1. トップ
  2. 【2026下半期】見逃せない展覧会&アートイベントおすすめ32

【2026下半期】見逃せない展覧会&アートイベントおすすめ32

  • 2026.7.22
森 万里子《Wave UFO》 1999-2002年 展示風景:「森万里子:Wave UFO」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2003年 撮影:リチャード・リーロイド

現代アートに印象派、インテリアデザイン、民藝、フランス王妃にアニメまで、さまざまな展覧会が各地で催される2026年下半期。そのなかから、絶対に足を運んでおきたいものを厳選してご紹介。週末や連休のおでかけ先としても、遅い夏休みのデスティネーションとしてもおすすめ!

※各イベントの会期や時間、休館日は変更となる可能性があります。詳細や最新情報は各公式サイトをご確認ください。
※画像の無断転載を禁じます。

『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』展示風景 Photo by:Yuya Furukawa

まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険/ヒカリエホール

世界巡回展が凱旋! 日本が誇る女性写真家たちの偉業を改めて振り返る

近代から現代にいたるまで、日本の写真史において独自の視点で時代を切り拓いてきた女性写真家たちの足跡を辿る展覧会が、渋谷のヒカリエホールで開催中。本展は、世界で14万人を動員した巡回展『I’m So Happy You Are Here』の凱旋記念として実施されるもの。

会場には、パイオニアである山沢栄子や岡上淑子らの名作から、独自のストーリーテリングで世界的に高く評価されている石内都や川内倫子、長島有里枝、やなぎみわ、さらにデジタルメディアやインスタレーションを駆使する新進気鋭の若手まで、多世代にわたる30名の女性作家たちの作品が結集。男性中心だった写真界において、彼女たちがその「まなざし」を武器に、ジェンダーや家族、都市、生と死といった多様なテーマにどう挑み、どう表現の冒険を続けてきたのかを多角的に分析してゆく。

出展作家によるクロストークや学芸員によるギャラリートーク、連携企画も複数行われる。

会期/~2026年8月26日(水)
会場/ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F)
時間/10:00〜19:00 ※最終入場18:30
休館日/会期中無休
料金/一般 ¥2,200、30歳以下(大学生含む)¥1,500、小中高生 ¥1,000

ウォルター・クレイン「赤ずきん」(『赤ずきんの絵本』より)[1898年]鶴見大学図書館蔵

おとぎの国のモードをさがして/千葉市美術館

おとぎ話の幻想世界を美術・デザイン・ファッションで紐解く、初の試み

千葉市美術館では、『赤ずきん』や『シンデレラ』、『眠れる森の美女』など、時代を超えて語り継がれるおとぎ話の世界に息づく“モード”に着目した展覧会が行われている。登場人物を象徴する装いや、ドレスコードという視点からおとぎ話を改めて読み解く、これまでにない試みだ。

内容は、19世紀から20世紀のヨーロッパで花開いたウォルター・クレインやアーサー・ラッカムらによる美しい挿絵本の世界を中心に構成。さらに、18世紀ロココ時代の宮廷スタイルや、クリスチャン・ディオールやスキャパレッリ、サンローランのドレスといった実際の衣服、おとぎ話と深く関わるバレエ・リュスの舞台衣装など、約200点の作品や資料も展示する。

物語が持つ豊かなイメージの変遷と、それらが時代の感性と響き合い、どんなふうに新たな姿をまとってきたのかを辿ってみよう。

会期/~2026年8月30日(日)
会場/千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8)
時間/10:00〜18:00 ※金・土曜日は20:00まで、入場は閉館30分前まで
休室日/月曜日(7月20日を除く)、7月21日(火)
料金/一般 ¥1,500円、大学生 ¥1,000、小・中学生、高校生無料

©︎士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会

攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 関西巡回展/兵庫県立美術館

最新作にもたっぷりフォーカス! 伝説的アニメ誕生30周年を記念する大型展示が関西上陸

1989年に士郎正宗による原作漫画『攻殻機動隊』が発表されてから37年。その間、押井守や神山健治、黄瀬和哉、荒牧伸志といった名監督たちの手により、作品は多様なストーリーを生み出してきた。アニメ制作30周年を記念して、同シリーズのすべてを集約させ、その歴史を横断的に体験できる大規模展覧会が、東京に続き神戸でも行われている。

これまで“GHOST IN THE SHELL(器の内に宿る魂)”として一体化して語られてきた2つの概念を、今回は“GHOST AND THE SHELL(魂と器)”として対峙させることで、「人間とは何か」を改めて見つめ直すのが本展の狙いだ。

会場では、歴代監督が手がけた各作品に加え、7月からスタートした新作アニメに関連する作品も多数展示。また、シリーズ全体の制作過程で生まれた膨大な原画や絵コンテなど、初公開のものを含む1600点以上の貴重な資料や、インタラクティブな体験型展示、インスタレーションなど、盛りだくさんな内容でお出迎え。あの“笑い男”にハックされたり、ARグラスを装着してタチコマと一緒に会場を巡ったりもできる。

会期/~2026年8月30日(日) ※会期中展示替えあり
会場/兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリー(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
時間/10:00~17:00 ※最終入館16:30
休館日/月曜日(祝休日の場合は翌日)
料金/一般 ¥2,700、中高生 ¥1,900、小学生 ¥1,200、未就学児 無料

ワシリー・カンディンスキー 《支え無し》 1923年 ポーラ美術館蔵

カンディンスキー 世界は鳴りひびく ―日本のコレクションでたどる画業と反響―/宇都宮美術館

日本各地に収蔵されているカンディンスキーコレクションが、一堂に集結

宇都宮美術館では、20世紀を代表する抽象絵画の先駆者、ワシリー・カンディンスキーの軌跡を紹介する展覧会がスタートしたばかり。対象の外面的な姿をそのまま描くのではなく、自らの感性のフィルターを通して解釈しようとした、彼の多次元的な表現世界に迫ってゆく。

本展のポイントは、日本国内に収蔵されている貴重な作品群が勢揃いすること。国内の優れたコレクションにより、初期から晩年までの彼の画業の変遷を体系的に辿ることができる。また、水墨画などの東洋美学にも通じる彼の理論が、1910年代という早い時期から日本の芸術家たちにどのように受け入れられ影響を与えてきたかを解き明かす、日本独自の視点による検証も興味深い。画家自らが「童話のような」「新しいロマンティシズム」と表現した、鮮やかで美しい抽象表現の魅力を堪能したい。

