1. トップ
  2. 【ルームツアー】記憶を宿し緑が茂る、インド流トロピカルハウス

【ルームツアー】記憶を宿し緑が茂る、インド流トロピカルハウス

  • 2026.7.21
Ishita Sitwala

今の暮らしに合わせて建て替えを行った、インド・グジャラート州の邸宅。刻まれた家の歴史を大切にしつつ、自然と一体化した心地よい空間をつくり上げた。

『エル・デコ』2026年6月号より。

Ishita Sitwala

どこでも緑が感じられる、過去と現在が交差する空間

インドのグジャラート州バルサードの邸宅。ここに暮らすバルバイ・マカンジ・デサイは1976年にこの家を購入した。その時、先祖代々この建物を受け継いできた元オーナーとある約束を交わした。それは「日没時には井戸のそばに、ろうそくを灯す」というもの。パルシーと呼ばれるペルシャ系同胞への敬意を込めた儀式であった。しかし、その灯火がかげり始めたことに息子のハーシャドが気付く。随所で雨漏りが発生し、耐用年数を超えた基礎は崩壊。一家は建て替えを決め、建築事務所スタジオ・ラゴムを訪ねた。

<写真>豊かな緑に包まれた、メインエントランスから玄関へと続くアプローチ。古い窓格子の端材から生まれたベンチやチェアを配置。

Ishita Sitwala

建築家のハーディック・シャーは、歴史が刻まれた井戸をデザインの指針とし、家の再構成に挑んだ。建物全体はレンガでつくり、中心には緑豊かな中庭を配置。そこには大切にしてきた井戸が静かに佇む。

「ルーバー窓や天窓、小さな開口部を使い、階層間や内外の境界を曖昧にすることで、光と緑があふれる空間を目指しました」とシャー。全ての部屋で自然を感じられるバイオフィリック・デザインを採用している。

<写真>部屋とつながる半屋外の場を多く設けた。天井に広がるルーバーからは自然光が差し込み、植物に包まれるような心地よい空間に。

Ishita Sitwala

さらに家族が強く望んだのは、かつての邸宅への敬意を感じられること。前の家で使われていた木を再利用してキャビネットを製作したり、昔の階段の踏み板を装飾として使用したりと、インテリアのあちこちに前の家とのつながりがある。 太陽光発電や雨水再利用システムの導入、バリアフリー、ホームオフィスとしっかり現代的にアップデート。緑にあふれ歴史が息づく、住みやすい家へと生まれ変わった。

<写真>階段を上がった先の応接間。インテリアにもレンガを印象的に用い、元の住まいの家具や素材を継承しながらもモダンにアップデート。

Ishita Sitwala

<写真>天井から差し込む自然光が印象的な洗面所。内部にもさまざまな植物が配されている。

Ishita Sitwala

<写真>ブランコや伝統的な壺は、旧居より受け継がれたもの。南インド様式の支柱は、タミル・ナードゥ州・チェティナードから取り寄せた。

Ishita Sitwala

グリーンを上手に取り入れるためのTIPS

1. バルコニーにはツル性植物を植えて、家全体を緑のベールで包む

バルコニーにはツル性の植物をメインに植えることで、建物全体がグリーンのカーテンで覆われているような印象に。窓を開ければ室内にいながら、生き生きとした緑を感じることができる。

Ishita Sitwala

2. ジェフリー・バワがインスピレーション。中庭にはプルメリアの木を植える

住まいの重要なスペースである中庭には、スリランカ人建築家ジェフリー・バワの庭園からインスパイアを受け、プルメリアの木を植えた。見て楽しむだけでなく柔らかな香りも漂い、空間に安らぎが生まれた。

Photo : ISHITA SITWALA
Original Text : VAISHNAVI NAYEL TALAWADEKAR

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年6月号

Stellan Herner

あわせてこちらもcheck!

HELENIO BARBETTA(LIVING INSIDE)
Andrea Ferrari
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