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「当面使う予定はないし…」500万円で国債を買った60代男性→2年後、換金しようとすると…銀行から告げられた“想定外の事実”

  • 2026.10.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金の一部で国債を買った60代のAさんの体験談です。

「国債なら、途中でやめても元本は戻る」

そう思っていたAさんでしたが、換金の手続きで思わぬ説明を受けます。2種類の国債の違いをご紹介します。

「安全なものを」と選んだ500万円

Aさん(60代)は、定年のときに受け取った退職金の一部を、安全に置いておきたいと考えていました。

取引のある銀行の窓口で相談すると、担当者から国債を勧められました。

「国が発行するものですから、いちばん堅いですよ」

Aさんは500万円分を購入しました。

「当面使う予定はないし、必要になれば途中でやめればいい」

そう考えていました。

2年後、自宅の修繕費が必要になった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

2年後、自宅の屋根と外壁の修繕に300万円かかることになりました。

Aさんは銀行に電話をかけ、国債を換金したいと伝えます。

返ってきたのは、思いがけない答えでした。

「市場で売却することになりますので、その日の価格によっては、お受け取りになる額が500万円を下回る可能性があります」

「国債は元本が保証されるのではないのですか」

Aさんが買っていたのは「新窓販国債」でした。正式には新型窓口販売方式で売られる国債です。

「窓口で聞いたときは、ただ『国債』としか思っていませんでした」

個人向け国債と、新窓販国債の違い

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

個人が金融機関の窓口で買える国債には、大きく2種類があります。担当者は、その違いを説明しました。

・個人向け国債:発行から1年たてば、国が額面で買い取る。中途換金調整額(直前2回分の各利子相当額×0.79685)が差し引かれるが、元本は割れない

・新窓販国債:途中で換金するときは市場で売る。そのときの金利水準によっては、元本を下回ることがある

どちらも、満期まで持てば国が額面で償還します。差が出るのは、満期の前に換金するときです。

ただし、新窓販国債は募集価格が額面と異なることがあります。額面100円につき100円を上回ることも下回ることもあるため、満期に戻る額が、買うときに払った金額と同じになるとは限りません。最終的な損益は、募集価格と受け取る利子を合わせて考えます。

「同じ『国債』でも、途中でやめたときの扱いが違うのですね」

金利が上がる局面では、すでに発行された債券の価格は下がりやすくなります。Aさんが買ったあとも金利は上がっていました。

購入の単位も違います。個人向け国債は1万円から、新窓販国債は5万円から5万円単位です。新窓販国債は、個人だけでなく法人や団体も買えます。

もうひとつ、個人向け国債には最低金利の決まりがあります。金利がどれだけ下がっても、年0.05%は下回りません。一方、新窓販国債は買ったときの利率が満期まで続きます。

「安全さの中身が、少しずつ違うのですね」

買う前に、3つだけ確かめる

Aさんは修繕費を預金でまかない、国債は満期まで持つことにしました。

「満期まで持てば額面が戻る」ことと、「途中でやめても元本が割れない」ことは、別の話です。買うときは、次の3つを確かめてください。

・商品名は「個人向け国債」か「新窓販国債」か

・満期は何年か

・途中で換金するとき、国が買い取るのか、市場で売るのか

窓口で「国債」とだけ聞いて決めず、商品名まで確かめることが大切です。使う時期が決まっていないお金ほど、この確認が効いてきます。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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