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【更年期世代を元気に!50代の「応援めし」】睡眠の質を高めて疲労回復!vol.8

  • 2025.6.9

月刊誌『大人のおしゃれ手帖』の読者組織「ミモザ会」の公式ブロガーによる『ミモザ会ブログ』
今回は、食のトレーナー、原田マチ子さんによる、更年期の女性の健康を考えた「応援めし」をお届けします。


こんにちは。
食のトレーナー、原田マチ子です。
50代、更年期世代のカラダを整え、元気にする「応援めし」。
初夏を感じるこの頃、みなさまいかがお過ごしですか。
これからは蒸し暑い日が増えてきますが、寝苦しい夜やキチンと寝た気がしない朝はありませんか?
食事習慣を少し変えるだけで、睡眠トラブルを解消して心地いい眠りへと導く効果が期待できます。

更年期世代に多い睡眠トラブル

女性ホルモンに大きく影響される更年期世代。そのなかには、眠りについての不調もよく聞かれます。不眠症や夜中に目が覚める、寝付きが悪い、逆に日中眠気に襲われるなど……。その理由は睡眠ホルモンのメラトニンが女性ホルモンとともに減少するからだといわれています。
更年期世代には、
・入眠障害型……布団に横になっても、なかなか眠れない
・中途覚醒型……睡眠中に何度も目覚め、再び眠りにつくことが難しい
・早朝覚醒型……起きたい時間より2時間以上早く目覚め、日中に眠くなる
・熟眠障害型……睡眠時間はしっかりあるのに、疲れが取れない
当てはまるタイプはありますか?
 
なかでも更年期に多く見られるのが、中途覚醒型で、睡眠の満足度が得られないといわれています。
睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交互に繰り返されます。「ノンレム睡眠」は脳の覚醒度によって、ステージ1〜4まであり、そのなかでも3〜4が脳の周波数が最も低い部分で、脳の休息や体のメンテナンスをする大事な時間だといわれています。
一方、眠りが浅く夢などを見る時間帯が「レム睡眠」。体を休めることや、必要な記憶を定着させる、大量の情報を処理するなどをしています。
疲労回復や若返りのホルモンは入眠から3時間の深い睡眠時に活発に分泌されます。ここで、質の良い睡眠をとっておくことが、老化防止にも大きく影響します。

朝の光と食事は睡眠の質に大きく影響する

朝日を浴びる頃、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、幸せホルモンといわれる「セロトニン」が促進されます。そこから体内時計がスタートし、14〜16時間後にセロトニンから再度メラトニンに変換されます。メラトニンが脳内で分泌されると眠気を引き起こし、睡眠を促進します。そして体温が少し低下することで深い眠りにつけることに。また、メラトニンは抗酸化作用もあるので老化を防止するなどの働きがあります。そのためメラトニンは若返りホルモンとも呼ばれていて、私たちの心強い味方となります。
 
メラトニンとセロトニンは日夜のリズムに従って、交互に生成されます。昼間にセロトニンが十分に生成されないと、夜間にメラトニンもうまく生成されず、睡眠に影響します。良い睡眠を得るには、その交互に起こる、ホルモンの生成を活性化させるため体内時計を整えることが大切です。
 
メラトニンを十分に分泌させるには、セロトニンの生成が重要とお伝えしましたが、セロトニンを活発に分泌させるためにはたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の一種「トリプトファン」が必要不可欠です。トリプトファンは体内で作ることができないため、食事からの摂取が必要です。トリプトファンは、豆腐や納豆などの大豆製品や雑穀米、卵、乳製品などの食品に多く含まれています。
トリプトファンからセロトニンを生成するには炭水化物が必要です。また脳内だけでなく、腸内でもセロトニンを合成するので、バランスの良い食事や腸内環境を良くすることが睡眠の質に大きく影響を及ぼすことがわかります。