講演会やワークショップ、学芸員によるガイドなど、関連イベントも実施。9月からは宮城県美術館に、11月からは長野県立美術館に巡回する。

会期/~2026年9月3日(木)
会場/宇都宮美術館(栃木県宇都宮市長岡町1077)
時間/9:30〜17:00 ※最終入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日
料金/一般 ¥1,200円、高大生 ¥1,000、小中生 ¥800
※宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料。宮っ子の誓いカードまたは学生証の提示が必要
※8月16日の「家庭の日」は、高校生以下の方を含むご家族が来館された場合、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料

『テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』展覧会メインビジュアル

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート/京都市京セラ美術館

肌で感じる、音楽・ファッション・サブカルを熱狂させた90年代のエネルギー

ロンドンにある世界的ミュージアム、テート美術館のコレクションを中心に、1990年代~2000年代前半における英国美術の革新的なクリエイションの軌跡をさまざまな角度から紹介する企画展が、京都に巡回中。

サッチャー政権時代を経て緊張感漂う英国に登場した、ダミアン・ハーストやジュリアン・オピー、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスなど、実験的な試みをする50名超の作家たちによる約90点の作品を展示し、この時代のクリエイティブな熱狂がいかに世界に決定的な影響と衝撃を与えたのかを検証してゆく。現代アートを語るうえで欠かせないビッグネームたちの作品を、しっかりと目に焼き付けておきたい。

会期/~2026年9月6日(日)
会場/京都市京セラ美術館(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
時間/10:00〜18:00 ※最終入館17:30
休館日/月曜
料金/一般 ¥2,300、大学生 ¥1,500、高校生 ¥900、中学生以下 無料

展覧会キービジュアル 右上:Klaava, Annika Rimala, 1967/ 下:Viidakko, Pentti Rinta, 1981/ 左上:Seppel, Antti Kekki, 2022

マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Print making ―Beauty, Dream, Love/京都文化博物館

日本各地を巡回! 世界中で愛される「マリメッコ」の美と哲学に酔いしれて

アルミ・ラティアとヴィリヨ・ラティア夫妻がフィンランドで設立したライフスタイルブランド「マリメッコ」の、10年ぶりとなる展覧会が、京都で開幕。

本展は、アルミの言葉を手がかりに、さまざまな年代のドレスやアートワーク、ファブリックを通じて、「マリメッコ」の創造の美学、またブランドに継承されるプリントメイキングの技に複数の視点から光を当てることで、「マリメッコ」の世界へと私たちをいざなう。貴重な所蔵作品や資料も数多く公開されるほか、この展覧会のために制作される映像展示、デザイナーの皆川明によるインスタレーションも必見だ。

2026年10月には東京、2027年1月には広島、その後さらに北九州や富山、名古屋、長崎など各地を巡回することになっているので、ファンはお楽しみに。

会期/~2026年9月6日(日)
会場/京都文化博物館 4・3F展示室(京都府京都市中京区三条高倉)
時間/10:00〜18:00 ※金曜は19:30まで、最終入場は閉室30分前まで
休館日/月曜日 ※祝日の場合は開館、翌平日休館
料金/一般 ¥2,000、大高生 ¥1,600、中小生 ¥700

「夕陽の決闘」1998年 ©やなせたかし(公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ/世田谷文学館

国民的ヒーロー、アンパンマンの生みの親のイマジネーション世界に浸る

国民的キャラクター、アンパンマンの生みの親として愛されるやなせたかしの創作世界に迫る初の大規模巡回展が、やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム(高知県・香美市)の開館30周年を記念し、世田谷文学館で開催されている。

貴重な原画約200点を中心に6つのテーマに沿って展示し、誰もが知るアンパンマン誕生の軌跡や絵本の世界をはじめ、漫画やイラスト、生涯のライフワークとなった雑誌『詩とメルヘン』関連の作品も幅広く紹介。また、これまであまり深く知られていなかった詩人や編集者としての側面も見せる。

やなせが生涯を通じて大切にし続けた「人を喜ばせる行為こそが人生最大の喜び」という“よろこばせごっこ”の精神と、そのハートウォーミングなメッセージに満ちた創作の全貌を体感すれば、大人も子どももほっこりできること間違いなし。9月からは兵庫・姫路文学館に巡回予定。

会期/~2026年9月6日(日)
会場/世田谷文学館 2F展示室(東京都世田谷区南烏山1-10-10)
時間/10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日 ※ただし祝日の場合は開館、翌日休館
料金/一般 ¥1,500、65歳以上・大高生 ¥900、中学生以下 無料

《相模湾、江之浦》 2025年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 絶滅写真/東京国立近代美術館

稀代の写真家が執り行う、“写真のお葬式”――絶滅の意味とは何なのか?

書に陶芸、建築に和歌、舞台芸術演出など、ジャンルを越えて活動を続ける現代美術作家、杉本博司。東京国立近代美術館では、その芸術の原点と呼べる写真、特に「銀塩写真」に光を当てる展覧会が開催中だ。写真作品のみで構成される美術館個展としては、21年ぶり。

確たるコンセプトに基づく独自の表現による杉本の作品は、銀塩写真の技術の結晶としても頂点を極めるものだが、写真がデジタルに置き換わった今、その技法はまさに“絶滅”しようとしている。

本展では、杉本の初期から近作まで全13のシリーズ、約65点を3章構成で展示し、新作をはじめ初披露作品も多数登場。同館所蔵の杉本作品全点のほか、制作の秘密を記した貴重な「スギモトノート」も展示する。

会期/~2026年9月13日(日)
会場/東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1)
時間/10:00~17:00 ※金曜・土曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日(祝休日は開館し翌平日休館)、展示替期間
料金/一般 ¥2,300、大学生 ¥1,200、高校生 ¥700

ルーシー・リー《青釉鉢》1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)撮影:品野 塁 画像提供:東京都庭園美術館

ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―/東京都庭園美術館

約10年ぶりの巨匠の回顧展で、作品とアール・デコ空間の調和を楽しむ

20世紀イギリスを代表する陶芸家ルーシー・リーの、国内ではおよそ10年ぶりとなる回顧展が、東京都庭園美術館にて開催中。会場内には、国立工芸館(金沢)に寄託されている国内屈指の「井内コレクション」を筆頭に、初期から円熟期までの貴重な作品が集結。また、彼女が親交を深めたヨーゼフ・ホフマンやバーナード・リーチ、ハンス・コパーといった関連作家の作品もあわせて展示し、洋の東西が交錯する背景やその信念を紐解いていく。

鮮やかな色彩の釉薬と端正なフォルムが目を引くモダンなうつわの数々と、1933年竣工のアール・デコ建築の空間との、洗練された対話や響き合いを心ゆくまで堪能しておきたい。12月からは、大阪・あべのハルカス美術館に巡回予定。

会期/~2026年9月13日(日) ※日時指定予約制
会場/東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
時間/10:00〜18:00 ※8月7日、14日、21日、28日(金)は21:00まで開館、入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日
料金/一般 ¥1,400、大学生 ¥1,120、高校生・65歳以上 ¥700

Hearst Owned

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ/国立新美術館

ピカソ作品×ポール・スミス、意外な出会いがもたらす未体験ゾーン

国立新美術館では、20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソと、イギリスを象徴するファッションデザイナー、ポール・スミスのコラボレーションという、かつてない展覧会が開催中。これは、2023年にパリで開催されたピカソ没後50周年を記念する特別展『Picasso Celebration: The Collection In a New Light!』をベースにした国際巡回展だ。

気になる内容は、パリの国立ピカソ美術館が所蔵するピカソの作品からインスピレーションを得て、伝統的なテーラリングと遊び心あふれるカラーリングで知られるスミスが会場のレイアウトを考案するという、なんともスタイリッシュでユニークなもの。

色使いや壁紙、装飾品や模様にいたるまで、自由な発想でつくり上げられた会場構成は、スミスがデザインする洋服や小物のような色鮮やかさと楽しさがたっぷり。ピカソの初期から晩年までの作品群を緩やかな時系列に従って展観する。

会期/~2026年9月21日(月・祝)
会場/国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
時間/10:00〜18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで、入場は閉館30分前まで
休館日/毎週火曜 ※ただし8月11日は開館、翌12日(水)は休館
料金/一般 ¥2,400、大学生 ¥1,400、高校生 ¥1,000、中学生以下 無料

《イン・ベッド》2005年 所蔵:カルティエ現代美術財団 展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年 撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

ロン・ミュエク展/森美術館

日本では18年ぶり、初公開作も! リアリティと存在感に圧倒される

森美術館で絶賛開幕中なのは、具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代アーティスト、ロン・ミュエクの展覧会だ。カルティエ現代美術財団が森美術館とともに主催する本展は、2023年にパリで始まったもので、ミラノ、ソウルを経てついに日本に上陸。

彼の作風は、人間を綿密に観察し、哲学的な思索を重ね、人間の複雑な内面や体験を巧みに表現するのが特色。実際の人間よりもはるかに大きい、あるいは小さいサイズの彫刻は、神秘的でありつつ圧倒的な存在感を放ち、私たちと身体との関係や、存在そのものとの関係を問いかけてくる。

日本での大型回顧展は18年ぶりとなるので、初期の作品から日本初公開作品まで、えりすぐりの11点をこの機会にじっくり楽しみたい。制作過程を記録した貴重な写真と映像もお披露目。

会期/~2026年9月23日(水・祝)
会場/森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
時間/10:00~22:00 ※火曜日のみ17:00まで、5月5日、8月11日、9月22日は22:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/会期中無休
料金/平日:一般 ¥2,300、65歳以上 ¥2,000、大学生・高校生 ¥1,400、中学生以下 無料
土日祝:一般 ¥2,500、65歳以上 ¥2,200、大学生・高校生 ¥1,500、中学生以下 無料

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 《書斎の学者(ファウスト)》1652年頃 エッチング、ビュラン、ドライポイント 国立西洋美術館

版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト/国立西洋美術館

2つの美術館の貴重なコレクションを通じて、版画の可能性を切り拓いたレンブラントの神髄を再発見

17世紀オランダの巨匠レンブラントが、「エッチング(腐蝕銅版画)」の領域で繰り広げた挑戦と、後世に与えたインパクトに迫る展覧会。国内屈指のコレクションを誇る国立西洋美術館と、世界唯一のレンブラント専門美術館であるレンブラント・ハウス美術館による共同企画展となる。

両館が誇るコレクションを中心に、国内の美術館や大学図書館、海外の個人コレクターなどから拝借した作品や書籍も含む約130点を一挙に展示。前半では、それまでの単純な技法から脱却し、版画の可能性を押し広げた彼自身の旺盛な実験精神をテーマごとに紹介する。エッチング史における傑作『百グルデン版画』をはじめ、著名な『自画像、口を開けた顔』なども登場。

そして後半では、その表現が後世の芸術家たちに与えた絶大な影響を検証。ゴヤが彼に憧れて制作したピースをはじめ、マティスやピカソら、レンブラントの影響を受け、そのエッセンスを自作に投影した大家たちの作品も見せる。

会期/~2026年9月23日(水・祝)
会場/国立西洋美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園7-7)
時間/9:30~17:30 ※金・土曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/月曜 ※ただし8月10日(月)、9月21日(月・祝)は開館
料金/一般 ¥2,200、大学生 ¥1,300、高校生 ¥1,000、中学生以下 無料

ほぼ、空:青木淳 + リチャード・タトル 展示模型 撮影:ToLoLo studio

ほぼ、空:青木淳 + リチャード・タトル/東京オペラシティ アートギャラリー

建築家と美術家の対話による、作品と空間が溶け合う展示に迷い込む

東京オペラシティ アートギャラリーでは、建築を「空気」とみなし、既存の形式に縛られない空間をつくり出してきた建築家の青木淳と、作品を「光」とみなし、ジャンルレスな美術表現を追求し続ける美術家、リチャード・タトルによる展覧会がスタート。

2人の対話から生まれた会場の展示空間内には、タトルが本展のために考案したボイド管や色薄紙による3つのエレメントと、青木が東京オペラシティの過去の展覧会で用いた台座を再利用して制作したユニットを配置。光と影の作用、独自の色彩と大気により、すべては流動的になり、建築でも美術でもありながらそのどちらでもないような、独特のスペースが私たちを迎え入れる。

