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父の死後“2,140万円”を相続した50代娘→「相続税の申告は10カ月以内」のはずが…3カ月後、税務署で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.8.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

家族が亡くなった後の税金と聞くと、「相続税は10カ月以内」と覚えている方も多いのではないでしょうか。しかし、亡くなった人について相続人が代わりに行う「準確定申告」は、原則として4カ月以内です。相続税とは期限が大きく異なります。

すべての人に準確定申告が必要なわけではありませんが、確認を後回しにすると、気づいた時には期限まで残りわずかということもあります。今回は、毎年確定申告をしていた父を亡くした54歳女性の事例から、相続時に見落としやすい税金の期限について解説します。

「10カ月ある」と安心していた54歳娘、死後3カ月で期限を知る

今回の事例は、会社員として働く54歳のKさん(仮名)です。

81歳の父は、自宅近くで小規模な事業を営んでいました。前年の売上は約780万円、仕事にかかった経費は約460万円で、事業所得は約320万円。公的年金も受け取っており、毎年2月から3月になると、自分で確定申告をしていました。

父が6月に亡くなった後、Kさんは葬儀や納骨の手配に加え、公共料金の解約、銀行口座、生命保険、不動産などの確認に追われました。

相続人は、Kさんと52歳の弟の2人です。父の預貯金は約1,900万円あり、自宅の土地と建物のほか、事業用口座にも約240万円が残されていました。

Kさんが最初に考えたのは、父の財産を調べ、弟と分け方を話し合うことでした。

頭にあったのは、「相続税の申告は10カ月以内」という期限です。

「預金や不動産の金額を調べてから、税金の手続きも10カ月以内にまとめて進めればよい」

そう考えていたため、父が仕事で使っていた帳簿や領収書は、書斎の段ボールに入れたままでした。前年の確定申告書も、どこに保管されているのか分からない状態です。

父が亡くなってから約3カ月後、Kさんは、相続税がかかるかを確認するため税務署へ相談したそうです。

その際、担当者から「お父さまは、亡くなるまでに事業や年金による収入がありましたか」と尋ねられました。

Kさんが、父は毎年確定申告をしていたと伝えると、所得の状況によっては準確定申告が必要になり、期限は原則4カ月以内だと説明されたのです。

残された期間は、約1カ月しかありませんでした。

そこからKさんは、父が1月1日から亡くなるまでに計上すべき売上や必要経費を、帳簿や請求書から整理することになりました。

さらに、年金の源泉徴収票、社会保険料の資料、医療費の領収書なども集めなければなりません。

医療費や社会保険料などは、原則として死亡日までに父自身が支払った金額を確認します。父が亡くなった後に家族が支払った医療費は、父の準確定申告における医療費控除の対象にはなりません。

Kさんは弟にも連絡し、平日の仕事が終わった後や休日を使って、父の書類を一つずつ整理しました。

「相続税と同じ10カ月以内だと思っていたのに、まったく別の期限だった」

Kさんは、預貯金や不動産だけでなく、父の収入や確定申告に関する資料も早く探すべきだったと気づきました。

※事例はプライバシー保護のため、内容や金額の一部を変更しています。

準確定申告は全員必要? 期限は原則4カ月

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

準確定申告とは、亡くなった人に代わって、相続人が行う確定申告です。

申告が必要な場合は、亡くなった年の1月1日から死亡日までの収入や経費を整理し、所得と税金を計算します。

期限は、原則として、相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内です。多くの場合は、家族が死亡を知った日の翌日から数えます。

ただし、亡くなった人全員に必要なわけではありません。個人事業や不動産賃貸による収入があったか、給与や年金をいくら受け取っていたか、所得税がすでに差し引かれていたかなどによって、申告の要否は変わります。

相続人が2人以上いる場合は、原則として相続人が共同で申告します。それぞれが別々に提出することもできますが、その場合は、他の相続人に申告内容を知らせる必要があります。

また、遺産の分け方が決まっていなくても、4カ月の期限が延びるわけではありません。

「誰が何を相続するか決まってから考えよう」と後回しにせず、まずは準確定申告が必要かを確認することが大切です。

相続税だけ見ていると危ない 亡くなった人の収入も早めに確認

相続が始まると、多くの人は預貯金や不動産、生命保険などの財産を先に調べます。

しかし、準確定申告を考えるうえでは、亡くなった人がどのような収入を得ていたかも重要です。

特に、生前に毎年確定申告をしていた人、個人事業をしていた人、不動産収入があった人、株式や不動産を売却していた人は、早めに書類を確認した方がよいでしょう。

探しておきたいのは、前年の確定申告書、帳簿、領収書、請求書、給与や年金の源泉徴収票などです。

死亡後1カ月ほどを目安に確認を始めると、準確定申告が必要かを判断しやすくなります。

相続税の申告が必要な場合の期限は原則10カ月ですが、準確定申告が必要な場合の期限は原則4カ月です。

「相続の税金はすべて10カ月以内」とまとめて考えず、それぞれの手続きについて、何をいつまでに行うのかを整理しましょう。

申告が必要か判断できない場合は、期限が近づくまで待たず、税務署や税理士に早めに相談することが大切です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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