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彼女のベージュの傘を逆さにして壊した俺が、目覚ましの時刻を変えるまで

  • 2026.8.17
ハウコレ

軽い一言で済むと思っていた俺は、彼女の剣幕に初めて事の大きさを知りました。傘より先に、変えたものがあります。

駅前の横断歩道で風が抜けた瞬間、借りてきたベージュの傘が骨ごと裏返りました。

一番手前にあった彼女の傘

俺はその朝も寝坊しました。同棲している彼女はまだ支度の途中で、傘立ての一番手前にあったのが、彼女のベージュの傘でした。自分の黒い傘は奥に押し込まれていて、引き抜く数秒も惜しかったのです。駅まで走る途中で強い風にあおられ、傘は骨ごと裏返って、2本の骨が折れました。

軽く返した一言

玄関を開けると、彼女は先に帰って夕食の支度をしていました。「雨やばいね」。俺は骨の折れたベージュの傘を掲げて笑いました。大ごとだとは思っていなかったのです。「なんで自分の傘で行かなかったの」。振り向いた彼女の声の低さに気づかないまま、俺は靴を脱ぎながら返しました。「傘ごときで、そんな怒る?」

初めて見た剣幕

「私が選んで買った傘なの。ごときじゃないよ」。玄関に響いた声に、俺はやっと顔を上げました。彼女がここまで怒るのを見たのは初めてです。言い訳を探すうちに、口から出たのは白状でした。「走ってると、よく裏返るんだよ」目覚ましを3つかけても起きられず、駅まで走る生活を続けた結果、傘を裏返すのはいつものことになっていました。「ごめん。同じの買って返すから」今度は笑わずに、手の中の傘をたたみ直しました。

そして...

翌日から、俺は目覚ましの時刻を10分早めました。走らずに駅へ着くと、傘は一度も裏返りません。その日の帰り、寄った店で同じベージュの傘を選び、傘立てに差しておきました。奥に押し込んでいた俺の黒い傘は、一番手前に出してあります。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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