さらに、青木の提案により、独立していた展示室やミュージアムショップ、コレクション展示の配置を大幅に入れ替え、館内全体をゆるやかに繋がるひとつの空間へと再構成しているのも大きな見どころ。この場をよく知る人にこそ、足を運んでほしい展覧会だ。

会期/~2026年9月23日(水・祝)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿 3-20-2)
時間/11:00~19:00 ※最終入館18:30
休館日/月曜、8⽉2⽇(⽇)(全館休館⽇) ※ただし9⽉21⽇(月)は開館
料金/一般 ¥1,800、大高生 ¥1,100、中学生以下 無料

エットレ・ソットサス《カールトン》1981 年 (デザイン)/1981 年(製作:メンフィス・ミラノ)、石橋財団アーティゾン美術館 © Erede Ettore Sottsass

エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる/アーティゾン美術館

巨匠が教えてくれる、デザインの楽しさと無限の可能性

アーティゾン美術館では、20世紀におけるイタリアデザイン界のマエストロ、エットレ・ソットサスの日本初となる回顧展が行われている。

1950年代からオリヴェッティ社やポルトロノーヴァ社のデザイナーとして数々の名作プロダクトを生み出し、1981年には国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成して、遊び心や装飾性が特徴の「ポストモダン」と呼ばれる革新的なデザインで一世を風靡したソットサス。本展では、過度な合理性の追求に疑念をもち、人々の生活に自由でいきいきとした感性を取り戻そうとした彼の、斬新でユーモアあふれるデザインの軌跡を112点の作品とともに振り返る。

ソットサスの作品は同館のミュージアムカフェにも展示されているので、鑑賞後に立ち寄って余韻に浸るのもおすすめだ。

会期/~2026年10月4日(日)
会場/アーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2)
休館日/月曜日(9月21日は開館)、7月21日(火)、9月24日(木)
時間/10:00~18:00 ※毎週金曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで
料金/一般 ウェブ予約 ¥1,200、当日 ¥1,500、学生無料、高校生以上は要ウェブ予約、中学生以下 ウェブ予約不要 ※予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケット購入可 ※この料金で同時開催の展覧会『瀧口修造 書くことと描くこと』も鑑賞可

「Ryuichi Sakamoto & Tin Drum | KAGAMI+」VS.、2026年 ©2026 Tin Drum / KAB Inc. / commmons / VS. / WOWOW 撮影:浅野豪

Ryuichi Sakamoto & Tin Drum | KAGAMI+/VS.(グラングリーン大阪内)

MR空間によみがえった坂本龍一の演奏を、手が届きそうなほどの近さで堪能する

2023年に逝去した日本を代表する音楽家・坂本龍一のピアノ演奏を、最先端の複合現実(MR)技術により再現する展覧会が、NYやロンドン、香港での上演を経てついに日本上陸。大阪の文化発信拠点「VS.(ヴイエス)」にて開催中だ。

NYのクリエイティブチーム「Tin Drum」との共同制作による作品『KAGAMI』を中心に構成され、専用のヘッドセットを着用することで、独自の三次元映像技術によって精緻に再現された坂本龍一が、まるで目の前にいるかのような環境で演奏する姿を鑑賞できる。会場内ではそのほか、映像や写真、テキストなどの展示に加え、坂本自身が調香した香りも漂い、五感をとおしてその世界観を濃密に体験できるようになっている。

坂本が自身の最後の4年間を費やして共同制作した本プロジェクト、ファンならずとも足を運んでおきたい。

会期/~2026年10月12日(祝・月)
会場/VS.(大阪府大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪 うめきた公園 ノースパーク)
時間/10:00〜20:00 ※日時指定制
休館日/月曜日 ※祝日・連休の場合は祝日明けの平日
料金/RED TICKET ¥15,000(約60分) ※7インチアナログレコード付き
BLUE TICKET 一般¥4,500、学生¥2,500(体験版 約30分)

展示風景:「あたらしい目—モネと21世紀のアート」ポーラ美術館、2026年、撮影:中川周

モネ没後100年・開館25周年記念 あたらしい目―モネと21世紀のアート/ポーラ美術館

モネコレクション19点を一挙公開、現代アートとの創造的な対話

箱根のポーラ美術館では、印象派の巨匠クロード・モネの没後100年と、同館の開館25周年を記念した大規模な展覧会が10カ月わたり開催中。

同館が誇る、初期から晩年の重要な作品を網羅したアジア最大級のモネコレクション計19点を公開し、モネの絵画と現代アートを響き合わせる試みを実施、ピエール・ユイグやロニ・ホーン、中谷芙二子、フェリックス・ゴンザレス=トレスら国内外の18組の現代作家を紹介している。ロビーや屋外の森までを大胆に活用し、没入感あふれる映像、インスタレーションなども展開。本展で初披露となる作品もあり。

絵画の新時代を開拓したモネと、現代作家たちの「目」が交錯する空間で、モネ作品の新しい鑑賞体験を心ゆくまで堪能しよう。同時開催中の2つのコレクション展も要チェック。

会期/~2027年4月7日(水)
会場/ポーラ美術館 展示室1、2、4、アトリウム ギャラリー、ロビー、森の遊歩道(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)
時間/9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日/会期中無休 ※ただし12月1日(火)は休館
料金/大人 ¥2,200、大高生 ¥1,700、中学生以下 無料

Hearst Owned

浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA/長野県・御代田町内各所

高原の爽やかな風を感じながら、写真の現在地にふれる

都内から最短90分、軽井沢の隣にある御代田町(みよたまち)で行われる写真の祭典『浅間国際フォトフェスティバル』が、今年も開催。浅間山の麓に広がる美しい自然の中、国内外の優れた写真家による作品を屋内外に展示し、豊かな写真体験を提案するイベントだ。

7回目を迎える本年度は“After the Image イメージのその後”をテーマに掲げ、写真が生まれた「後」に起こるできごとやプロセスに着目。国内外から約20組の作家が参加し、それぞれがテーマを解釈した作品をいろいろな形式で見せる。メイン会場である文化複合施設「MMoP(モップ)」に加え、今回は「エコールみよた」、コワーキングスペース「Gokalab」、公民館など、町内各所へ展示エリアを拡大。鑑賞と町歩きを一緒に味わいながら、“写真のいま”を知ることができる。

