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「数十センチのはみ出しなら…」と自宅に停め続けた40代男性→新ミニバン納車後に訪れた"思わぬ来訪者"

  • 2026.10.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

戸建てを購入するとき、「駐車場に車が入るか」を確認する方は当然多いでしょう。しかし、入居後に庭や外構を変更すると、購入当時とは駐車できる車のサイズが変わっていることがあります。

特に注意したいのが、子どもの成長などをきっかけに、それまでより大きな車へ買い替えるケースです。

今日は、家族で使うために大きめの新車へ買い替えたものの、自宅の駐車スペースで思わぬ問題に直面した40代男性のエピソードをご紹介します。

子どもの成長を機に大きなミニバンへ

40代のAさんが妻と子どもと暮らす戸建てには、道路に面した駐車スペースがあります。

購入したばかりのころは、車を停めても前後にはまだ余裕がありました。その余ったスペースは、暮らし始めてから少しずつ別の用途に使われていきます。

まず作ったのは花壇と家庭菜園。その後、「庭でもゆっくり過ごせるようにしたい」とウッドデッキも設置しました。もちろん、駐車できなくなるほどスペースを狭くしたわけではなく、当時乗っていた車は、それまでと変わらず問題なく停められていました。

そんなAさん一家にも数年の月日が流れ、今度は車のほうに変化が訪れます。子どもの成長とともに家族で出かける機会が増え、荷物も多くなったことから、これまでより大きなミニバンへ買い替えることにしたのです。

Aさんが基準にしていたのは、長年毎日のように車を停めてきた感覚でした。

「これくらい大きくなっても、まだ停められるだろう」

駐車場が使いにくいと感じたこともなかったため、新しい車を選ぶ際もそれほど心配していなかったといいます。

しかし、家を購入したときには余裕のあった駐車スペースも、花壇やウッドデッキを設けたことで、車を停められる奥行きは以前より短くなっています。

Aさんはその変化を数字では確認せず、現在の駐車スペースを測らないまま新車の購入を進めてしまいました。車は大きくなった一方で、駐車できるスペースは花壇やウッドデッキの設置によって数年前より小さくなっていたのです。

自宅の駐車場では車庫証明が難しかった

ところが、新車の購入手続きを進めるなかで問題が発覚します。

普通車などの登録自動車を新たに登録する場合、原則として警察署長が交付する「自動車保管場所証明書」、いわゆる“車庫証明”が必要です。そして、保管場所として認められるためには、道路以外の場所であることに加え、車体全体を収容できることなどの要件があります。

Aさんが自宅の現在の駐車スペースを確認したところ、新しいミニバンを完全に収めるには奥行きが足りませんでした。

「この状態だと、自宅を新しい車の保管場所として申請するのは難しいですね」

確認した販売店の担当者からそう言われ、Aさんは困ってしまいます。ウッドデッキや花壇をすぐに撤去することも考えましたが、せっかく費用をかけて作ったものです。

そこでAさんは、自宅から近い月極駐車場を借り、そこを新車の保管場所として正式に確保することにしました。

もちろん、車庫証明のためだけに実際には使用しない駐車場を形式的に用意すればよいわけではありません。申請する場所は、実際にその車を通常保管する場所であることが前提です。

こうして必要な手続きを済ませ、新車は無事に納車されました。

しかしAさんには、まだ少し甘い考えが残っていました。

「月極駐車場まで行くのも面倒だし、自宅にも実際には停められるんじゃないか…」

そう考えたのです。

「数十センチくらいなら大丈夫だろう」と停めていると…

納車後、Aさんは試しに新しいミニバンを自宅の駐車スペースへ入れてみました。できるだけ後ろへ下げます。

しかし、その先には以前設置した花壇やウッドデッキがあるため、これ以上は下げられません。車から降りて前を見ると、車体の前方が道路側へ数十センチほど出ていました。

「まあ、駐車自体はできるし、数十センチくらいのはみ出しなら大丈夫だろう」

Aさんはそう考え、月極駐車場ではなく、自宅に車を停めてしまうことがあったそうです。ところが、ある日、自宅に警察官が訪れます。

「こちらの車ですが、道路にはみ出していると相談がありまして…」

近隣住民から相談があったようでした。Aさんはそこで初めて、「自分の敷地に大部分が入っていれば問題ない」という考え方は通用しないことに気づいたといいます。

自動車の保管場所の確保等に関する法律では、自動車の保有者は道路上の場所以外に保管場所を確保しなければなりません。また、道路を自動車の保管場所として使用することも禁止されています。

道路を車庫代わりに使用するなど、法律上の違反に該当する場合には、3ヶ月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金が科される可能性があり、「道路使用」に該当する保管場所法違反では違反点数3点とされています。また、申請した駐車場とは別の場所に恒常的に駐車する行為も、罰則の対象となる可能性があります。

ただし、車体が道路へ数十センチ出ていたからといって、それだけで直ちにこの罰則が適用されると一概にはいえません。駐車の状況や道路との位置関係などによって判断されるため、「少しくらいなら問題ない」と自己判断しないことが大切です。

Aさんは警察官から注意を受けたあと、自宅への駐車をやめ、契約していた月極駐車場へ停めるようになりました。

「ウッドデッキを作るときに考えておけばよかったね」

その日の夜、妻からこんなことを言われたそうです。

「前はもっと奥まで停められたのに、ウッドデッキを作るときに考えておけばよかったよ。まさか次にこんな大きな車を買うとは思ってなかったから…」

Aさんも、当時は将来の車の買い替えまで考えていなかったといいます。とはいえ、新車を購入した以上、このままにしておくわけにもいきません。

契約した月極駐車場を利用し続ければ、自宅に駐車スペースがあるにもかかわらず、毎月の駐車場代がかかります。一方、自宅に新車を収めるには、せっかく設置した花壇やウッドデッキの撤去・縮小も検討しなければなりません。

Aさんは、外構を変更したときも車を買い替えたときも、その時点で問題がないことだけで判断してしまったと後悔したそうです。

駐車スペースは「今の車が入るか」だけで考えない

戸建ての駐車スペースを考える際は、現在所有している車だけを基準にしないことが大切です。

子どもの成長などに伴い、将来ミニバンやSUVなど、より大きな車へ買い替えることもあります。ウッドデッキや物置、花壇などを設置する場合は、将来の買い替えも考えて、駐車スペースに余裕を残しておきましょう。

また、車を買い替える際は、新しい車のサイズと現在の駐車スペースを実際に測って確認することも重要です。

車庫証明が必要な車の場合、保管場所には車体全体を収容できることなどの要件があります。「少しくらい道路にはみ出しても大丈夫」と自己判断せず、車体全体を収められる保管場所を確保しましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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