう一度同じ場所を見る。

「牛乳が、二回入っていますね」

「えっ?牛乳は一つしか買ってないですよ」

「そうですよね。すみません、二重に読み取られていたようです」

牛乳は二百十円。女性が気にしていた「二百円くらい」の差と、ほぼ一致していた。

「ああ、よかった……。何回計算しても合わないから、私がおかしいのかと思って」

女性は怒るより先に、ほっとしたように息を吐いた。

店員は頭を下げた。

「申し訳ありません。すぐ返金します」

「いえ、原因がわかったなら大丈夫です。見てもらってよかった」

さっきまで少しざわついていた列も、いつの間にか静かになっていた。

手続きが終わると、女性は「ありがとうございました」と頭を下げ、袋を抱えて出口へ向かった。

列が再び動きだす。

数えていたのは女性で、疑っていたのは私だった。

二百円くらいで、と思っていた。でも、その二百円にはちゃんと理由があった。

私の番になり、かごを台に置く。

店員が少し申し訳なさそうに言った。

「お待たせしました」

「いえ、大丈夫です」

そう返しながら、さっきまで心の中で女性を急かしていた自分が、少し恥ずかしくなった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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