ワークショップや写真教室など、写真の楽しさを提案する体験型イベントや、長野らしいフードやクラフトなどが楽しめるマルシェイベントなども実施。小旅行も兼ねて行ってみて。

会期/2026年8月1日(土)~9月27日(日)
会場/MMoP(長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1)ほか、御代田町内各所
時間/10:00~17:00 ※屋内展示の入場は16:30まで
定休日/火曜 ※8月11日、9月22日は臨時営業
料金/¥1,500 ※会期中何度でも利用可、中高生・障害者手帳をお持ちの方は割引あり、小学生以下 無料、一部無料エリアあり

ローブ・ア・ラ・フランセーズ フランス製 1760年代(1770年代に加工) 絹、光沢をつけた麻 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 ©Victoria and Albert Museum, London

マリー・アントワネット・スタイル/横浜美術館

元祖ファッショニスタ、マリー・アントワネットのスタイルと、彼女が与えたインパクトを知る

歴史上もっともファッショナブルなアイコンとして知られるマリー・アントワネットの、革新性と人物像に迫る展覧会が横浜美術館でスタート。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が企画した世界巡回展で、横浜美術館はそのスタート地にして国内唯一の会場となる。

場内を彩るのは、ドレスにジュエリー、家具、絵画や写真など、彼女にまつわる約200点にもおよぶ貴重な作品群(処刑に使われたとされるギロチンの刃も登場!)。宮廷を彩ったロココ様式のファッションから、2025年のオートクチュールにいたるまで、およそ250年にわたる美意識の変遷を体系的に辿りながら、王妃が打ち立てた独自のスタイルが、時代を超えて現代のクリエーションにいかに影響し続けているかを紐解いていく。

漫画『ベルサイユのばら』とのコラボレーションも実現。そのほか豊富なコラボグッズや関連イベントもお見逃しなく。

会期/2026年8月1日(土)~11月23日(月・祝)
会場/横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
時間/10:00~18:00 ※11月21日、22日は20:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/木曜日 ※8月13日、9月24日、11月19日は開館
料金/一般 ¥2,500、大学生 ¥1,600、中高生 ¥1,000、小学生以下 無料

Hearst Owned

方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–/21_21 DESIGN SIGHT

13世紀の文人の住まいを通じて向き合う、現代の暮らしと生き方

災害や飢饉など、世の無常を経験する人間の生き方を記した鎌倉時代の随筆『方丈記』で知られる鴨長明。彼が暮らした、日本の狭小住居の原型ともされる一丈四方(約9平方メートル)の移動式住居「方丈庵」をもとに、現代の暮らしと構築環境を見つめ直す展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTで8月より開催される。

ディレクターには、建築デザインのエコロジカルな転回を推進する建築家・塚本由晴を起用。建築家、デザイナー、画家など多彩な分野からの参加者がそれぞれの方丈庵を構想し、素材や構造、道具を介し、産業や制度に依存している現代人の生活様式や生き方を問い直す仕掛けを展開する。

会場では、『方丈記』に描かれた自然や暮らしについてのリサーチとともに、複数の庵が立ち並ぶ。来場者は会場を巡りながらそれぞれの方丈庵と出合い、自身の生や暮らしに向き合うことになる。

会期/2026年8月28日(金)~2027年1月11日(月・祝)
会場/21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(東京都港区赤坂9-7-6)
時間/10:00〜19:00 ※六本木アートナイト特別開館時間:10月31日(土)~22:00、最終入場は閉館30分前まで
休館日/火曜日 ※ただし9月22日、11月3日は開館、11月21日(土)~23日(月・祝)、12月27日(日)~1月3日(日)、展示替え期間
料金/一般 ¥1,700、大学生 ¥800、高校生 ¥500、中学生以下 無料

《流し描鉢》河井寬次郎 昭和6年(1931)頃 静嘉堂文庫美術館蔵

民藝SHOCK!!―没後60年 静嘉堂の河井寬次郎/静嘉堂文庫美術館

民藝運動の中心メンバー、河井寛次郎の作品が一挙大公開

大正から昭和にかけて活躍し、柳宗悦や濱田庄司らとともに「民藝(民衆的工藝)」というワードを生み出した、陶芸家の河井寬次郎。その軌跡を追う展覧会が、静嘉堂文庫美術館で8月より始まる。同館所蔵の河井作品全51件が初めて一度に公開される(うち初公開は2件、25年ぶりが49件!)、民藝好きなら外せないイベントだ。

本展では主に、河井が「用の美」を意識し、暮らしに溶け込むような器の制作に挑んだキャリア中期にフォーカス。英国のスリップウェアに影響を受けて作った「流し薬」や「流し描」のほか、染付、青磁といった多彩な技法による名品をたっぷり公開するほか、彼の創作のヒントとなったとされる東洋陶磁の名品も一緒に展示され、そのインスピレーションについても多角的に探る。

そして最大の目玉は、国宝の茶碗『曜変天目(稲葉天目)』と河井作品との初競演。両者を比較しながら、河井が培った緻密な釉薬研究の成果や、クラフトへの情熱を感じ取ろう。

会期/2026年9月5日(土)~11月8日(日) ※会期中一部展示替えあり
会場/静嘉堂文庫美術館(東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F)
時間/10:00~17:00 ※9月23日(水・祝)、10月28日(水)は20:00まで、11月6日(金)、11月7日(土)は19:00まで開館、入館は閉館の60分前まで
休館日/月曜日(ただし9月21日、10月12日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)
料金/一般 ¥1,500、大高生 ¥1,000、中学生以下 無料

© Tokyo Gendai

Tokyo Gendai/パシフィコ横浜

日本最大級のアートフェアで、現代美術の最先端を感じ取る

9月には、世界の優れた現代アートが一堂に会する日本最大級の国際アートフェア「Tokyo Gendai」が今年もカムバック。日本のアートシーンと世界のアートコミュニティを繋ぐプラットフォームとして機能するこのフェアは、最先端のアートを発見&購入できるイベントとして注目度を高めている。

第4回となる今回も、老舗から新進気鋭まで国内外の多彩なギャラリーがパシフィコ横浜に集結。幅広い作品が5つのセクターに分かれて展開され、定番の絵画や彫刻のほか、写真や版画など紙を媒体とする作品に特化した新セクター「Miki」や、2年ぶりに復活するデジタルメディアに焦点を当てた「Tane」など、現代の多様なアート表現を広く紹介する。

