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「何かの間違いですよね!?」“学資保険300万円”を解約した40代母→後日、通帳を記帳すると…判明した事実に“泣き崩れたワケ”

  • 2026.10.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

お子様の将来のためにと、「学資保険」に加入されている親御さんは多いのではないでしょうか。毎月コツコツと積み立てて、大学進学など一番お金がかかる時期に備える。親の愛情が詰まった素晴らしい備えですよね。

しかし、長く積み立ててきたからこそ、途中で解約したとしても、積み立てた分のお金はそのまま戻ってくると勘違いされてしまうケースが意外と多いのです。

今回は、大学入学直前の急な出費に対応しようと、良かれと思って学資保険を満期前に中途解約し、思いがけないトラブルに見舞われてしまった40代のお母様のエピソードをご紹介します。

教育資金の王道「学資保険」に潜む落とし穴

お子様の教育資金準備として長年親しまれてきた学資保険ですが、その仕組みをしっかりと理解していないと、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。

「自分が積み立ててきた分は戻るはず」という大きな思い込み

ある日のこと、私が勤める銀行の窓口に、お取引があり何かと相談事にお答えしている40代の女性、Aさんが血相を変えて駆け込んでこられました。手には記帳を終えたばかりの通帳が強く握られています。

「これ、どういうことでしょうか......! 300万円近く積み立ててきた学資保険を解約して振り込んでもらったのに、250万円しか入っていません! 何かの間違いですよね!?」

詳しくお話を伺うと、Aさんは高校3年生の息子さんの大学受験費用や、県外での一人暮らしに向けたアパートの初期費用など、この数ヶ月で想定外に出費がかさんでしまったそうです。そこで「あと半年で満期だけど、自分がコツコツ積み立ててきた分のお金は、当然そのまま返ってくるから」と、急遽まとまった現金を作るために、ご自身で学資保険を中途解約してしまったのでした。

窓口で流した涙。解約前に知っておくべきだった選択肢

大切なお子様のために17年以上も毎月我慢して積み立ててきたお金が、一瞬にして50万円も減ってしまった。その事実を知ったAさんは、窓口で涙を流されていました。

満期前の中途解約による「元本割れ」の悲劇

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「あと少しで満期だったのに……。これじゃあ、仕送りの分まで回らない……」

一般に「学資保険」といっても様々な商品があります。郵便局(かんぽ生命)や各保険会社が、それぞれ特色のある学資保険を取り扱っています。貯蓄を目的とした商品の多くは、満期(契約で定めた受け取り時期)まで続ければ、支払った総額以上を受け取れるよう設計されています(特約の付け方などによっては、満期でも元本を下回る商品もあります)。

しかし、満期を迎える前に「中途解約」をしてしまうと、戻ってくるお金(解約返戻金・かいやくへんれいきん)が、それまで払った総額を下回り元本割れしてしまう場合もあるのです。

Aさんの学資保険には、息子さんの医療保障などの特約が付いていました。払った保険料の一部は保障に使われていたため、解約で戻ってくるお金は、払った総額を大きく下回ったのです。

その後も話を聞いたところ、Aさんは「貯金のように積み立ててきたのだから、途中でやめてもそのまま全額引き出せる」と、銀行の定期預金と同じような感覚で思い込んでしまっていたのでした。

解約せずにお金を工面する「契約者貸付」と「教育ローン」

Aさんのように、どうしても満期前にお金が必要になった場合、解約して損をしてしまう前に、ぜひ知っておいていただきたい方法があります。

一つ目は、保険の「契約者貸付(けいやくしゃかしつけ)」という制度です。これは、解約返戻金の一定範囲内(一般的に7〜9割程度)で、保険会社から一時的にお金を借りることができる仕組みです。保険契約をそのまま継続できるため、満期になれば予定通り満期学資金を受け取ることができます。借りた分と利息は差し引かれますが、元本割れという数十万円規模の大きな損失を防ぐことができます。

二つ目は、銀行や日本政策金融公庫(国の教育ローン)などの「教育ローン」の活用です。進学にかかる費用であれば、必要な分だけを借り入れることが可能です。学資保険はそのまま満期まで生かし、一時的な資金不足はローンで乗り切り、学資保険の満期金が入った段階でローンを一括返済する、という方法をとれば、Aさんも大きな損をせずに済んだのです。ただし、ローンには利息がかかり、審査もあります。満期金で返し終えるまでにかかる利息と、解約で減る金額を比べて判断しましょう。

大切なお金を守るため、一人で悩まず相談を

家計のやりくりや教育資金の捻出は、親御さんにとって本当に頭の痛い問題です。しかし、焦って行動する前に、少しだけ立ち止まってみてください。

今回ご紹介したAさんのケースのように、「自分の財産だからどう使っても損はしない」という思い込みが、大きな損失を招いてしまうことがあります。特に保険商品などの金融商品は、運用ルールなどをしっかり確認しておかないと、大きく受け取り条件が変わってしまうこともあるのです。

もし、急な出費でお困りの際や、金融商品の取り扱いに迷ったときは、決してご自身だけで判断して手続きを進めず、まずは銀行の窓口や専門家にご相談ください。私たち銀行員は、お客様の大切な資産を守り、最適な解決策を一緒に探すために存在しています。大切なお子様の未来のためのお金だからこそ、正しい知識でしっかりと守っていきましょう。


※事例は、個人が特定されないよう内容を一部変更しています。

執筆者:加藤隆二

現役銀行員ライター。銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。

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