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「子どもいるんですけど」予約した窓側の指定席に座る親子。譲れず困っていた私に車掌さんが確認した切符

  • 2026.9.21
「子どもいるんですけど」予約した窓側の指定席に座る親子。譲れず困っていた私に車掌さんが確認した切符

窓側の席に座っていた小さな子

実家の母に会いに帰るため、1か月前から特急の指定席を予約していた。

ホームで乗車位置を確かめ、キャリーケースを引いて車両に乗りこんだ。

切符の番号をたどって通路を進むと、私が予約した窓側の席に3歳くらいの男の子が座っていた。

隣の通路側には母親が座り、その横の通路には父親が立っている。網棚には大きな紙袋がいくつも載っていた。

席を間違えたのだろうと思い、私は母親に声をかけた。

「すみません。そこ、私が予約している席なんですが…」

母親は私を見上げ、それから男の子をちらりと見た。

「え…子どもいるんですけど。ほかの席じゃだめですか?」

思っていなかった返事に、一瞬言葉に詰まった。

「すみません、私もこの席を指定して取っているので…」

切符を見せながらそう答えると、今度は父親がこちらを向いた。

「子どもいるんですけど。少しくらい、別のところに座れません?」

さっきより少し強い口調だった。

男の子は大人たちのやり取りには気づいていないようで、窓の外を夢中で眺めている。

子どもに何か言いたいわけではない。

それでも、私も指定して予約した席を簡単に譲るつもりはなかった。

「申し訳ないですけど、ここを予約しているので、この席に座りたいです」

そう伝えると、父親は腕を組んだまま黙ってしまった。

母親も席を立つ様子はない。

私もどうしたものかと切符を手にしたまま通路に立っていた。

後ろから来た乗客が「すみません」と言いながら、荷物を抱えて私たちの横を通り抜けていった。

車掌さんが確かめた切符の番号

列車が発車して間もなく、車内を巡回していた車掌さんがこちらへやってきた。

通路に立ったままの私と家族を見て、足を止めた。

「どうかされましたか?」

私は少しほっとしながら、自分の切符を差し出した。

「すみません。この席を予約しているんですが、こちらのお子さんが座っていて…」

車掌さんは私の切符と座席番号を見比べると、家族のほうへ向き直った。

「恐れ入ります。お手元のきっぷも確認してよろしいでしょうか?」

父親は少し間を置いてから、上着のポケットから自分たちの切符を取り出した。

車掌さんは内容を確認すると、落ち着いた声で説明した。

「こちらのきっぷでは、この車両の指定席はご利用いただけません。自由席は前の車両になります」

父親は手元の切符を見てから、「まぁ…そうですよね」と小さく答えた。

母親も少し困った顔をして、網棚の紙袋に手を伸ばした。

「じゃあ、行こう。ほら、おいで」

母親に手を取られると、男の子は素直に席から降りた。

家族が荷物を持って前の車両へ向かうと、車掌さんが私に軽く頭を下げた。

「お待たせしました。どうぞ」

「ありがとうございます」

私はようやく自分の席に腰を下ろし、窓の外を見ながら息をついた。

男の子が座っていたこと自体に腹を立てていたわけではない。ただ、自分が予約した席に座りたいと伝えるだけで、こんなに気を遣うことになるとは思わなかった。

その夜、実家で母に「電車、大丈夫だった?」と聞かれ、私は苦笑しながら答えた。

「それがちょっと大変だった。『子どもいるんですけど』って言われて、なかなか席を空けてもらえなくて」

「ええ?それでどうしたの?」

「車掌さんに切符を確認してもらったよ。最後はちゃんと座れた」

「それならよかったけど、困っちゃうね」

母の言葉に、「ほんとにね」と返しながら、私はようやく肩の力が抜けた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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