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「将来はお母さんの面倒を…」北海道のマチで介護の現場をを支えるモンゴル人青年

  • 2026.5.10

北海道の人口約3000人のマチに介護現場を支えるモンゴル人の男性がいます。
地方の介護現場を支える外国人とその人材を支える町独自の仕組みに注目します。

モンゴル出身のスレンさん(24)は、北海道の剣淵町にある特別養護老人ホーム「剣淵ひらなみ荘」で2025年から働いています。

「楽しいですよって、日本語上手ですよって、いつも言っているよね」と入所者に言われるとスレンさんは「褒めてくれてうれしい。支えてもらっている」と答えます。

アニメをきっかけに、日本に憧れを抱いたスレンさん。
旭川市の福祉専門学校に2年間通い、日本語を学びながら介護福祉士の資格を取りました。

Sitakke

人手不足が加速する介護業界にとって外国人は、もはや業界を支える貴重な人材です。

スレンさんの同僚も「同じ日本人感覚で接している。同僚というよりは友だちという感じ」と頼りにしています。

井渕俊雄施設長は「びっくりするくらい日本語が上手で、冗談も言えるし、こちらの指示もすぐ通る。非常に助かっている。いないと困るような状況」と話します。

剣淵町には、マチをあげて外国人の介護人材を育成する取り組みがあります。

町が奨学金を支給して…

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その1つが奨学金制度です。留学生1人に対し、町が年間370万円を支給します。
留学生は、自己負担なしで学校に通う代わりに、卒業後には剣淵町で5年間働く、という仕組みです。

剣淵町総務課の長谷川奨課長補佐は「介護人材だけでなく一部の職は労働者が足りないことは承知している。(留学生には)このような制度を活用してもらって、事業所が長く力強く運営できれば」と説明します。

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休日のある日。

スレンさんがモンゴルを離れて4年目。日本での生活には慣れたものの、未だに苦労するのが、ごみの収集日だといいます。

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「どうしたらいいか分からない。プラスチックにするか、燃えるごみにするか…モンゴルでごみ処理場を見たがあるが、分別せずごみを埋める」

その日が何のごみの収集日なのか、忘れないようにカレンダーにメモをしています。

仕事に追われて、一息付きたい時に必ず訪れるという場所は昼に定食が食べられる飲食店。
スレンさんは、週に1度は訪れる常連客です。

店内で食事をするとコーヒーが無料で飲めるのですが…。

「明日早番だから、コーヒーやめておきます。飲んだら寝られなくなる」

そして向かったのは、閉店まで1時間を切ったスーパー。

「いま午後6時なので、ちょうどセールしていると思う。弁当とか半額じゃないかな」

さっそく店内を物色します。

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「これは20%引き、こういうのをよく狙っている」

大本命の弁当は…
残念ながら、この日は売切れていました。

暮らしの中で得た節約術。
ある目標が、スレンさんを後押ししています。

「将来は大学入り直して、自分の視野を広げてもっと勉強したい」

いつかはお母さんやおばあちゃんの面倒を

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辺りはまだうっすらと暗いあさ5時。早番のスレンさんは施設へと向かいます。

朝ごはんを見守った後は、おむつの交換に、入浴の付き添いと手際良くこなしていきます。

「顔を拭いて、手も拭いてあげてね」

前の日に入社したばかりの新入社員、インドネシア出身・スーリヤさん(23)の指導係も担っています。

あっという間に昼休憩の時間。
この日は、作り置きしていたピーマンの肉巻き弁当です。

言葉や文化の壁を越え、剣淵町で日々を重ねるスレンさん。
介護の道を歩む彼を支えているのは…

「モンゴルで介護は基本的には家族がするもの。ここで学んだことを活かしてお母さんやおばあちゃんの面倒を見てあげたい」

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剣淵町では毎年1度、町主催で外国人と住民との交流会を開いていて、困りごとなどのヒアリングも行っています。

町民から「外国人とこういうことをやった方がよいのではないか」という声が上がり、実行することになったという経緯があるそうです。
町全体が外国の皆さんを歓迎しているという雰囲気が作られています。

一方で、介護の現場の待遇についての議論はまた別に必要かなと思います。

長く居続けてもらうためにはコミュニティの仲間として受け入れられるか、そういう環境を作れるかというのが大事になってきます。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年4月13日)の情報に基づきます。

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