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クマと「命を懸けた攻防」をする植物とは? 秋の森で見つけた、植物たちの「戦略」

  • 2026.9.5

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」

札幌にある「滝野すずらん丘陵公園」の「滝野の森ゾーン」から、森の住人KENTAが、自然の魅力や楽しみ方を伝える連載です。

Sitakke

秋の森の楽しみ

夏が終わりました。北海道はお盆を過ぎると一気に季節が進み、朝晩も急に涼しく(寒く?)なります。
緑も濃くて生きものたちもにぎやかだった夏と比べると、葉っぱも色が変わり早いものは落葉も進み、生きものたちも少なくなる秋は少し寂しげに見えます。

ただ、そんな秋だからこその楽しみがあります。それは「実と種」。
今回は普段あまり目を向けない個性的な植物たちの「実や種」と子孫を残すための「戦略」のお話です。

命を懸けた攻防

「木の実」と聞いて浮かぶものってありますか?
多くの人が思い浮かべるのはこれではないでしょうか?

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みなさんご存じの「ドングリ」ですね。

ただ森の中には「ドングリ」という木はありません。北海道の森だと「ミズナラ」や「コナラ」という木の実のことを「ドングリ」と呼んでいます。(近所の公園だと「帽子」が大きな「アカナラ」もあります)

ご存じの方もいるかと思いますが、ドングリって毎年なるわけじゃないんです。
最近はクマのニュースの中で「今年はドングリが豊作です」とか「ドングリが少ないです」という話を聞くこともあるかと思いますが、ドングリは数年おきに「豊作」と「凶作」の年があります。

「豊作」の年は足の踏み場がないほど足元にドングリが転がり、「凶作」の年はどこを探しても見つかないほどなりません。

なぜこんなことになるのかというと、ドングリはクマを始めリスやネズミなど多くの動物たちの食料にもなります。たくさん作るとその分自分たちを食べる動物たちが増えすぎてしまい食べつくされてしまうので数を調整している、と言われています。

ドングリの豊凶の裏にはドングリと動物たちの命を懸けた攻防が行われているんです。ドングリが少ないとクマが街に出てきやすくなると言われているので、人にとっても重要な情報ですね。

化け物のような「実」?

秋の森には様々な植物たちの実や種を楽しむことができますが、実ができるということは当然花が咲いて受粉もされたということ。そして森の植物たちの中には花からは想像もできないような姿になるものも少なくありません。

森の中でも個人的に一番衝撃的なのがこちら。

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黒い目玉の化け物のようにも見えます。弾け始めたときはこんな感じ。

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人食い植物みたいです。

黒い部分に種があり、赤い部分は鳥に見つけてもらうためのものです。そしてこんなちょっとグロテスクな実の花がこちら。

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5月下旬ごろ、実の姿からは想像もつかない白くて可憐な花が咲きます。

この花の名前はヤマシャクヤク。「立てばシャクヤク」と褒められるほど美しい花ですが、秋になるとまったく印象が変わります。

赤いトウモロコシ

秋の森でもう一つ存在感を発揮しているのがこちら。

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勝手に赤いトウモロコシと呼んでいます。

そして花の様子がこちら。

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これはこれで個性的!
花の名前は「コウライテンナンショウ」。
以前は「マムシグサ」とも呼ばれていて、その名の通りヘビのような見た目をしています。

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2本並ぶとシンクロナイズドスイミングみたいですね。

羽をもつ「種」

秋の森でもう一つ存在感を出しているのがこれ。

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先の割れた部分から、歯のようなものが見えて怖い感じになっています。

これは「オオウバユリ」。この中にはセル上の種がたくさん入っていて、以前ボランティアさんが数えたら一つの玉(実)の中になんと600枚も入っていました!

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ヤマシャクヤクやコウライテンナンショウは目立つ色で鳥に種を食べて運んでもらいますが、オオウバユリは種の周りに「羽」をつけて風で遠くに飛んでいきます。

もし先が割れたオオウバユリを見つけたら軽く揺らしてみると種が飛び散る様子を楽しむことができます!

そしてオオウバユリの花がこちら。

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ちなみにオオウバユリは、花が咲くまでに約10年かかったり、アイヌの人たちは地面の中から球根を掘り出して食べていたり、その球根はウポポイのキャラクター(トゥレッポん)のモデルだったりとネタの多い植物です。

春から夏にかけて花目当てに森を楽しむ方が多いかも知れませんが、花だけを見て終わるのはもったいない!

秋の実や種も追いかけていけば花とのギャップも楽しめるようなり、花の多い季節だけではなく秋もたっぷりと森歩きを楽しめるようになりますよ!

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」

文:森の住人 KENTA
国営滝野すずらん丘陵公園 自然環境マネージャー。1978年札幌生まれ京都育ち。約6年間のサラリーマン生活を経て、森についての知識・経験ゼロの状態で滝野の森ゾーンの担当になり、様々なイベントの企画や広報、森づくりなどを担当。公園内にヒグマが侵入した際は専門家と一緒に現場の最前線で調査を担当。滝野の森staffXにて監視カメラを使った野生動物たちのリアルな様子などを発信中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2026年8月)の情報に基づきます。

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