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溢れ出る創作の動きに、軽やかに寄り添う。画家、アーティスト・下田昌克と椅子

  • 2026.6.25

インスピレーションの源となったり、長時間の作業を支えたり。豊かな表現が生まれる現場には、必ずクリエイターが信頼を寄せる椅子がある。画家、アーティスト・下田昌克さんの自宅を訪ね、日々腰をかける一脚について話を聞いた。

photo: Satoko Imazu / text: Asuka Ochi / edit: Emi Fukushima

画家・下田昌克
BRUTUS

溢れ出る創作の動きに、軽やかに寄り添う

絵を描くのに必要な画材や資料に囲まれ、手狭な机の片隅でスケッチをする画家の下田昌克さん。椅子に浅く腰かけ、前のめりで紙に向かう姿が、いかにもその人らしい。

「整理整頓された丁寧な暮らしに憧れますが、作ることに没頭していると、すぐにこうなっちゃうんですよね。この椅子は、知人が使っているのを見ていいなぁと思って。いろいろ調べて買ったのではなく、衝動買いです(笑)」

日々の制作を支えるのは、近所のインテリアショップで見つけた、アルネ・ヤコブセンのヴィンテージの《セブンチェア》。アームがなく、横を向いてものを取る時に、動きを妨げないのも良いという。

「軽くて動かしやすく、すぐに立ち上がったり、腰かけたりできる。脚が細くて、何かが引っ掛かったりする心配もなくて。体にフィットして姿勢よくきちんと座ることができる椅子よりも、使い方を限定せず、上に乗ってあぐらをかくなど、自由に使えるものの方が自分に合っているのかなと思います」

画家・下田昌克
普段は《セブンチェア》にバッグなどを掛けて使用。左は岡本太郎の《サイコロ椅子》。目まいがするような幾何学模様に惹かれ購入。

今欲しい椅子を尋ねると、パウロ・メンデス・ダ・ロシャのアームチェアと答えが返ってきた。

「体を包み込む、ハンモックのような座り心地に憧れますね。でも、そこでゆったりと本を読んだりして過ごしている自分が、どうしても想像できなくて。結局、こぢんまりとした忙しい椅子ばかりたくさん集まってきちゃうんだよね」


profile

下田昌克(画家、アーティスト)

しもだ・まさかつ/1967年生まれ。94年から海外を旅し、出会った人々を描く。帰国後、イラスト、絵本、布の作品を制作。近著に絵本『死んだかいぞく』(ポプラ社)など。

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