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「3万円使った」紙の生き残りは雑貨にあり?札幌の老舗の職人技が挑むトレンド

  • 2026.8.2

デジタル化の波に押され、需要減少が続く紙業界。
しかし、札幌市で開催された「紙博」には女性を中心に多くのファンが詰めかけていました。

必需品から『嗜好品』へとシフトする文具・雑貨市場の最新トレンドを分析。

生き残りをかけ、世界に誇る職人技術で下請け脱却や海外進出に挑む地元の老舗企業の戦略に迫ります。

ここでしか買えない紙雑貨が集結

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札幌コンベンションセンターで開かれたのは、はがきやシール、マスキングテープに便箋など、紙にまつわる雑貨を集めた、その名も「紙博」。
北海道初開催のイベントです。

道内外の文具メーカーや印刷会社など、50以上の出展者がこだわりの雑貨を販売し、2日間で約7500人が訪れました。

訪れた人からは「3万円くらい使った」「お財布のお金を全部使っちゃったくらい買っちゃった」という声も。

シールや付箋を購入したという女性は「手帳デコに使っている」と話し、手帳をかわいく彩るための紙雑貨を集めているそうです。

手帳やノートのデコレーションや、シール交換の流行を背景に、いま、紙の雑貨が人気を集めています。

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その一方で、デジタル化の波に押され、紙の需要は減少傾向。
本やチラシなどに使われる「グラフィック用紙」の需要はこの20年で半分以下になりました。

老舗企業も、生き残りをかけて雑貨市場に参入しています。

紙箱の職人技が生んだ収納箱

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一見木箱のように見える、こちらの商品。
実は、牛乳パックと紙パックの再生紙でできています。
製造したのは、1932年創業の札幌の「モリタ」です。文具メーカーかと思いきや…。

近藤篤祐社長は「お菓子やお酒、アクセサリーなどの紙箱のパッケージを作っている会社」だと明かします。

本業は紙箱をつくる会社が、なぜ紙の雑貨を作り始めたのでしょうか。

「普段パッケージには当社の名前が出ない。『札幌に紙箱をつくっている会社がある』と知ってもらうには、自社の製品を開発するのはすごく大事」

紙箱の製造会社が手がける雑貨には、これまで培ってきた技術が詰め込まれています。

主に職人による手作業で、高品質の紙箱を生産しているモリタ。
特徴は「Vカット」と呼ばれる製法です。

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「切れ込みが90度のVの字に彫り込まれていく。普通の箱の角は丸みがあるが、Vカットボックスは角がシャープに、精巧にシュッとして木箱のようになるのが特徴」

特殊な機械で、厚紙にV字の切れ込みを入れることで、折り目がぴったりと合わさり、精巧で高級感のある紙箱に仕上がるのです。

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こうした技術が評価され、数多くの有名ブランド向けに紙箱を製造していますが、この技術を生かしてオリジナルの雑貨も製造しているのです。

2025年からはヨーロッパをターゲットに、海外向けの新たなブランドも展開しています。

「オリジナル製品が有名になれば、おのずと本業のパッケージの方も仕事が増えていくだろうということで、相乗効果を狙って5年10年かけてやっていきたい」

製本会社の文房具

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札幌の製本会社「石田製本」が5年前に始めた、文房具ブランド『booco(ボッコ)』。
製本技術を生かして作ったノートや手帳を展開しています。

始めた理由について、石田製本の今村琢さんは「紙の需要が減って、印刷会社からの下請けだけでは厳しい。製本技術の『見える化』が狙いで、文房具ブランドを展開した」と話します。

矢野経済研究所が行った市場調査によれば、紙製品などの国内の文具・事務用品の市場は、全体としてはマイナス成長で推移しています。

一方、趣味や自己表現の需要は堅調で、必需品から『嗜好品』にシフトする傾向を強めているということです。

お土産にもなる日本の技術がこもった文房具

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HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでは、日本の文房具を高く評価する意見が聞かれました。

ゲストコメンテーターの谷口真由美さんは、自身も45年以上文房具フェチだそうで「日本の文房具って本当に世界に誇れるもので、お土産で持って行ったらとてもウケる。パッケージ屋さんなどが参入してくれるのがすごくうれしい」と話しました。

また「ブータンで買ったものが、実は長野の技術だった」というエピソードも明かし、日本の紙すきの技術がすでに世界に渡っていると話しました。

世界からも高い評価を受けている、日本の紙の生産技術や加工技術。
国内の需要が減るなかで、さらなる海外での展開も期待されます。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke読者編集部ぬまぬま

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年6月18日)の情報に基づきます。

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