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ガスも電気も使わない! 手元にある食材を混ぜるだけレシピ3選

  • 2026.7.31

災害時の食事について長年研究を重ねてきた管理栄養士の今泉マユ子さんに、非常食のアレンジレシピについて聞きました。前回、紹介した「“レトルトの女王、缶詰の達人”に聞いた非常食アレンジレシピ3選【日常編】」に続く本編では、災害時でも備蓄食材を混ぜるだけで作れる“即食レシピ”を教えてもらいました。在宅避難で調理をするときの必須アイテムもあわせてご紹介します。

停電、断水時でもおいしく作れる!

ご紹介するレシピのうち缶詰あるいはレトルトパウチを使用しているものについては、どちらを使用しても問題ありません。入手しやすいものや家にあるもの、普段食べ慣れているものを使用しましょう。

◆トマコーンコンビーフ 調理時間2分

(材料1~2人分)
コンビーフ…1個(約80g)
コーンドライパック…1袋(約50g)
トマトジュース…50ml

(作り方)
食品用ポリ袋に材料を全て入れて袋の外から軽くもむようにして混ぜる。
※コーンはどのタイプでもOK。水煮タイプはお好みで水気を切ってください。

【今泉さんのワンポイント】
開けて容器のまま食べられるコンビーフ。コンビーフだけだと少し食べにくいかもしれませんが、トマトジュースを加えるだけで途端に食べやすい味に変身します。黒こしょうやタバスコをかけるのもおすすめです。家にある調味料やスパイスを加えて、自分好みの味を探してみてください。

【作ってみました】
個人的には「独特の匂いと脂っこさが少し苦手かも……」と思っていたコンビーフですが、トマトジュースが加わることで後味さっぱり、とても食べやすくなりました。常温保存の食材だけでタンパク質も炭水化物もビタミンも補えるメニューだなと感じました。

◆ミックスビーンズ栗あん風 調理時間2分

(材料1~2人分)
ミックスビーンズドライパック…1缶(約100g)または1袋(約50g)
ゆであずき…ミックスビーンズと同じ分量

(作り方)
食品用ポリ袋にミックスビーンズを入れて潰し、さらにゆであずきを入れて袋の外から軽くもむようにして混ぜる。
※豆類を丸い形のまま食べるのは6歳からに(誤嚥の危険性があります)

【今泉さんのワンポイント】
豆をよく潰すとより栗あん風になります。つぶ感が好きな人は潰さずそのままで。ミックスビーンズはいろいろな豆が入っているので、多様な栄養素を取ることができます。災害時は体の栄養だけではなく、心の栄養も大切。甘いものがあると、ほっとできることもあります。

【作ってみました】
食べてみるとびっくりするほど栗あん風! ゆであずきだけだと甘すぎるという方にもおすすめできるほど優しい甘さでした。クラッカーなどにのせてもおいしく食べられそうです。小学校低学年の子どもも一緒に楽しみながら豆を潰してくれたので、普段のお手伝いにも最適なメニューです。

◆いわしとひじきと大豆の煮物風 調理時間2分

(材料2人分)
いわしかば焼き…1缶(約100g)または1袋(約90g)
ひじきドライパック…1缶(約100g)または1袋(約50g)
大豆ドライパック…1缶(約100g)または1袋(約50g)

(作り方)
食品用ポリ袋に材料を汁ごと全て入れて袋の外から軽くもむようにして混ぜる。
※大豆を丸い形のまま食べるのは6歳からに(誤嚥の危険性があります)

【今泉さんのワンポイント】
いわしは崩してもそのままでもお好みで。醤油、酢、ポン酢、ラー油、白ごまなどを
ちょい足しするのもおすすめです。上記3つのレシピは、器に材料を入れて混ぜても作れます。また、災害時はポリ袋を器にかけて食べると、器を汚さず洗い物を減らせます。手軽に作れるので、普段の食事の1品にもおすすめです。

【作ってみました】
そのままだとやや濃い目の味付けのかば焼き缶ですが、ひじきと大豆を混ぜることでちょうどいい味になりました。今泉さんおすすめの酢を足して食べてみたところ、魚の缶詰特有の臭いも気にならなくなって箸が進みました!

