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成宮寛貴「やりたいことをしている時間が幸せ」“強く生きるために必要なこと”とは?復帰後初映画『藁にもすがる獣たち』インタビュー

  • 2026.9.18

2025年に復帰作となった『死ぬほど愛して』がABEMAオリジナルドラマ史上最高の総視聴数を獲得。2026年は宮本亞門さんが演出を手掛けた舞台『サド侯爵夫人』で主演を務めるなど、今後の俳優活動への期待が高まる成宮寛貴さん。復帰後初の映画出演となる『藁にもすがる獣たち』では、生活安全課の不良警官・江波戸良介を演じている。

映画『藁にもすがる獣たち』で不良警官を演じた成宮寛貴さん 撮影=三橋優美子
映画『藁にもすがる獣たち』で不良警官を演じた成宮寛貴さん 撮影=三橋優美子

インタビューでは、敵役を演じた青木マッチョさんとのアクションシーン撮影秘話や演じた役柄、さらに最近おすすめのドラマについて語ってくれた。

裏社会とつながりを持つ不良警官役「40代になったらこういうヤンチャな役にトライしてみたいと思っていた」

――本作の台本を最初に読まれたときの感想を教えていただけますか?

【成宮寛貴】お話をいただいてから韓国版の『藁にもすがる獣たち』を拝見して、原作も読んでいたので、本作の台本をいただく前はドロドロ系でグロい要素のある作品になるのかなと想像していたんです。そのあと、出来上がった台本を読んだらかなりポップに仕上がっていたのと、原作よりもスピード感のある作品になっていたので、ものすごく驚きました。

――裏社会とつながりを持つ生活安全課の警官・江波戸良介を、どのような人物と捉えて演じられたのでしょうか?

【成宮寛貴】台本を読んだときは、危険を察知する感覚が鋭くて、どこか目先の言葉だけで動いている人、という印象を受けました。そこに少しワイルドな感じを自分なりに足して、ヤンチャな大人に見えたらいいなと思いながら演じていました。以前から40代になったらこういうヤンチャな役にトライしたいと思っていたので、今回いい機会をいただけてうれしかったですし、楽しみながら演じさせていただきました。

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

――岩松了さん演じるヤクザの親分・郷田と良介のやり取りを見ていると、良介のチャーミングな部分が垣間見えて、より魅力的な人物に感じました。岩松さんとの撮影はいかがでしたか?

【成宮寛貴】岩松さんとは2008年に放送されたドラマ『ハチミツとクローバー』で共演しているのですが、当時と変わらずすてきな俳優さんだなと、今回改めて思いました。本作は僕にとって久しぶりの映画出演になるので、現場に知っている方がいるだけで心強かったですし、郷田役が岩松さんでよかったと心から思いました。

【写真】生活安全課の警官・江波戸良介(成宮寛貴)とヤクザの親分・郷田(岩松了) (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
【写真】生活安全課の警官・江波戸良介(成宮寛貴)とヤクザの親分・郷田(岩松了) (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

――城定秀夫監督の演出で、特に印象に残っているエピソードを教えていただけますか。

【成宮寛貴】台本上では、終盤の良介がタバコを吸うシーンはなかったのですが、現場で監督やプロデューサーと打ち合わせをしていく中で、「何か一つ加えたいね」という話になったんです。そうしたら監督がすごくユニークなアイデアを仰ってくれて(笑)。お金に囚われて振り回されることが、どれだけ虚しくてバカバカしいことなのかを表現できたいいシーンになったなぁと、完成した本作を観て実感しました。

――良介がタバコを吸って“あるモノ”を拾うラストのシーン、めちゃくちゃ好きでした!

【成宮寛貴】ほんとですか!ありがとうございます。そのあと、良介が走り去っていくシーンがありますが、実は撮影中にぎっくり腰になってしまい、結構キツかったんです。でも、今みたいに「どこどこのシーンが好きでした」と言っていただくと、頑張ってよかったなと思えるのでうれしいです。重たいボストンバッグを抱えて走っている良介の姿を、ぜひ目に焼き付けていただきたいですね(笑)。

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

敵役・青木マッチョとのアクションシーン「クスッと笑えるぐらい、あえて良介の情けなさを意識しながら演じていました」

――ヤクザの組員から追いかけられるシーンの撮影は大変だったかと思います。なかでも閉館直後の丸の内TOEIで撮影された、青木マッチョさん演じるエリンギと良介が死闘を繰り広げるクライマックスシーンでは激しいアクションに挑戦されていました。このシーンの撮影で印象に残っていることをお聞かせいただけますか。

【成宮寛貴】歴史のある映画館をぶっ壊した中での撮影だったので、腰が痛いのも忘れるぐらい、気付けばテンションが上がっていました。良介がエリンギに座席3列分ぐらい投げ飛ばされるシーンがあるのですが、スタントの方ではなく、実際に僕が吹っ飛んでいるんです(笑)。

ヤクザの組員・エリンギ(青木マッチョ) (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
ヤクザの組員・エリンギ(青木マッチョ) (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

――そうだったんですか!ほかのアクションシーンもご自身で演じられたのでしょうか?

