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人のいないレジャーシートを勝手に畳んだ私→持ち主に言われても、席を立てなかった理由

  • 2026.8.4
ハウコレ

うちの子の一言で、私は自分の言い分を続けられなくなりました。

花火の下で、あのとき見ていなかったものを、今も思い返しています。

見つけた誰もいないシート、置き荷物には気づいていた

うちも、この街の花火大会は毎年楽しみにしていました。仕事の都合で家を出るのが遅くなり、駅から会場に着いたときには、目に入る通路脇はほとんど埋まっていました。夫と、幼稚園の息子と、少しずつ人の間を縫って歩きます。息子は「まだ見えない、まだ見えない」と繰り返します。

開始まで1時間を切ろうとしていました。今からだと入れる場所は残っていないかもしれない、と思ったころ、奥のブロックに2人用の小さめなシートを見つけました。上にはトートバッグと折り畳まれた上着、未開封のペットボトル。人の姿はありません。「戻ってくるんじゃないか」。夫がすぐに私の袖を引きました。

軽い気持ちで、2人用のシートを畳んだ

「ずっと誰もいないかもしれないし、少し端に動かすだけだから」。私はそう夫に返しました。夫は返事をせずに、息子に帽子をかぶせ直しています。トートバッグと上着とペットボトルを、通路のふちに寄せました。2人用のシートを畳んで、私たちの人用のシートを、その場所に敷きました。息子は「見える見える」と声を上げました。私はしばらくは、周りを見ないようにしていました。

座ってしばらくして、浴衣姿の女性が私たちの前に立ちました。手には、水色のペットボトルと同じ色のパスケースが下がっています。「あの、ここ、私が取っていた場所なんですが」。私はとっさに「誰もいなかったから」「空いていたと思ったんです」と重ねました。周りが見ている気配で、非を認めるのは無理でした。

息子の声が、私の言い訳の続きを止めました

女性はそれから、荷物のことに触れました。「荷物も置いてありましたよね。勝手に動かさないでください」。私は「気づかなかった」と答えました。声だけは強くしました。そのとき、息子が私を見上げてつぶやきました。「さっきバッグをどかしてたよね」。夫の目がこちらを向くのが分かりました。私はうつむいて、シートの縁を見つめました。

近くに来た係員に、女性は事情を説明しています。会場のルール、シート、荷物。私に落ち度があると告げられたわけではないのに、頭ではもう、席を立たなければいけないと分かっていました。私は女性たちのシートを広げ、女性のトートバッグと上着とペットボトルを、元の場所に戻しました。「勝手に触ってすみませんでした」。それだけを口にして、私たちは通路の後ろへ下がりました。

そして...

息子は花火が始まるころにはすっかり寝てしまいました。夫は最後まで隣に座ってくれましたが、多くを話しませんでした。人の場所を横取りしたのは、持ち主が戻ってこないと思ったからではなく、戻ってきても押し切れると考えたからです。他人が3時間かけて用意したものを、私は都合よく空きだと呼び替えていました。次からは、遅れたら遅れた分の景色を受け入れます。あの女性がまっすぐこちらを見る目、そして息子がまっすぐ私を見上げる顔を、私はしばらく忘れないと思います。

(30代女性・パート勤務)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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