1. トップ
  2. いつもの薬がないことも熱中症リスクに「避難生活」の4つの対策 北海道でも震度7が起こる?

いつもの薬がないことも熱中症リスクに「避難生活」の4つの対策 北海道でも震度7が起こる?

  • 2026.9.6

熊本県で発生した震度7の猛暑下の直下型地震。

道内でも避難支援や交流自治体による救援が動く中、専門家は「活断層は道内全域にあり、同様の地震が起きるリスクがある」と警鐘を鳴らします。

避難生活で高まる熱中症リスクや災害関連死を防ぐために、夏に被災したとき、私たちは何を備えておくべきなのかを考えます。

【特集】“じぶんごと”防災

熊本で震度7を観測

7月28日、最大震度7の揺れを観測した熊本地震。
地震の規模を示すマグニチュードは7.1、震源の深さは16キロメートルと推定されています。

Sitakke
地震発生後の熊本城

地震発生時の熊本城では揺れの後、城の石垣が崩れました。
しばらくすると、城の周囲、複数の場所から土煙が立ち上ります。

そして、宇城市では火災も発生しました。

熊本地震による北海道への影響、また北海道でも大地震が起こるリスクや避難所での過ごし方について取材しました。

熊本の高校生「地元が心配」

Sitakke

熊本県から約1500キロ離れた、北海道上川地方の東川町。
7月28日に開幕した「写真甲子園」に、熊本県八代市から高校生が参加していました。

八代白百合学園高校・写真部の若狭奈央部長は「通知がきたので震度7って、すぐさま連絡を取ってみんな親とか全員無事で安心して泣きました」と話します。

若狭さんと部員2人、顧問は7月27日から道内入りしていました。

Sitakke
熊本・八代市

八代市では震度6強を観測、貨物列車が脱線し、車両も横転。
工場の煙突も折れて、落下しました。

地元の様子は気になりますが、明るさを武器に暗くなる気持ちを振り払って、写真に集中します。

写真部の吉永花音さんは「大丈夫かなと心配。交流会の前だったが、交流会どころじゃないよねって」とそのときの心境を明かします。

若狭部長は「みんな待っているのでそれに応えられるようにがんばって、いっぱい食べていっぱい写真を撮って全力でがんばりたい」と語ります。

地震で大変な地元からの声援を受け、八代市の高校生たちは優勝を目指しシャッターを切り続けます。

北海道のマチからも支援を検討

Sitakke
過去の交流の様子 提供:大空町

オホーツクの大空町は2002年、熊本県氷川町と友好都市になりました。

7月28日の地震で、氷川町は震度7を観測。
付近の高速道路では路面が隆起し、トラックが立ち往生しました。

Sitakke
熊本・八代市

大空町の松川一正町長は、「平成9年・10年(1997年・1998年)くらいから交流が始まって合併して大空町になっても交流が続いている。多くの町民も心配をされているのでは」と話します。

大空町と氷川町は毎年、中学生が互いのマチを行き来する交流事業を続けてきました。
大空町は、今回の地震を受けて救援物資の提供や、一時的に避難する人の受け入れなど、氷川町に対する支援を検討しています。

「今回と同じような地震のリスクは道内全域にある」

Sitakke
富良野 2004年

今回の地震のメカニズムについて、北大地震火山研究観測センターの髙橋浩晃教授は、熊本県内に延びる「活断層」によるものと推測しています。

髙橋教授は「熊本では10年前にも大きな地震があったんですが、今回の地震も10年前の地震も、いわゆる『活断層』が引き起こした地震であると考えています」と説明します。

活断層とは、将来も活動すると考えられている断層のこと。
この活断層に大きな力が加わり、ずれが生じるときの衝撃が揺れとして伝わるのが「地震」です。

活断層は北海道各地にも存在し、今回の地震と同様のメカニズムの地震は北海道でも起きる可能性があるとのこと。

Sitakke
幌延町

「道北や札幌を含めた道央圏もそうですし、函館や帯広にも活断層があることが知られているので、今回の熊本と同じような内陸での地震のリスクは道内の至るところ、全域にあると考えてもいい」

活断層が引き起こす内陸部の地震は、震度7クラスの非常に強い揺れを引き起こし、大きな被害を招くケースが多いと指摘します。

髙橋教授は「家屋の被害や断水、停電が市内全域で起こるなど、被害が出ることは想定しておいたほうがいい」と呼びかけます。

真夏と真冬の災害のリスク

Sitakke

北海道も決して他人事ではない活断層による地震。
道内全域に分布しており、札幌にも3つの活断層の存在が分かっているということです。

地図の赤いラインで示しているのが活断層になります。
これらの活断層が動いた場合、今回の熊本の地震のようにマグニチュード7クラス、そして最大震度7の揺れが発生する可能性が十分にあるとのことです。

また、北海道の場合は真冬で大災害が発生したときはより被害が大きくなると想定されています。
一方で、今回の熊本地震は真夏の最も暑い時期に発生しました。

真夏に災害が発生した場合、どのような点に注意が必要なのか、専門家に聞きました。

いかに災害関連死を防ぐか

Sitakke
資料

今回の熊本地震は日本で初めて「酷暑」の時期に起きた直下型の地震です。

日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授は「酷暑対策を入念にしたうえで、健康被害を生じさせないような避難生活の支援が必要」と指摘します。

災害時は特に普段よりも熱中症になるリスクが高まるため、一層の対策が必要だといいます。

「災害によるストレスを受けている状態では、交感神経が活性化してしまう。心拍数が速くなったり、汗をかきやすくなったり暑さも感じやすくなる。ふだんよりも多めに水を飲み、ふだんよりも多めにトイレに行けるようにしておくというのも災害が起きたときの対策」

10年前の熊本地震の際には、災害関連死で200人以上が死亡。
そのうちの9割が「基礎疾患」を持っている人でした。

Sitakke
資料

根本教授は、避難生活でも日常生活に近い環境を整えることが大切だと強調します。

「ふだんの健康の維持、この生活をそのまま進めることが大事。ふだんの生活の中で降圧剤や血糖値を下げる薬を飲んでいる人は、災害時に飲めなくなると元の疾患を悪くするだけでなく、熱中症が誘引されることも考えられる」

抵抗性が鈍ってくれば感染症や誤えん性肺炎のような災害関連死につながる疾患になりかねないのだといいます。

防ぐためには、ふだんの健康を維持すること、そのために特に常用薬を持ち歩くことも災害対策として重要です。

避難生活でできる4つの熱中症対策

Sitakke

いかにふだんの生活と変わらない対応が被災時でもできるか、ということが重要になりますが、誰にでも共通するのが熱中症対策です。

根本教授に避難生活でできる対策を聞きました。

・停電で電気が使えない場合や、エアコンがない避難所でも、例えば気温が下がる夜にしっかりと換気をして避難所の温度を適温に保つこと

・普段よりも多くの水分を飲んで、すぐ行ける場所に仮設のトイレを設置すること

・体温を下げるために、冷たいシャワーを浴びること

・冷たい水をバケツなどにためて足首まで浸かること

車中泊という選択肢もありますが、エコノミークラス症候群や一酸化炭素中毒のリスクがあるため、エアコンがあるからという理由で安易に選ばないように呼びかけていました。

改めて他の地域で起きていることを、いかに自分たちのこととして捉えることができるかということが重要になります。

【特集】“じぶんごと”防災

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年7月29日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