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「すぐ戻るんで」と車いす用スペースに停めた夫婦。だが、巡回中の警備員が伝えた正論

  • 2026.9.28

空いたスペースに入ってきた一台

土曜の午後、私は車いすの母を連れて近所のスーパーへ買い物に出ました。

出入口の横には車いす用の駐車スペースが2台分あり、その片方に車を停めて、トランクから母の車いすを下ろしていました。

すると、隣の空いていたスペースに一台の車が入ってきました。

降りてきたのは20代くらいの夫婦で、2人はそのまま店のほうへ歩いていきます。

その直後、銀色のワゴン車がゆっくり近づいてきました。

助手席には年配の女性が座っていて、後ろの窓越しには折りたたまれた車いすが見えました。

運転していた50代くらいの男性が窓を下ろし、歩いていく夫婦に声をかけます。

「すみません。母が車いすを使っているので、ここを空けてもらえませんか」

夫のほうが振り返りました。

「すぐ戻るんで」

「すみません、できればお願いしたいんですが…」

男性がもう一度頼みましたが、夫婦は顔を見合わせただけで、そのまま自動ドアのほうへ向かっていきました。

「困るわよね…」

母が小さな声でつぶやきました。

警備員さんが静かに伝えたこと

そのとき、駐車場を巡回していた制服姿の警備員さんが近づいてきました。60代くらいの男性で、手には赤い誘導灯を持っていました。

「何かございましたか」

私は、まだ停められずにいるワゴン車を見ながら答えました。

「あちらの車、車いすを使う方が乗っているんです。さっき隣の車の方に移動をお願いしていたんですけど…」

警備員さんは状況を確認すると、ワゴン車の方に声をかけたあと、自動ドアの手前で夫婦に追いつきました。

「恐れ入ります。こちらは車いすをお使いの方のためのスペースです。一般の駐車スペースには空きがありますので、移動をお願いできますか」

夫は少し困ったような顔をしました。

「ちょっと買い物するだけなんですけど」

「申し訳ありませんが、あちらへ移動をお願いします」

警備員さんが誘導灯で奥の空いた場所を示すと、妻が夫の袖を引きました。2人はそれ以上何も言わず車へ戻り、一般のスペースへ移動していきました。

空いた場所には、警備員さんの誘導でワゴン車が入りました。

「ありがとうございます。助かりました」

運転席の男性が頭を下げます。私は母の車いすを押しながら、警備員さんにも会釈しました。

「いい警備員さんね」

母がそう言った少しあと、先ほどの夫婦が奥の駐車場から静かに歩いてきて、そのまま店へ入っていきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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