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中条あやみさんとめぐるアートの旅【vol.3 話題の展覧会を鑑賞! 「美術館」のお仕事を知る】

  • 2026.8.18
作品《マス》2016-2017年 ビクトリア国立美術館蔵(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈 展示風景:「ロン・ミュエク」展森美術館(東京)2026年〈中条さん〉シャツ¥275,000 スカート¥530,200(2点共アライア/リシュモン ジャパン アライア) MANABU MIZUTA[NOSTY]

街づくり企業の文化事業ライフスタイルになる美術館

あやみさん:森美術館は六本木ヒルズにあって、夜遅く22時(平日火曜は17時)まで開いているので、仕事帰りにも足を運びやすいですね。

椿さん:当館は現代性と国際性、中でもアジア太平洋地域のハブの美術館になることをミッションとしているのですが、東京近郊で働く人が気軽に来られる場であるということも大切にしています。この森美術館を作った森ビル元会長の森稔と当館初代理事長の森佳子は、街には文化が必須だと考えていました。最上層の53階にあえて美術館を設けたのも、ここから文化が街へ広がるという意味が込められているんですよ。

あやみさん:今回の「ロン・ミュエク」展も面白かったです。通常、展覧会は準備にどれくらいかかるものなんですか。

椿さん:私が近年担当したルイーズ・ブルジョワの個展は、2年半ほどでした。物故作家ということもあり、遺志を継ぐ財団に働きかけ、議論を重ねて。六本木ヒルズには彼女の彫刻《ママン》が恒久展示されてますし、いつかは取り上げるべき作家だったんですが、その98年の人生は女性のエンパワーメントの意味でも意義深く、コロナ禍から復活するタイミングの会期もちょうどよかったと思います。

あやみさん:時期も大事なんですね。時代を先読みするって、株の投資みたい。アートには流行の波もありますよね。

椿さん:ありますね。ただ面白いのは、例えば伊藤若冲のように死後に発掘されて人気が出る作家がいたり、デジタル全盛時代に手工芸が注目されたり、意外な展開もあること。また、作品の感じ方は各人の背景や経験、知識に委ねられますから、見る人が違えば見え方も違ってくる。現代に生きる私たちが面白いと思ったものが、先々に残るかどうかも実はわかりません。そんな価値づけのプロセスに誰でも参加できることは、現代美術ならではの魅力だと思います。

あやみさん:なるほど! では、キュレーターとしてのやりがいは何ですか?

椿さん:自分が面白いと思うものを見せて、「いいね」と言ってもらえることですね。企画展で紹介した新人作家がそれを機に成長し、他からも声がかかって活躍…なんて聞くと、嬉しいです。

あやみさん:キュレーターという職業は、アートを陰で支えるプロフェッショナルですね。私がアートにハマったきっかけはニキ・ド・サンファルで、その圧倒的なエネルギーに衝撃を受けました。創作の元にある感情や、作品に込められた哲学がわかるものが好きなんですが、椿さんおすすめの展覧会、ありますか?

椿さん:虎ノ門ヒルズのTOKYO NODEで準備中のトニー・アウスラーの個展も、きっと楽しんでもらえるかと。実際に体験しにいらしてください。

あやみさん:面白そう! ぜひ伺います!

《エンジェル》1997年 個人蔵 展示風景:「ロン・ミュエク」展森美術館(東京)2026年 MANABU MIZUTA[NOSTY]

「ロン・ミュエク」展にて。カルティエ現代美術財団との共催で、ミュエク作品全49点のうち11点が東京に集結。初期作《エンジェル》は先のパリやミラノ、ソウルでの巡回展にはなく、森美術館が独自に展示を実現。

《チキン/マン》2019年 クライストチャーチ・アートギャラリー/テ・プナ・オ・ワイウェトゥ蔵(ニュージーランド)展示風景:「ロン・ミュエク」展森美術館(東京)2026年 MANABU MIZUTA[NOSTY]

椿さんの案内で、リアルな造形と非現実的なサイズの妙を楽しむあやみさん。

今月のナビゲーターは…
椿 玲子さん

MANABU MIZUTA[NOSTY]
MANABU MIZUTA[NOSTY]

森美術館キュレーター、TOKYO NODE兼務。京都大学大学院およびパリ第1大学修士修了。2002年より森美術館に。レアンドロ・エルリッヒ、ルイーズ・ブルジョワなどの展覧会を企画。TOKYO NODEで「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」展(7月3日~9月27日)を準備中。アートグッズも充実です。

今月のAYAMI’S LOVE

あつらえた単衣のきもので、披露茶会へ

Hearst Owned

「茶道の先生の正教授披露茶会に合わせ、欲しかったマスタードイエローのきものを、虎ノ門にある1798年創業の老舗『丁子屋』さんで仕立てました。社中の皆さまと長次郎の黒樂茶碗でお点前をいただく、大変貴重な機会となりました」

中条あやみさん
PROFILE
1997年2月4日生まれ、大阪府出身。モデル・俳優。映画・ドラマ・雑誌・CMを中心に幅広く活動中。TBS系ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』や映画『あまろっく』などの話題作に出演し、フォトエッセイ『明日へのことば』(幻冬舎)を昨年発売。TBS系金曜ドラマ『田鎖ブラザーズ』に出演。最新作は映画『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』が8月21日に公開予定。

「ロン・ミュエク」展 〜9月23日(水)
会期中無休
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53F)

Photos:MANABU MIZUTA[NOSTY]
Hair&Make-up:KEITA IIJIMA[mod's hair]
Styling:ERIKO MORISO
Text:MAYUMI YAWATAYA
Model:AYAMI NAKAJO
25ans(ヴァンサンカン)8月号掲載(2026年6月26日発売)

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