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「役者としてこれ以上ないほどの幸せ」…奈緒主演『かすかな彼を抱きしめて』2027年1月公開決定

  • 2026.9.17

日本海の街と東京を舞台に、年月を超えた愛と再生を描いた奈緒主演の長編映画『かすかな彼を抱きしめて』が2027年1月15日(金)に公開されることが決定した。

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林かなみには、不慮の水難事故により行方不明となった夫、幸助がいた。遺体は見つからないまま、法的に幸助は死亡とみなされる。周りの支えや新たな恋人、優との温かな日常で立ち直ったようにみえるかなみの前に、ある日、「幸助の幽霊に会ったことがある」と語る不思議な青年、純が現れる。

主人公のかなみを演じるのは、第33回橋田賞新人賞・東京ドラマアウォード2025主演女優賞を受賞、2026年は『死ねばいいのに』『シャドウワーク』、2027年には『あをの情』と主演映画が続く奈緒。本作の主人公、かなみは、脚本も務めた山西竜矢監督によるあて書きであり、夫を事故で亡くし心の奥底に行き場のない悲しみを抱え、脆さと力強さを両面にあわせ持ちながら生きる女性を熱演する。

奈緒は、本作のオファーを初めて聞いた時のことを「私をイメージして脚本を書いているという、役者としてこれ以上ないほどの幸せなお話を、監督から聞いたのは2023年のことでした」と振り返り、その1年後、台本を初めて読んだ時の心情を、「1年の時を経て手元に届いた台本は、『あいまいな喪失』から始まる愛の物語でした。読んだ時、背中にそっと誰かの手が置かれたような温かさに、自然と涙が出た」と明かした。

現代のかなみの前に突如現れ、「(失くした夫である)幸助さんの幽霊に会いました」と告げ、かなみの運命を大きく動かしていく謎の青年、純を演じるのは、『爆弾』(25)で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、本年度は『未来』『黒牢城』『我々は宇宙人』『わたしの知らない子どもたち』と、話題作への出演が続く坂東龍汰。坂東は完成した映画を観た気持ちを「スクリーンのなかいっぱいにスタッフさんたちの独創的なアイデアが詰まっていて、その1つひとつに心を動かされました。静かに揺れているもの、目には見えないけれど確かにそこにあるもの。そんなものを、この映画はそっと掬い上げているように思います」と語る。

かなみの現在の恋人、優を演じるのは、近年は『罪と悪』(24)『劇場版 アナウンサーたちの戦争』(24)『岸辺露伴は動かない 懺悔室』(25)、ドラマ「シバのおきて〜われら犬バカ編集部〜」、大河ドラマ「豊臣兄弟!」などに出演する大東駿介。大東は本作の撮影について「芝居だけではなく、カメラアングル、ワーク、照明、台詞回し、そのすべてが重なって、映画作品だからこそできる心情表現、映像美を目指していて、新鮮で面白かったです」と振り返り、作品を通し感じたことを「生きていれば誰しも忘れられない別れがあると思います。僕にもいます。その人との止まった時計とどう向き合うか。この作品を通してその時計が動きだした気がします」と明かした。

かなみの夫で事故に遭い行方不明となり、法律的に死亡が認定されている幸助を演じるのは、2013年の舞台「黒蜥蜴」で俳優としてデビュー、第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞『偶然と想像』(21)や、ドラマ「不適切にもほどがある!」をはじめ数多くの映画、舞台、ドラマに出演してきた中島歩。ドラマ「Tシャツが乾くまで」では、妻を事故で失くし喪失を抱える夫を演じた中島が、本作では不慮の事故に遭い妻を残して亡くなる幸助を演じる。中島は本作について、「台本を読んで浮かんだ景色が、目の前に現れていくような不思議な撮影でした。夢のような、記憶のようなあいまいで美しい映像が撮れたと思います。なんて、私が撮影したような口ぶりですが私はもちろん俳優部として参加しています」と個性あふれるコメントを寄せた。

メガホンをとるのは、初長編映画『彼女来来』(21)で北米最大の映画祭JAPANCUTS新人最高賞「大林賞」を受賞し、ドラマ「SHUT UP」では脚本担当としてアジアコンテンツアワード最優秀作家賞にノミネートされるなど、その作家性を国外でも高い評価を受けてきた山西監督。オリジナル作品である本作は脚本も担当している。本作の制作のきっかけについて山西監督は「さよならだけが人生だという言葉がありますが、『さよならさえ言えない別れ』も、世の中には存在します。遺体に会えないまま大切な人を失ったとき、喪失を受け入れることも別れを告げることもできず、仄暗い苦しみの渦から抜けだせなくなってしまう。そんな『あいまいな喪失』という概念を知ったとき、ほとんど直感的に、それをテーマにした映画を作りたいと思いました」と語る。また、奈緒をはじめとしたキャストについて「主人公のかなみ役に奈緒さんの顔が浮かび、当て書きで執筆を始めたのが、いまから4年前のことです。そこから、坂東さん、大東さん、中島さんをはじめとする素晴らしいキャスト、才能あふれるスタッフが集まってくれ、この難しい題材と私はがっぷり組み合うことができました」と振り返った。

