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「もう残高は0円だし」使っていない通帳を処分した70代女性→数年後、遺された家族に届いた“1通のお知らせ”【元銀行員は見た】

  • 2026.9.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

終活の一つとして、元気なうちに生前整理をしようと考えている人も多いのではないでしょうか。自分で財産や持ち物を整理しておけば、万が一のときに家族の負担を減らすことにもつながります。

しかし、生前整理で“通帳”を処分する際は要注意です。今回は、生前整理で使っていない通帳を処分したものの、思わぬトラブルにつながってしまった女性の事例を紹介します。

「家族の負担を減らすため」生前整理で通帳を処分した女性

70代の女性・Aさんは、夫の死をきっかけに生前整理について考えるようになりました。

「夫は突然亡くなったため、身の回りの整理を何もしていませんでした。今も自宅には夫の荷物、そして私の荷物もたくさんあるので、生前整理も兼ねて、まずは自宅をきれいにしておこうと思います」

毎日少しずつ不用品を処分することにしたAさん。ある日、ふと目に止まったのは複数冊の通帳でした。

そのうち、普段から利用している口座は2つのみ。すでに解約済みの口座の通帳には、「払い出し済み」を表す“PAID”のマークがついていたため、そのまま処分しました。

また、残高が2万円だけ残っている通帳があったため、ATMで全額を引き出した後、こちらもそのまま処分したそうです。

「もう残高は0円だし、わざわざ解約の手続きをしなくても処分してしまえばいいかなと。通帳とキャッシュカードにハサミを入れて捨ててしまいました」

その後もコツコツと生前整理を進めたAさん。

「これで万が一のときも安心」

そう思っていたといいます。

Aさんの死後、娘が見つけた“1通のお知らせ”

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

数年後、Aさんが亡くなり相続が発生。

遺産総額は約4,000万円で、相続人は娘と息子2人の3人です。

Aさんの家庭は家族関係が複雑であったことから、遺産分割協議は難航。

複数回にわたる話し合いを経て、ようやく遺産の分割方法が決まった頃、Aさん宛てに郵便物が届きました。

それは、Aさんが残高2万円を出金後、通帳を処分した銀行からのものでした。

娘が中を確認すると、自動更新されていた定期預金「約400万円」の満期のお知らせが。

「普通預金の残高を出金した話は聞いていたけど、定期預金?どういうこと…?」

疑問に思い銀行を訪れると、まさかの事実が判明しました。

「お母さまが処分された通帳は、前半部分が普通預金、後半部分が定期預金になっている『総合口座』です。普通預金には2万円しか残っていなかったようですが、定期預金の400万円は何年も自動更新されている状態でした」

Aさんの娘は驚きます。

「そうだったんですか…。では、母は通帳の前半部分だけを見ていて、昔作った定期預金のことは忘れていたんですね」

新たに資産が見つかったことで、遺産分割協議は振り出しへと戻ってしまいました。

通帳の処分時は必ず「PAID」や「パンチ穴」を確認

通帳は「残高がなければ捨ててしまっても構わないだろう」と考える人もいますが、総合口座の場合、Aさんのように後半部分に定期預金が残っているケースも。

通帳はつい前から順にページをめくってしまいますが、手元に「総合口座」の通帳がある人は、後半部分も確認してみてください。

また、普通預金のみの通帳で「残高0円」の場合でも、最新の状態に記帳されていないだけで、実際には残高が残っているかもしれません。

通常、解約した口座の通帳には「PAID」の印を付けたり、通帳を無効化するためにパンチで穴を開けたりします。

ご自身の財産を整理するという意味でも、「PAID」の印がない通帳は、一度記帳してみることをおすすめします。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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