さらに、ギャラリーの枠を超えた特設展示やトークイベント、大規模インスタレーションなどのパブリックプログラムも併催されるため、現代アートの世界的な潮流の最前線を体感できるのも嬉しい。気になった若手アーティスト作品の青田買いも◎。

会期/ヴェルニサージュ(内覧会):2026年9月10日(木)、一般公開:11日(金)~13日(日)
会場/パシフィコ横浜 展示ホールC/D(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
時間/ヴェルニサージュ 9月10日:17:00~20:00、一般 9月11日:12:00~20:00、9月12日:11:00~18:00、9月13日:11:00~17:00
料金/ヴェルニサージュ ¥30,000、一般前売り ¥4,000、一般通常 ¥5,000、大学生 ¥1,500、中高生 ¥1,000、小学生以下 無料

Hearst Owned

下呂 Art Discovery 2026/岐阜県下呂市内各所

日本有数の温泉地で始まる新たなアートの祭典で、五感を満たす

“森と温泉、街道と廃校がつくる、日本最深部の国際芸術祭”をコンセプトとするアートの祭典が、岐阜県下呂市を舞台にこのたび初開催。2024年秋の『南飛騨 Art Discovery』の成功を受け、北川フラムを総合ディレクターに迎えていよいよ本格始動することとなった。14の国と地域から59組のアーティストが参加し、この土地の歴史や風土に根ざしたサイトスペシフィックな作品を展開する。

特徴は、下呂の多面的な魅力を体感できる個性豊かな4つの会場構成――活気あふれる下呂温泉街、宿場町の風情を残す萩原商店街、豊かな自然が広がる南飛騨健康増進センター、木造校舎を活用したアートプロジェクト『みんなの学校』が展開される、総ヒノキ造りの旧湯屋小学校――だ。なかでも旧湯屋小学校は要注目スポットで、公募で集まった中高生や作家の展示に加え、池澤夏樹や小林エリカら多彩な講師陣による“授業”、運動会に卒業式など“全校行事”も行われ、2カ月間だけの夢の学校が開校する。

温泉や豊かな自然といった地域資源に、アート、独自の食文化プロジェクトを融合させた、心身・五感を開放し、地域と自分自身を発見する特別な機会をお見逃しなく。日帰りのオフィシャルツアー(別料金)に申し込んで、快適に巡るのもおすすめだ。

会期/2026年9月11日(金)~11月8日(日)
会場/南飛騨健康増進センター、旧湯屋小学校、萩原商店街、下呂温泉街など下呂市内各所
休場日/祝日を除く火曜日
料金/一般 前売り ¥2,000、当日 ¥2,500、高校生以下 無料

Hearst Owned

第一回 前橋国際芸術祭2026/群馬県・前橋市各所

まちなかを舞台とした国際アートフェスティバルが、前橋市で初開催

前橋市では、再開発の起点となっているまちづくりビジョン「めぶく。」をテーマに、2年に1度のビエンナーレ形式で国際芸術祭が9月より初開催される。現代アートだけでなく、建築や音楽、演劇、詩、食にいたるまで多種多様な表現が交差するのがポイントだ。

「アーツ前橋」や「白井屋ホテル」といった著名スポットをメイン会場に、商店街の路地や空きビル、公共空間といった前橋の日常風景そのものが舞台となり、街全体を歩いて巡りながら楽しめる構造が採用されている。

参加する面々もバラエティ豊かで、マルタン・マルジェラや川俣正、蜷川実花と彼女が率いるクリエイティブチームEiM、ジム・オルーク、最果タヒ、藤田貴大など国内外から多彩な顔ぶれが揃い踏み。近年独自の民間主導再開発で注目を浴びる前橋の街並みとアートが響き合い、未来に向けた新たな感性を芽吹かせる試みが行われる。展示やパフォーマンスのほか、ワークショップやオフィシャルツアー、マーケットなども開催。土日や連休を使って滞在し、丸ごと楽しむのがおすすめ。

会期/2026年9月19日(土)~12月20日(日)
会場/アーツ前橋、まえばしガレリア、⽩井屋ホテル、前橋市中⼼市街地エリア
料金/パスポートチケット 一般 ¥3,000、学生 ¥2,000、中学生以下 無料
※めぶくPayをご利用の前橋市⺠には、後⽇めぶくポイント1000ptを還元

Hearst Owned

MEET YOUR ART FESTIVAL 2026/東京都・天王洲エリア

アートを中心にさまざまな最先端カルチャーが交わり合う、都市型イベント

アートを軸に、音楽、食、ファッションなどが交差する東京発の領域横断型イベント『MEET YOUR ART FESTIVAL』が、2026年で5周年を迎える。今回はスケールをさらに拡大し、150組以上のアーティストや、さまざまなジャンルのクリエイター&ショップが天王洲運河一帯に4日間大集合。

俳優の森山未來がアーティスティック・ディレクターを務めるアートエキシビションや、次世代の若手から大御所まで多くの作家が出展する2つの大型アートフェア、船上スペースでのライブパフォーマンス、さまざまなゲストが登壇するトークセッション、80以上のショップが集うマーケットなどが催される。特に、アートエキシビション内で行われる森山未來ディレクションのパフォーマンスプログラムや、濱本奏、ブライアン・ハミルら写真家の作品は必見だ。

アートシーンや表現の動向とともに、東京らしいカルチャーにも一日中たっぷりとふれられるので、芸術の秋のおでかけ候補としてぜひ覚えておいて。

会期/2026年10月9日(金)~12日(月・祝)
会場/東京都・天王洲エリア(寺田倉庫G1-5F、B&C HALL、D HALL、T-LOTUS M、WHAT CAFE、ボードウォーク、ボンドストリート)
時間/9日:16:00~21:30(9日はマーケット&ライブのみの開催、アートエリアは終日内覧会)
10・11日:11:00~20:00
12日:11:00~18:00
料金/早割り(9月8日までの購入):一般 ¥2,000、学生 ¥1,000
前売り(9月9日以降の購入):一般 ¥2,500、学生 ¥1,500
当日:一般 ¥3,000、学生 ¥2,000
中学生以下 無料