撮影は、2025年11月に東京と、福井県の美浜町、敦賀市、小浜市、おおい町などで行われ、山西監督は本作で、日本映画を美しく彩ってきた古典的な演出方法を取り入れながら、絵画的なショットや不穏かつ幻想的な映像で紡ぎあげた。

亡くなったはずの幸助に会うために、純とかなみが出た旅路の果てに待ち受ける真実とは?続報にも注目だ。

<キャスト、監督コメント>

●奈緒(林かなみ役)

「私をイメージして脚本を書いているという、役者としてこれ以上ないほどの幸せなお話を、監督から聞いたのは2023年のことでした。一年の時を経て手元に届いた台本は、『あいまいな喪失』から始まる愛の物語でした。読んだ時、背中にそっと誰かの手が置かれたような温かさに、自然と涙が出たのを覚えています。そんな温かい本を書いた山西監督の演出が、どれほどむずかしく、おもしろく、刺激的だったのかは、話し始めると尽きないので…公開までに、感謝の言葉と共にノートにまとめておこうと思います。映画『かすかな彼を抱きしめて』を見てくださったあと、自分のなかに居る大切な人の輪郭が、ふと浮かぶかもしれません。それもみなさんの愛なのだと、私は信じています」

●坂東龍汰(野上純役)

「初めて台本を読んだ時、山西監督の紡ぎだす世界に魅了されました。そして主演が奈緒さんだと知り、この船に自分も乗ってみたいと思いました。純という謎の多い人物を前にして、どうアプローチしていくか、撮影に入るまで、そして撮影に入ってからも、ずっと考えていたような気がします。監督が撮影前にリハーサルの時間を設けてくださり、奈緒さんと三人で言葉や身体の置き場所を探りながら、少しずつ馴染んでいくことができました。美しい街の風景や、そこで食べた美味しいものもこの映画の記憶の一部になっています。完成した映画を観て、スクリーンのなかいっぱいにスタッフさんたちの独創的なアイデアが詰まっていて、その一つひとつに心を動かされました。静かに揺れているもの、目には見えないけれど確かにそこにあるもの。そんなものを、この映画はそっと掬い上げているように思います。ぜひ劇場で受け取っていただけたらうれしいです」

●大東駿介(長原優役)

「台本をいただいて、フラットな気持ちで読んだつもりだったのですが、本を閉じる頃には感情があふれ、山西監督の創るこの作品の世界に、この共演者のみなさんと生きたいと思いました。ありがたいことに、撮影前に丁寧なリハーサルの時間をいただき、芝居のこと、シーンのこと、この作品の向かうべき場所をみんなで共有できました。山西監督の演出は芝居だけではなく、カメラアングル、ワーク、照明、台詞回し、その全てが重なって、映画作品だからこそできる心情表現、映像美を目指していて、新鮮で面白かったです。生きていれば誰しも忘れられない別れがあると思います。僕にもいます。その人との止まった時計とどう向き合うか。この作品を通してその時計が動きだした気がします。あなたの大切な誰かとの大切な時間を大切に想える作品になればと思います」

●中島歩(林幸助役)

「台本を読んで浮かんだ景色が、目の前に現れていくような不思議な撮影でした。夢のような、記憶のようなあいまいで美しい映像が撮れたと思います。なんて、私が撮影したような口ぶりですが私はもちろん俳優部として参加しています。ともかく映画館という暗闇の箱のなかで観ることで、夢や記憶のなかに浸るような体験ができますのでぜひ劇場へ足をお運びください」

●山西竜矢(監督)

「さよならだけが人生だという言葉がありますが、『さよならさえ言えない別れ』も、世の中には存在します。遺体に会えないまま大切な人を失った時、喪失を受け入れることも別れを告げることもできず、仄暗い苦しみの渦から抜けだせなくなってしまう。そんな『あいまいな喪失』という概念を知った時、ほとんど直感的に、それをテーマにした映画を作りたいと思いました。主人公のかなみ役に奈緒さんの顔が浮かび、当て書きで執筆を始めたのが、いまから4年前のことです。そこから、坂東さん、大東さん、中島さんをはじめとする素晴らしいキャスト、才能あふれるスタッフが集まってくれ、この難しい題材と私はがっぷり組み合うことができました。誰かを深く愛すること。その喪失に向き合うこと。生きていくこと。いまの自分にできる限り、それらの本質を捉えようと試み、作品のなかに散りばめたつもりです。この映画が、誰かのささやかな支えや癒しになることを願っています」

文/山崎伸子

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