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夢に向かってダンスに励む娘がいじめの標的に。暴走した母親の感情が招いた結末とは?【書評】

  • 2026.10.6

【漫画】本編を読む

習い事に一生懸命取り組む我が子を応援するのは親として当たり前のことだ。しかし、そこに、ごく限られた人のみに与えられるチャンスを見せられたとき、その気持ちはどうなってしまうのだろうか。『腐ったミカンは誰 ~いじめ・夢・嫉妬 娘のダンス教室で渦巻く黒い感情~』(リアコミ:脚本、シン・チョヨン:漫画/KADOKAWA)は、アイドルを夢見る少女たちと、その母親たちの間で膨らんでいく嫉妬と対抗心を描いた作品である。

せりは、5年間ダンススクールに通いながらアイドルになることを夢見ている小学5年生。母親は娘が本当にアイドルになれるとは思っていないものの、たとえ挫折してもいい経験になるだろうと考え、できる限り応援することを決める。そんなある日、娘が通うスクールに韓国の大手芸能事務所と直結した育成クラスが新設される。このクラスに入れる10人のなかでもっとも優秀な子には、事務所に所属できるオーディションを受ける権利が与えられるという。夢に一歩近づけるとあって、せりも挑戦を決意する。

しかし、このクラスをめぐって動き始めたのは少女たちだけではなかった。10万円もの参加費用がかかり、選抜試験では容赦なく実力を比べられる。子ども同士に競争心が芽生える一方で、母親たちの思いも次第に熱を帯びていく。なかでも、せりをライバル視するミレイの母親は、せりのダンスが評価されるにつれて彼女に敵意を向け始める。

「娘の夢をかなえたい」「頑張っているから報われてほしい」。そんな親として当然の思いが嫉妬や焦りと結びつき、いつしか子どもたちの関係まで変えていってしまう。暴走した親に従う少女たちの間にも大きく亀裂が入り、純粋にダンスに取り組んでいたせりはその渦に巻き込まれ、やがていじめの対象となるのだった——。

純粋に娘を思う気持ちが、次第に他者を踏みにじる言動へと変化してしまった親の嫉妬心はどこに行き着くのか。最後まで目が離せない。

文=ちゃむ

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