朝ごはんで体内時計を整える

朝ごはんをいただくことで、
・体温が上がる
・代謝を上げる
・体内時計が整う
・エネルギー補給
などなど良いことずくめです。
朝、陽の光を浴び、朝食を摂ることで、脳と体が朝を認識し一日の体内時計がスタートします。そして、日中、十分なセロトニンを生成し、私たちは活動します。陽が沈む頃メラトニンに変化することで、脳と体に休息時間がきたことを知らせてくれます。そして、睡眠へと導きます。こうして体内時計が整うことで、ホルモンが活発に生成され睡眠を深め、夜ぐっすりと眠れるというわけです。
また、朝食には、セロトニンの合成に関わる炭水化物のお米と、トリプトファンを含むおかずの存在、そして腸内環境を整えるみそ汁があれば日中も元気に活動することができます。
日本食は世界から見ても素晴らしい健康食です。まずは、出汁と旨みのシンプルだけど腸が喜ぶ朝ごはんで、質の良い睡眠を手に入れましょう。
 
*次ページでは、睡眠の質を高めるための簡単レシピをご紹介します!

睡眠ホルモンを活発にする 「厚揚げとかぶのおろしあんかけ」

厚揚げは、トリプトファンが豊富に含まれており、栄養価の高い良質なたんぱく源です。春のかぶの根は甘く柔らかいのが特徴で、消化酵素のアミラーゼを豊富に含み消化吸収を助ける働きがあります。セロトニンの生成に欠かせない炭水化物の白米には、雑穀を合わせることで、米の高騰での家計の圧迫を緩和できるとともに、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富なのでおすすめです。

【材料(2人分)】

厚揚げ…150g(1/2枚)
かぶ…2個
鰹昆布だし(みそ汁参照)…100mL
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1
酒…大さじ1
片栗粉…小さじ2
水…小さじ2

【POINT】

厚揚げはこんがりと焼くことで、余分な油が取れてカリッとした食感に。

【作り方】
 
① 厚揚げはサイコロ状にカットする。
 
②かぶ一つは皮付きのままくし切りに、もう一つは皮を剥いてすりおろし、葉は小口切りにする。
 
③ フライパンで厚揚げと、くし切りにしたかぶを両面焼く。
 
④ 鍋に鰹昆布だしと酒、しょうゆ、みりん、水を切ったカブのすりおろしを入れ加熱する。
 
⑤ ③を④に入れ、味がしみたら、かぶの葉を加え水溶き片栗粉を鍋肌から回し入れ、とろみがついたら完成。
 
エネルギー(一人分)/271㎉ 塩分/1.53g たんぱく質/17.4g 脂質/17.1g 糖質/9.5g

食物繊維や疲労回復のミネラルがたっぷり 「なめこと海苔のみそ汁」

焼き海苔はセロトニンの生成に関わるビタミンB6や良質なタンパク質を含んでいる海藻類です。ミネラルも多く疲労回復にも効果があるといわれています。なめこには水溶性と不溶性の食物繊維が豊富に含まれていて、汁と一緒に摂ることで栄養価たっぷりのみそ汁に。みょうがに含まれているカリウムはナトリウムを排出するのに役立つため、むくみ防止や体の調子を整えてくれる作用があります。

【材料(2人分)】

みょうが…2個
なめこ…80g
海苔…板のり1/4枚
昆布…4g
鰹節…6g
水…400mL
赤みそ…大さじ1

【POINT】

昆布は昆布のまわりに小さい気泡が出てきたら取り出す。煮すぎると海藻の臭みやえぐみが出るため。

【作り方】
① 昆布は乾いたキッチンペーパーで軽くふいて汚れをとる。
 
② 鍋に水と昆布を入れ中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
 
③ ①の汁が沸いたら火を止め鰹節を加える。全体が浸るようにして1分ほどしたらキッチンペーパーで濾す。
 
④ ②を鍋に戻し、なめこを加え2分ほど火を通したら火を止め、赤みそを溶く。
 
⑤ お椀に盛り付け、輪切りにしたみょうがをのせ、海苔をちぎって入れる。
 
エネルギー(一人分)/32㎉ 塩分/0.76g たんぱく質/2.3g脂質/0.3g糖質/4.3g


【参考文献】
いちばん親切な更年期の教科書(世界文化社)
熟睡する技術(メディアファクトリー)
一生役立つ きちんとわかる栄養学(西東社)
食品成分/食品成分データベース(文部科学省)


*画像・文章の転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

食のトレーナー
原田マチ子

原田マチ子

私自身も50代、身体の変化を実感中。更年期世代のダイエットから、強くなりたいジュニアアスリートまで食の力で全力サポート。元気になる「応援めし」を発信しています。

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