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4万円超の席も!花火大会の知られざる裏側とは…苦しい懐を支える運営の工夫

  • 2026.9.5

北海道各地で夏の時期、毎週のように開かれている花火大会。
そんな風物詩が、いまピンチを迎えています。

花火業者は「全体的に全部上がっていますね。原材料の火薬類も2~3割上がってきています」と明かします。

さらに花火大会の主催者からも「イベントで必要になる発電機や警備の人件費がかなり上がっている」との声が上がっています。

長引く物価高騰や、歴史的な円安、さらに「ナフサショック」まで。
「逆風」のなか、変わりつつある花火大会を深掘りします。

1万人以上が訪れる一大イベントにも影響

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てっし名寄まつり 大花火大会(7月)

7月26日、名寄市で行われた『てっし名寄まつり』。
市内はもちろん、稚内市や旭川市などから、例年1万人以上が訪れる夏の一大イベントです。

会場に来ていた子どもは「一番楽しみにしてきたのは花火」と話し、別の観客も「市民にとって最高の催しです」と笑顔を見せます。
打ち上げ後には「感動しました!」と声が上がりました。

名寄市で30年以上続く地域の花火大会ですが、物価高による影響は年々大きくなっているといいます。

屋台の売り上げをあてても足りず…

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なよろ観光まちづくり協会の益田了輔係長は、「どうしても必要になる発電機だとか、警備についても人件費がかなり上がってるので、値上がりに対応するのが大変になってきている」と実情を打ち明けます。

経費が増える一方で予算は限られているため、主催する実行委員会は自ら屋台を出店し、その売り上げを警備員の人件費などの運営資金に充てています。
しかし、それでも予算が足りず、ボランティアの協力が欠かせない状況です。

益田係長は「青年会議所や商工会議所、JAの青年部に、警備や売店を実行委員会で出しているが、運営の人員としてついてもらっている」と説明します。

花火も「量より質」に

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さらに、物価高騰に伴い花火そのものも値上がりしていますが、メインである『花火大会』にかけられる経費も限られているため、苦労が絶えないといいます。

「何千発、何万発という花火の数では勝負していない。見せ方を工夫していて、実行委員会や花火業者と何回も打ち合わせを重ねて、特色ある名寄にしかない花火大会というのを目指している」と益田係長は語ります。

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そこで2026年は、花火と花火の合間にアーティストが会場をさらに盛り上げて、後半の花火につなげるなど、演出面にも工夫を凝らしました。

観客からは「楽しかった」「最高ですよ。やっぱり地元のみんなが集まる、ふるさとの憩いの場」といった感想が聞かれました。

なよろ観光まちづくり協会の栗原智博会長は「この地域が元気になるための花火で、花火を見るとみんな笑顔になる。笑顔が一番大事」と花火にかける思いを口にします。

原材料のほとんどが値上げ

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一方で、花火大会を守るため、文字通り「身を削って」いるのが打ち上げなどを担う花火業者です。

大正2年(1913年)創業の「ヤマニ小原煙火」の越前大介工場長は「実際は真っ黒だが、色の部分が花火の色がついている火薬、黒い部分は玉を割るための火薬」と製造の様子を見せてくれました。

一般的に、1つ数千円から10数万円するという打ち上げ花火ですが、その原材料のほとんどが値上がりしているといいます。

火薬を包む紙も、紙を丸くプレスする作業代も、火薬類も当然上がっています。

「食料品と一緒で、原材料も2~3割上がってきている」のです。

花火業者の利益は?

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自社で製作する花火のほかに、一部は中国産の花火も使用しているため、「円安」によって輸入コストも上昇。
さらに大きな打撃となっているのが、中東情勢の悪化による『ナフサショック』です。

越前工場長は「花火を包む梱包資材、ビニールなども上がっている。安全のためには使わなきゃいけないものなので、どうしてもコストを減らすわけにはいかない。ビニールは5割ぐらいは上がっている」と話します。

打ち上げ用の筒に合わせて特注しているというビニールは、品薄で入手が困難になる中、なんとか2026年シーズン分を確保することができました。

越前工場長は「花火の予算は決まっているので、仕入れ値も上がっている。安全面と品質を落とせないので、花火業者の利益部分が吸収されている。観客に喜んでもらうため、なるべく球数を減らさない努力はしている」と、職人としての苦悩と努力を語ってくれました。

当たり前じゃない、花火大会

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「地域の元気」になる花火大会。
毎年これを楽しみに、地元に帰る方も多いと思います。

そんな、日本に欠かせない花火の苦しい状況を聞いてHBCテレビ「今日ドキッ!」ゲストコメンテーターの田村次郎さんは、「当たり前ですけど『花火ってそうだよね、お金がかかるんだよね』という気づきになる」と話しました。

「楽しみにしてる人たちが、『花火なんか何?少なくなったの?』とか『なんかあそこの花火やらなくなっているらしいよ』みたいに言うことじゃなく、花火をやることがどれくらいお金がかかって、どれだけ我々を幸せにしてくれるためだけにがんばってくれているのかという思いになります」

花火をタダで見るといった習慣がずっとありましたが、それが難しい昨今。
花火の価格の高騰だけでなく、人件費、警備費など、全てが高騰しています。

8割の大会が有料席を導入

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大きな花火大会を中心に、有料化が進んでいます。
特に今はプレミアム化が加速しているようです。

全国106の主要花火大会のうち、8割が有料席を導入しています。

一般席、入場料の平均価格は年々上昇していて2026年は5517円(去年より231円増)です。

さらに『プレミアム席』というちょっと高級路線の席は平均が4万611円(去年より2807円増)となっています。

有料席の中でも二極化が進んでいます。

課題は物価高にとどまらず

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花火などの物価高に加えて、トイレや警備などにかかる費用が高騰していて有料化するというケースも多いそうです。

過去には実際ドミノ倒しになった事故も起きています。
大きな大会になればなるほど、安全確保のための警備員は欠かせません。

ゲストコメンテーターの敷淳一さんは「花火大会そのものが今後、豪華な花火を高いお金を払って見る大会と、こぢんまりしていても無料で見られる花火に『二極化』していく気がするんですよね」と話します。

そのうえで、子どもたちの体験としての花火大会の存続を願います。

「僕自身のことを思い出してみると、やっぱり子どもの頃に家族で見た花火ってすっごく思い出に残っているので、子どもたちのためにも無料で見られる花火大会というのを、いろんな工夫をしながら何とか残していってもらいたいなという気持ちはありますね」

花火大会を残していくためには、コストやお金の問題に加え、担い手の部分も工夫しなくてはいけません。

また、地方になればなるほど、運営にあたる若い世代がだんだんいなくなっているという現実があります。

きれいな花火の裏側には、花火大会を支える人の工夫と努力があることを忘れずにいたいものです。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年7月30日)の情報に基づきます。

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