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「扇風機で十分だろ」とクーラーを禁じた夫に、娘の一言が届いた日

  • 2026.8.18
ハウコレ

フードコートの隅で娘と分けたかき氷のことを、夫はあの日まで何も知りませんでした。きっかけは、娘が口にした短い言葉でした。

ベビーカーのかごには、着替えよりも先に、保冷剤と大きな水筒が積まれるようになりました。

「扇風機で十分だろ」

3歳の娘と2人で過ごす家に、今年の夏、クーラーの風はありませんでした。電気代を理由に夫がそう決めたからです。「暑い日だけでもつけたい」と話した私に、夫は着替えながら言いました。「扇風機で十分だろ」。数日おいてもう一度頼みましたが、答えは変わりませんでした。夫は帰りが遅く、家にいるのは涼しくなってからの数時間だけ。夫が知っているのは、外の気温が下がったあとの部屋だけでした。

モールが私たちの避難所になった

扇風機の風だけでは、娘の昼寝の背中にあせもが広がっていきました。自分の判断でクーラーを使うことも考えましたが、話すたびに電気代の説明に戻り、クーラーを使う相談は進みませんでした。私は娘を暑い部屋に残さないため、外へ出る方法を選びました。暑い日はほとんど毎日、娘をベビーカーに乗せて駅前のショッピングモールへ通いました。フードコートの隅でお弁当を広げ、休憩スペースで娘を昼寝させ、外の空気がゆるむのを待って帰りました。夫へ改めて話すことはしませんでした。2回伝えても断られ、これ以上説明しても聞いてもらえないと思ったからです。クーラーを使えないために家を出ているのに、飲み物や娘のおやつを買う日が増えていきました。

娘の一言

その日、フードコートで娘とかき氷を分けていると、通路の向こうから夫が歩いてきました。忘れ物を取りに家へ戻り、誰もいない部屋を見て、位置共有のアプリをたどってきたのだそうです。「なんで毎日ここにいるんだ」と聞く夫に、私より先に娘が答えました。「おうちあついから、ここがいいの」。夫はかき氷の器と、かごの保冷剤と、娘の首のあせもを順番に見ていました。私は、家では娘が眠りにくいことと、あせもが増えたことを、その場で話しました。

そして...

夫は先に家へ戻り、クーラーをつけて待っていました。「ごめん。今日から、つけよう」。娘を涼しい部屋で昼寝させたのは、この夏初めてのことでした。その翌朝、私はベビーカーのかごから保冷剤を取り出しました。もう、暑さを避けるための荷物を、着替えより先に積む必要はありません。次の休みには、電気代の明細とモールで使った金額を並べて、クーラーを使いながら家計を整え直しました。ただ、私の言葉だけでは変わらず、娘のあせもを見るまで動かなかったことへの引っかかりは、まだ残っています。

(30代女性・専業主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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