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在宅避難でもこれだけあれば料理ができる

——ご紹介いただいたレシピは調理器具も不要ですが、災害時に自分で食事をまかなおうと思ったら食材以外に何が必要でしょうか?

まず前提として、今回ご紹介するのは避難所ではなく在宅避難のための備えです。自宅で一定期間生活をするには、水、食べ物、調理や衛生に必要なものを自分で用意しておく必要があります。

①水
みなさん「水は用意しています!」と言うんですが、十分な量を確保していないケースが多いです。水は1人1日3Lを目安に最低3日分、できれば1週間分を用意してください。

各部屋に分散備蓄しておけば1箇所で場所を取りすぎず、万が一地震でドアが開かなくなって閉じ込められても生き延びる助けになります。

②カセットコンロとガスボンベ
熱源があれば停電時でも家にある食材を活用しやすくなります。普段から使い、ボンベの装着方法などを確認しておくと災害時にも扱いやすくなります。ボンベ1本当たりの使用可能時間は、気温や火力、使用する機種によって変わることも考慮しておきましょう。

また、カセットコンロ本体は約10年、ガスボンベは約7年が使用期限の目安なので、食品と同様にローリングストックしていくことが大切です。

③その他の調理器具・容器など
・鍋、フライパン、やかん(湯沸かしやレトルト食品の温めに)
・缶切り(手で開けられない缶詰用に)
・キッチンばさみ(開封や食材を切る時に)
・紙皿、紙コップ、割り箸などの使い捨て食器(断水時の洗い物対策に)
・ラップ、加熱調理できるポリ袋(調理や食器にかぶせる用に)
・ウェットティッシュ、キッチンペーパー、使い捨て手袋、ゴミ袋(衛生管理や片付け、ゴミの保管に)

大切なのは食材だけを備えるのではなく、「どうやって開けるか」「どう温めるか」「何で食べるか」まで考えておくことです。また、災害時にはゴミ収集が止まることもあるので、調理だけではなく片付けやゴミの管理まで考えておく必要があります。

実際に普段の食事で使ってみると、足りないものや不便さに気づけます。災害時に慌てないために、道具も食品も日々の生活で使い慣れておくことが備えにつながります。おすすめは「停電ごっこ」や「断水ごっこ」です。ぜひご家族で実際にやってみてください。

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<取材協力・レシピ監修>
今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
株式会社オフィスRM代表取締役。管理栄養士・防災士・日本災害食学会災害食専門員。フェーズフリーアクションパートナー、フェーズフリーミート実行委員。日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)リーダー。
1969年徳島県生まれ、横浜市在住。大手企業の社員食堂、病院、保育園に長年勤務後、2014年に管理栄養士の会社を設立。レシピ開発、商品開発、執筆、講演のほか、防災食・災害時の食支援、フェーズフリーの普及に取り組む。東京消防庁から感謝状を11回受領。TBS「マツコの知らない世界」、NHK「あさイチ」などメディア出演多数。著書は『もしもごはん』(清流出版)、『SDGsクッキング』シリーズ、『こどものための防災教室』シリーズ(ともに理論社)など23冊。東京消防庁機関誌『東京消防※』で「マユ子さんのぼうさいキッチン」を連載中(本記事で紹介したレシピは、過去にこちらで紹介したものです)。
公式サイト:https://office-rm.com
※東京消防庁職員・OBの他、消防関係機関に配布されるものです。一般販売はありません。

<執筆者プロフィル>
那須 あさみ
フリーランスライター。小学生、中学生の4児の母。さまざまな年齢の子どもと一緒に家庭で備えられる防災を模索中。

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