Hearst Owned

ARTE TOKYO/都内各地

新たな都市型ビッグアートイベントが、東京都内で産声をあげる

この秋新たに誕生する『ARTE TOKYO(アルテ・トーキョー)』は、東京都が主催する、東京を舞台にした都市型の大型文化芸術祭。アートに演劇、音楽、イルミネーションなど、街なかに点在する多彩なプログラムを融合させ、都市全体の魅力を高める祭典だ。

記念すべき第1回は、「臨海」「日比谷・丸の内」「代々木・渋谷」という異なる個性を持つ3つのコアエリアを中心に展開。公共空間や公園、水辺などを舞台に、東京2020大会の文化プログラムのリバイバルを含めた数々のパブリックアートやパフォーマンスが出現し、大巻伸嗣や目[mé]、永山祐子らによるプログラム、噴水演出『東京アクアシンフォニー』や、草間彌生の作品などが出展される国際美術展『TOKYO ATLAS』、イルミネーションなどが各エリアを彩る。

日常の都市風景にアートが溶け込み、新たな発見と感動、相乗効果を生み出す、これまでにない大規模なカルチャーイベントをお楽しみに。秋冬のお出かけにもぴったり。

会期/2026年10月10日(土)~12月31日(木)
コアエリア/臨海エリア、日比谷・丸の内エリア、代々木・渋谷エリア
料金/プログラムにより異なる、公式サイト参照

『はらぺこあおむし』(1987年Philomel Books版)表紙最終原画 1987年、エリック・カール絵本美術館 Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation © 1969, 1987 Penguin Random House LLC.

エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし/福岡県立美術館

レジェンド絵本作家の回顧展で、その優しいハートに接する

最も有名な絵本のひとつで、世界中で愛され続けている『はらぺこあおむし』。その日本語版の誕生50周年を記念して、作者エリック・カールの回顧展が、東京展ののち福岡県立美術館にやってくる。

『はらぺこあおむし』(1969)や『パパ、お月さまとって!』(1986)、『10このちいさなおもちゃのあひる』(2005)など27冊の絵本の原画に加え、グラフィックデザイナー時代の作品、アイデアの最初の構想段階で作られるダミーブック、コラージュに使用する素材など、約180点の資料を展示。原画の色鮮やかさ、デザイナーとしての造本の工夫、そして絵本に込めた子どもたちへの優しいまなざしを、改めて知る絶好の機会になるはず。

2027年春には大阪のあべのハルカス美術館に巡回予定。

会期/2026年10月23日(金)~12月20日(日)
会場/福岡県立美術館 3階展示室(福岡市中央区天神5-2-1)
休館日/月曜日 ※11月23日(月・祝)は開館、翌11月24日(火)は休館
時間/10:00~18:00 ※最終入場17:30
料金/一般 ¥2,000、大学生・専門学校生 ¥1,500、中高生 ¥1,000、4歳~小学生 ¥600


Hearst Owned

第78回 正倉院展/奈良国立博物館

開催80年目! 平城京の時代から継承されてきた、貴重な宝物の数々を心に刻んで

奈良の秋の風物詩であり、約1300年もの年月を超えて守り伝えられた珠玉の宝物を実見できる展覧会が、今年もやってくる。昭和21年の第1回から数えて80年目を迎える今回は、全60件(そのうち初出陳は11件)の宝物が奈良国立博物館にずらりと並ぶ。

その内容は、聖武天皇の遺愛品とされる漆塗りの水差しや、見事な保存状態のガラスの水差し、鏡、楽舞用の面、経巻、敷物、龍と伝えられていたニホンテンのミイラなど、実にバラエティ豊か。朝鮮半島や唐、西アジア、ペルシアに由来するものもあり、国際色豊かだった当時の平城京に思いをはせながらじっくりと鑑賞しておこう。当時の人々の暮らしぶりを伝える歴史的資料も展示される。

勅封(宝庫の開扉に天皇の許可を要する)という厳格な制度のもと守り抜かれてきた世界的な文化遺産を通じて、奈良時代を生きた人々の息づかいや美意識を間近で追体験できる、極めてレアな機会だ。日時指定券も販売予定。

会期/2026年10月24日(土)~11月9日(月) ※会期中無休
会場/奈良国立博物館 東西新館(奈良県奈良市登大路町50)
時間/8:00~18:00 ※金・土・日曜、祝日は20:00まで、入館は閉館の60分前まで
料金/未定 ※8月下旬に発表予定

Hearst Owned

ジュエリーは、誰を夢みる/京都国立近代美術館

自己表現としてのコンテンポラリージュエリーを、改めて見つめ直す

素材や価格、着用する人の年齢など、従来の価値観にとらわれず、自己表現やアイデンティティを模索するアプローチとして発展してきた「コンテンポラリージュエリー」。戦後の日本におけるジュエリー表現の黎明期から、現代の作家たちによるコンセプチュアルな試みまで、その歩みを辿り可能性を問い直す展覧会が、京都国立近代美術館で10月より始まる。

会場には、専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジの大規模なコレクションを中心に、約50年ぶりにドイツから来日する貴重な作品や現代作家の新作まで、約350件が結集。チョコレートの紙箱で作られた金塊風ブローチや、故人の指輪をアクリルに閉じ込めたバッグ形の作品、顔を“改変”するジュエリーなど、着用者と見る者の関係性や記憶に働きかける、ユニークでインスピレーションに満ちた作品が勢揃いする。

2027年3月からは島根県立石見美術館、7月からは山梨県立美術館に巡回予定。

会期/2026年10月24日(土)~2027年1月17日(日)
会場/京都国立近代美術館 3階企画展示室(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)
時間/10:00〜18:00 ※金曜日は20:00まで、最終入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日 ※ただし11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館、翌火曜日は休館、年末年始(12月29日(火)〜1月3日(日))
料金/未定

J.M.W. ターナー《グリゾン州の雪崩》 1810年展示 テート美術館 Photo: Tate

テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話/国立西洋美術館

“光の画家”ターナーの傑作80点だけでなく、現代美術との対話も楽しめる

「英国絵画史上、最も偉大な風景画家のひとり」とされるJ.M.W. ターナーの魅力を、多角的に紹介する大回顧展。世界最大のターナー・コレクションを誇るロンドンのテート美術館から、厳選された油彩画や水彩画など80点以上が並ぶ。

