1. トップ
  2. エンタメ
  3. 新シリーズ開始“前日”に一挙放送「待ってました」「楽しみ」再放送に喜び、2年前“若手キャスト”が集結した土曜ドラマ

新シリーズ開始“前日”に一挙放送「待ってました」「楽しみ」再放送に喜び、2年前“若手キャスト”が集結した土曜ドラマ

  • 2026.8.15
undefined
土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』8月21日一挙放送(C)NHK

8月22日から放送されるNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』に先駆け、8月21日に2024年に放送されたシリーズ第1作目『リラの花咲くけものみち』が一挙再放送されることが決定。SNS上では「待ってました」「楽しみです」と心待ちにする声が続く。

本作は、傷ついた少女・岸本聡里(山田杏奈)が北海道で獣医学を学び、動物や人とのふれあいを通して少しずつ自分を取り戻していく再生の物語である。新しく放送されるシリーズでは、学生だった彼女たちが獣医師として新たな試練に立ち向かう。だからこそ今、シリーズ1作目を振り返る意味は大きい。

※以下本文には放送内容が含まれます。

傷ついた少女の“再生”の物語

獣医学という珍しい題材もさることながら、『リラの花咲くけものみち』が多くの視聴者の心に残り続けているのは、主人公・聡里の再生の過程に否応なく共鳴するからだろう。その根底にあるのは、“自分には生きる価値があるのだろうか”という問いだ。

ネグレクトや母の死によって心を閉ざし、中学生の頃から引きこもりとなっていた聡里。そんな彼女を救い出したのが、祖母・チドリ(風吹ジュン)だった。北海道での新しい暮らしは決して順風満帆ではない。それでも、動物と向き合い、獣医師という夢を見つけ、仲間たちと出会うことで、彼女の世界は少しずつ色づいていく。

undefined
土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』8月21日一挙放送(C)NHK

その過程を丁寧に積み重ねた山田の演技は見事だった。閉ざされていた心が少しずつ開いていく様子を繊細に表現している。なかでも第2話、チドリから亡き母の本当の思いを聞かされる場面は、本作屈指の名シーン。風吹の包み込むような優しさ、山田のあふれる涙が重なり、“誰かに愛されていた”という事実が聡里の人生を少しずつ変えていく瞬間が静かに描かれた。

だからこそ、このドラマは“もう一度、生きてみようと思える物語”として、多くの人の胸に残ったのだろう。

“命を救う”だけではない獣医学の現実

このドラマにおいて、登場する動物は単なる“かわいい存在”ではない。聡里たちが対面するのは、犬や猫だけではなく、牛や馬といった産業動物も含まれる。助けたい命と、どうしても助けられない現実。動物たちをめぐる板挟みな状況に翻弄されながら、人間の暮らしを支える獣医学の現実を知っていく聡里たち。

undefined
土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』8月21日一挙放送(C)NHK

當真あみ、萩原利久ら若手キャストが演じる仲間たちとの関係も、本作の大きな魅力である。
励まし合い、ときには衝突しながら成長していく姿には、青春ドラマらしい爽やかさがある。しかし、その青春は決して軽やかなだけではない。命という重いテーマと真正面から向き合うからこそ、一人ひとりの言葉に説得力が宿る。

さらに、北海道の雄大な自然も忘れてはならない。広大な牧場や澄み切った空、初夏に咲くリラの花が映し出されるたび、美しい風景と厳しい現実が共存する作品世界が画面いっぱいに広がる。北海道そのものが、もう一人の主人公だったと言っても過言ではない。

新シリーズで描かれる、命を背負う覚悟

新シリーズでは、学生だった聡里たちは国家試験を突破し、いよいよ獣医師として歩み始める。しかし、その前に立ちはだかるのが、家畜の伝染病・口蹄疫という未曾有の危機だ。
感染拡大を防ぐためには、たとえ救いたい命であっても、殺処分という苦渋の決断を下さなければならない。その現実は、シリーズ1作目で学んできた“命の尊さ”をさらに厳しい形で突きつけることになる。

学生時代は、命について学ぶ立場だった聡里たち。今度は“命を預かる”側へとまわることになる。その責任の重さは計り知れない。
だからこそ、シリーズ1作目で描かれたチドリの言葉や、仲間たちとの日々、悩みながら歩んだ学生時代の経験は、決して過去の思い出にはならない。すべてが新シリーズで彼らを支える礎となる。

新シリーズは、さらに過酷な物語になりそうだ。しかし、その分だけ、シリーズ1作目で育まれた絆や成長がいっそう輝きを増すはずだ。


NHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』8月21日 一挙再放送

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

の記事をもっとみる

注目コンテンツ