【成宮寛貴】スタントさんをあまり使わず、僕自身で演じることが多かったように思います。先ほど、撮影現場で撮った写真を見返してみたら足があざだらけになっていて驚きました(笑)。青木さんは元消防士でラグビーもやってらっしゃったので、加減しているつもりでも力が強いんです。

だからエリンギと対峙するシーンの撮影は気が抜けない(笑)。もちろん、カメラが回っていないときはとても穏やかで、昔から知っている後輩のようなかわいらしさもあったので、休憩時間は雑談をしながら一緒に過ごしていました。

(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

――カメラが回っているときと、そうでない時の落差が激しかったのですね(笑)。

【成宮寛貴】カメラに映っていないところで彼をくすぐったりしていました(笑)。青木さんと撮影していく中で“大変な撮影を一緒に乗り越えよう!”みたいな気持ちになって、不思議と仲間意識が芽生えていったんですよね。

たとえば、走行中の車内にいる良介を、エリンギが車の上からつかみ出そうとするシーンでは、お互いを支え合ってお芝居しなければいけなくて、どちらかの気が緩んだら怪我をしてしまう危険性があるんです。なので、しっかりと信頼関係を築きながらお芝居していましたし、敵役だけどかなり仲良くなれた気がします。

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

――アクションシーンの撮影では、どんなことを意識して演じられたのでしょうか?

【成宮寛貴】台本を読んだときに、エリンギとのアクションシーンの演じ方次第で作品の見え方が変わると思ったので、クランクイン前からかなり考えました。最初からポップで明るい作品というイメージがあったので、かっこよくなりすぎないように、なんならクスッと笑えるぐらい、あえて良介の情けなさを意識しながら演じていたところはありますね。

――アドリブを入れることもありましたか?

【成宮寛貴】エリンギと闘う中で、良介が彼に血の混ざったツバを吐くシーンはアドリブでした。何かを思いつくたびに、監督に「これをやってみたいんですけど、どう思いますか?」と相談して、OKが出たら試すようにしていました。

――良介という役を通して、新たに挑戦できたことがあれば教えていただけますか。

【成宮寛貴】現場で生まれたものを瞬時にキャッチしつつ、お芝居を楽しむことって忘れちゃいけないなと、今回改めて実感しました。あと、良介のような目が離せなくなるヤンチャな警官役は僕にとって新たなチャレンジだったので、すごくいい経験になりましたし、いつかまたこういう役を演じたいです。

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

成宮寛貴が最近おすすめのドラマを語る

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

――劇中で、森七菜さん演じるミステリアスな悪女・し〜ながMEGUMIさん演じる主婦の美奈に「弱いのはお金がないから」と話すシーンが印象的でした。成宮さんは強く生きていくためには何が一番必要だと思いますか?

【成宮寛貴】年齢を重ねていく中で、守るべきものができて、それを糧に生きることが強さになったりする人も多いと思います。僕は、今自由にやりたいことをしている時間がすごく幸せ。もしお金がたくさんあっても、やりたいことがなかったらキツいんじゃないかな。そう思いません?

――趣味でも仕事でも、何かやりたいことがあった方が人生楽しめますよね。

【成宮寛貴】そうそう。ただ、いつかやりたいことがなくなってしまったとき、自分はどうなってしまうんだろうか…?なんて思ったりもします。

――やりたいことがなくなったとしても、本作を観るとお金にだけは振り回されないようにしようと思えますよね。

【成宮寛貴】ほんと、お金に振り回されるのは危険ですね。もちろんお金によって救われることもあるけれど、だからといって必要以上にたくさん持っていても幸せになれるとは限らないですよね。でも、お金に振り回されている登場人物たちの姿はとっても人間らしくてチャーミングなので、楽しんでもらえたらうれしいです。

(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子

――話は変わりますが、2025年はドラマ『死ぬほど愛して』の殺人鬼役、そして今年は舞台『サド侯爵夫人』でも素晴らしいお芝居を見せてくださいました。久々に映画やドラマ、舞台の現場を経験されてみて、俳優として今どんなことを感じてらっしゃいますか?

【成宮寛貴】まずはこの状況に感謝しています。そして、今後は何をしたらやりたい仕事を獲得していけるのか、そういったことをすごく考えていて、ふとした瞬間に“生きているなぁ”って感じます。40代になると、本来だったらベテラン俳優の域に入ってくると思うのですが、自分の場合は“次はどうしよう?何しようかな?”ってドキドキしているし、毎日が新鮮です。

――そんな成宮さんが、最近ご覧になった映画やドラマで刺激を受けた作品があれば教えていただけますか。

【成宮寛貴】細木数子さんの半生を描いたNetflixのドラマ『地獄に堕ちるわよ』は、丁寧に作られていたので、日本のエンターテインメント界に期待が持てましたし、すごくおもしろくて引き込まれました。あと、『マインドフルに殺して』っていうドイツのドラマもおもしろかったのでおすすめです。

――『マインドフルに殺して』は初めて聞きました。どういった内容なのでしょうか?

【成宮寛貴】ストレスを抱えた弁護士が、マインドフルネス講座というのに参加してストレスの対処法を身につけていくのですが、なぜか人殺しをしてしまうというぶっ飛んだストーリー(笑)。主人公の行動はよくないけれど、不思議とどんどん魅力的に見えてきて、気づいたら好きになってしまうんです。お話がおもしろいのはもちろんですが、映像がかわいいので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

撮影=三橋優美子
撮影=三橋優美子
映画『藁にもすがる獣たち』メイン写真 (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
映画『藁にもすがる獣たち』メイン写真 (C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

取材・文=奥村百恵

◆スタイリスト:杉長知美

◆ヘアメイク:INOMATA(&’s management)

衣装=シャツ(2万9千700円)、パンツ(3万8千500円)/ VERYTAGE(Sakas PR TEL:03-6447-2762)、ネックレス(20万9千円)、右手薬指リング(6万500円) MARIHA(MARIHA TEL:03-6459-2572)

(C)曽根圭介/講談社 (C)2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

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