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「久しぶり、私4月から会社員になったの」駅で5分話し続けた私。だが、改札を出て相手が振り向いた瞬間

  • 2026.10.4

歓迎会の帰り、改札へ向かう人混みの中で

20代の私が、3年ほど前、社会人になったばかりのころの話です。

入社と同時に一人暮らしを始め、仕事も生活も新しいことばかりでした。

その夜は会社の歓迎会があり、少しだけお酒を飲んで帰宅するところでした。

電車を降り、改札へ続く長い通路を歩いていると、すぐ前に見覚えのある後ろ姿がありました。

肩までの髪。肩にかけた茶色のかばん。少し内股ぎみの歩き方。

学生時代の友人にそっくりです。

「絶対、あの子だ」

卒業してからゆっくり話せていなかったこともあり、うれしくなった私は小走りで追いつきました。帰宅する人で通路は混んでいて、横に並ぶことができず、そのまま半歩うしろから声をかけました。

「久しぶり。聞いて、私4月から会社員になったの」

相手は少しうなずいたように見えました。

聞こえているんだと思った私は、そのまま続けました。

「部屋も借りてね、ついに一人暮らしだよ」

それでも返事はありません。

「毎朝お弁当作るつもりだったのに、まだ1回しか作れてないの」

相手は前を向いたまま歩いています。けれど私は、昔から聞き上手な友人だったこともあって、まったく疑っていませんでした。

改札を出て振り向いたのは、知らない女性だった

会社のこと、部屋のこと、その日の歓迎会のこと。私は思いつくまま話し続け、相手が改札を通ると、私もそのすぐ後ろから続きました。

気づけば、5分近くしゃべっていました。

「今度ゆっくりごはん行こうよ。連絡先、変わってないよね」

改札を出たところで、相手がようやく足を止め、ゆっくりこちらを振り向きました。

その瞬間、私も固まりました。

そこにいたのは、まったく知らない女性だったのです。

女性は驚いている私を見て、ていねいに会釈をしました。そして何も言わず、そのまま出口のほうへ歩いていきました。

「…え?」

酔いが一気にさめていくのが分かりました。私はかばんを握ったまま数秒立ち尽くし、次の瞬間には、女性とは反対側の出口へ逃げるように歩き出していました。

部屋に帰ると、すぐに本物の友人へメッセージを送りました。

「今日、駅であなたに5分しゃべったよ。あなたじゃなかったけど」

返事はすぐに届きました。

「で、その人、聞き上手だった?」

画面を見た瞬間、私は床に座りこんだまま声を出して笑ってしまいました。

あれから3年。この話は帰省するたびに家族の定番の笑い話です。

私はそれ以来、後ろ姿だけで人に話しかけることはなくなりました。それでも母は、私が駅へ出かけるたびに玄関から言います。

「話しかける前に、ちゃんと顔を見るのよ」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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