光や大気、荒れ狂う海といった自然の崇高さを追究したターナーの画業を辿るだけでなく、現代アートと併置して「対話」させる先駆的な展示構成も見もの。ひとつの氷河の20年間の変化を捉えたオラファー・エリアソンの写真シリーズや、マーク・ロスコの抽象絵画などが展示され、ターナーがかつて提示した問題意識が、現代作家たちの関心や気候変動といった今日の課題とも深く共鳴し合う様子を、7章構成で浮き彫りにする。

暗闇が視覚を研ぎ澄ますと考え、画廊に薄暗い前室を用意したというターナーにならった「暗い部屋」から始まる演出など、没入感のある鑑賞体験を満喫したい。2027年3月からは、大阪中之島美術館に巡回予定。

会期/2026年10月24日(土)~2027年2月21日(日)
会場/国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
時間/9:30〜17:30 ※金・土曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日、11月24日(火)、12月28日(月)~2027年1月1日(金・祝)、1月12日(火)
※ただし、11月23日(月・祝)、2027年1月11日(月・祝)は開館
※2027年1月12日(火)~2月21日(日)は国立西洋美術館 常設展は閉室
料金/一般 ¥2,400、大学生 ¥1,500、高校生 ¥1,100、中学生以下 無料

森 万里子《Wave UFO》 1999-2002年 展示風景:「森万里子:Wave UFO」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2003年 撮影:リチャード・リーロイド

森万里子:燦燦/森美術館

体験型作品も! 24年ぶりの大規模個展で目撃する、テクノロジーと精神世界の融合

1990年代半ば、CG技術を先駆的に用いたSFタッチの『サイボーグ』シリーズで時代の寵児となったアーティスト、森万里子。彼女の大規模個展が、国内では24年ぶりに森美術館でこの秋スタートする。

30年以上におよぶ革新的な活動の道のりを約40点の作品で振り返る本展では、タイトルが示す「光」を軸に、最先端テクノロジーと精神性を融合させた作品群が展開される。

ハイライトはやはり、初期のポップな都市型パフォーマンスから、より哲学的で壮大な宇宙観・死生観へと迫ってゆく表現の変遷を総覧できる点。写真や映像作品から、東大宇宙線研究所の観測データと連動して光る代表作『トムナフーリ』、観賞者の脳波を映像化する大型インスタレーション『Wave UFO』(写真 ※鑑賞は事前申し込みおよび別途料金が必要)など、テクノロジーを駆使した作品も並ぶ。

会期/2026年10月31日(土)~2027年3月28日(日) ※日時指定予約制
会場/森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
時間/10:00〜22:00 ※火曜日のみ17:00まで、ただし11月3日(火・祝)は18:00まで、2月23日(火・祝)は22:00まで、入館は閉館30分前まで
休館日/会期中無休
料金/平日:一般 ¥2,800、65歳以上 ¥2,400、高大生 ¥1,700、中学生以下 無料
土日祝:一般 ¥3,000、65歳以上 ¥2,600、高大生 ¥1,800、中学生以下 無料

2025年 ACK 会場風景 Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki

Art Collaboration Kyoto/国立京都国際会館

秋の京都で出逢う、現代アートのケミストリーの多重奏

「ACK」の名で親しまれている「Art Collaboration Kyoto」は、その名のとおりコラボレーションをコンセプトに掲げる、日本最大クラスの現代アートの国際的フェア。日本のギャラリーが海外のギャラリーをゲストに迎え、ひとつのブースを共有して出展する独自のスタイルが、最大の特徴にして魅力だ。

6度目の開催となる今回は、世界の18の国と地域から総勢63ギャラリーが国立京都国際会館に大集結。著名メガギャラリーも複数参加し、世界水準の現代アートがたっぷりと展示・販売される。なお、今年から7名の専門家による共同ディレクション体制へと移行したほか、これまでのような単一のテーマを設けず各プログラムの特色をより重視した枠組みに変えるなど、新たな試みもいくつか取り入れるそう。トークセッションやキッズプログラムなども実施。

アートの玄人も初心者も楽しめる、世界的な評価も高いフェアなので、現代美術に興味がある人はぜひ足を運んでみよう。

会期/2026年11月7日(土)~9日(月)
会場/国立京都国際会館(京都府京都市左京区岩倉大鷺町422)
料金/未定

ジャン=フランソワ・ミレー《落穂拾い》1857年 オルセー美術館 © Musée d'Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt / distributed by AMF

オルセー美術館展所蔵 いまを生きる歓び/東京都美術館

ミレー、ファン・ゴッホ、ゴーガンにルノワールまで、オルセーが誇る巨星たちの作品が一堂に

東京都美術館では、同館の開館100周年とオルセー美術館の開館40周年を記念し、オルセー選りすぐりの至宝が集う大規模な展覧会が11月に控えている。産業や技術の発展によって社会が激変した19世紀後半、身近な「いま」にまなざしを向け、日常のささやかな幸せをすくい上げた作家たちの歩みに焦点を当てるものだ。

フランスを拠点に国際的に活躍するセノグラファーのセシル・ドゥゴが手がける会場内には、オルセー美術館のコレクションから厳選された絵画、彫刻、装飾美術、写真など約110点がお目見え。最大の注目は、23年ぶりの来日となるミレーの傑作『落穂拾い』や、16年ぶりとなるファン・ゴッホの『星月夜』、ゴーガンの『アレアレア』が一堂に会する点だ。7つのテーマのもと、ドガやルノワール、モネの絵画、エミール・ガレのガラス工芸などもお披露目される。

さらに会期中には、ミレーの絵画から着想を得たアニエス・ヴァルダ監督のドキュメンタリー映画『落穂拾い』などの関連名作を限定上映する「いまを生きる歓びシネマウィーク」も開催。芸術の秋を存分に満喫できる機会を提供する。

会期/2026年11月14日(土)~2027年3月28日(日)
会場/東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
時間/9:30~17:30 ※金曜日は20:00まで、入室は閉室30分前まで
休室日/月曜日、11月24日(火)、12月22日(火)~2027年1月3日(日)、1月12日(火)、3月23日(火) ※ただし11月23日(月・祝)、1月4日(月)、1月11日(月・祝)、3月22日(月・祝)は開室
料金/一般 ¥2,400、大学・専門学校生 ¥1,300、65歳以上 ¥1,600

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