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キッチンを整える、あるいは見直す前に押さえておきたい4つのトレンド。

  • 2026.5.9
限られた空間になりがちなアパルトマンでは、リビングに自然と溶け込み、多機能に使える、時代に左右されない高品質なキッチンこそが理想的な解決策となる。photography: Ikea

住まいの中心に位置するキッチンは、美しさと機能性を兼ね備えていなければならない。そして何よりも、そこで暮らす人のライフスタイルにぴったりと寄り添う空間であることが重要だ。この欠かせない場所を整える、あるいは再設計する前に知っておくべきポイントを押さえておこう。2025年6月に実施されたOpinion Wayの調査によれば、キッチンはフランス人が最も好きな空間だという。人が集い、交流が生まれる場であるからこそ、その設えや見直しには細やかな配慮が求められる。高度な設備を備え、実用性を重視すべき場所であるのはもちろんだが、同時にトレンドやスタイルとも無縁ではいられない。いま注目されるキッチンのあり方を見てみよう。


01. 美的な連続性という発想

いまやキッチンは洗練された空間となり、リビングの一部として自然に溶け込んでいる。photography: Sophie Lloyd for Archipelles

オープンキッチンか、それともクローズドキッチンか?
これは永遠の問いである。都会においては、その答えははっきりしている。住空間が限られるなか、フランスでは依然としてオープンキッチンが好まれる選択だ。空間を有効に使えるという点で、その利点は大きい。Enrica Magnalardo(イケア・フランスのスタイル&空間デザイン責任者)は、「いまのトレンドは、キッチンを“見えなくする”ことにあります。リビングと視覚的に連続した空間の中に溶け込ませるのです。仮に仕切る場合でも、ガラスの間仕切りのような軽やかな要素で区切る傾向にあります」と語る。

また、これまで一般的だった吊り戸棚などの上部収納は、以前ほど好まれなくなり、その代わりに装飾的な要素が取り入れられるようになっている。額縁や鏡、美しい食器を見せるためのオープンシェルフなどがその例だ。つまり、従来の”いかにもキッチン”というイメージから離れ、リビング的な居心地と機能性を併せ持つ、よりハイブリッドな空間へと進化しているのである。

02. 色彩と自然素材

キッチンでも、色を大胆に楽しむことができる! photography: Ikea

キッチンに再び「色」が戻ってきている。「お客様からの要望も多く、嬉しい流れです」と語るのは、建築インテリアデザイナーであり、 Archipelles創立者のHélène Paoli だ。同様の見方を示すのがEnrica Magnalardoで、「SNSの影響は明らかで、人々はキッチンにも色を取り入れ、個性を表現したいと考えています」と話す。素材に関しては、より自然でサステナブルなものへの関心が高まっている。「20年前に事務所を立ち上げた頃は、ワークトップに石材を使うなんて誰も望みませんでした。“古臭い”と言われたものです」とHélène Paoli は振り返る。「現在は全くそんなことはありません!溶岩石や大理石といった上質な天然素材を積極的に提案できるようになりました。」

イケアでも、こうした志向の変化を受けて商品ラインアップが進化している。「ミッドナイトブルーは新たに人気を集めている色味で、ウォールナット調の濃い天然木もフランスでは最も売れている素材です」とEnrica Magnalardoは説明する。一方で、これまで定番だったホワイトは、徐々に支持を失いつつある。

03. 時代に左右されないデザインと、何よりも質の高さを

キッチンでは、石や木といった時代に左右されない上質な素材が、いま改めて支持を集めている。photography: Pauline Le Goff for Camille Hermand

和む食卓コーナーや、空間を有効に使うための造作ベンチ、本棚のように見せるオープンシェルフ。キッチンはもはや”食事を準備する場所”にとどまらない。リビングとの境界は曖昧になり、人が自然と集まりたくなる、温かみのある空間づくりが重視されている。

では、長く使っても飽きのこないキッチンとはどのようなものだろうか。「私はトレンドよりも普遍性を強くお勧めします。祖母は40年間、同じキッチンを使い続けていました。確かに見た目は70年代風でしたが、すべてが完璧な状態に保たれていたのです。キッチンは長く使えるものであるべきです」と語るのは、建築インテリアデザイナーのHélène Paoli。そのためには、最初の段階でワークトップや水栓といった、後から交換が難しい部分にしっかり投資することが肝要だという。一方で、ドアノブや細かなパーツなどは後から手軽に変えることもできるので、細部には時間をかけて楽しみながら手を加えていく。だが言うまでもなく、空間の核となる部分は初めから周到に設計されている必要がある。

04. 可動性と多機能性

小さな空間でも広い空間でも、時間の流れに合わせて動き、姿を変えるマイクロキッチン。それがいま、SNSで大きな注目を集めているトレンドだ。photography: Ikea

設備が充実していれば、それだけで満足できるキッチンになるのだろうか?どうやらそう単純ではない。固定的なレイアウトは過去のものとなり、モジュールは自在に動かせるようになり、作業面も多目的に使える設計へと移行している。

SNSでは、無駄をそぎ落としたミニマルなキッチンが注目を集めている。日本式のシンプルなコンロにステンレス製のフライパン、そしてテーブルがあれば、それだけで心惹かれるキッチン空間が生まれるのだ。このミニマリズムは、限られたスペースに対応するための工夫から生まれることもあるが、それはまた、ひとつの小さな革命ーすなわち、無駄のない、簡素さを重んじるキッチンという新しい発想を体現している。このアプローチは、多機能性を柔軟に引き出しながら、物を増やすことよりも自由度を優先させる発想へとつながっている。

From madameFIGARO.fr

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